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#65 イタリア語 事始め(10)tempo、TOEIC、呼吸 速さ

イタリア語で”時間”は”tempo”と言います。音楽で「テンポが速い」というのは、イタリア語が”芸術発祥の地”だからでしょう。4月からイタリア語を一人コツコツ勉強していて、料理と音楽にはイタリア語があふれていることを知って感動しました。例えば、音楽で使う記号の多くはイタリア語で、"p" は「小さくpiano」 、"pp"は 「かなり小さくpianissimo」、”f”は「大きく forte」、 "ff"は「かなり大きくfortissimo」ですね。おおとっても素晴らしいBravissimo

 音楽の音が出る時を拍(はく)と言い、拍と拍の間の時間(tempo)が長くなると、ペースは遅くなります。日常生活で、「早いテンポ」という表現を耳にすることがあります。これを使うと、「テンポ(時間)が長くなると、テンポ(速度)が速くなる。」という不思議な文章ができてしまいます。(アラァッ、面白い)。たぶんメトロノームが発明されて、例えば記号「♪=60」であれば、メトロノームの速さ(1分間の拍数)を60に指定することが、テンポと結びついてしまって時間の逆数のはずの速度と結びついてしまったんではないかなと、素人の想像をしています。(英語の"pace"も「一歩」と「速度」という、"tempo"と似た逆数の関係になっていて面白いです。)

 ところで、英語のコミュニケーションスキルをはかるTOEICという試験が有名です。リスニングとリーディングだけの試験なので、スピーキング能力が評価できないと思っていたのですが、発音は無理としてもある程度のスピーキング能力と相関があるようです。というのは、試験を受けた人はわかると思いますが、リーディング問題の数と解くための時間からすると、質問文を読み返していると全問を読む時間が足りなくなります。わからない単語があっても、リスニングのように一方向だけに問題文を読み続けていかないと全問解くことができません。人間の読む速さは、話す速さと同じくらいにしかならないそうです。脳が文字を見て処理するのが一番時間がかかるので、ここが遅いと話せないばかりか文章が把握できません。母国語の文章は子供の頃から見ているので、文書を読むとき「ひと文字ひと文字」を意識することなく、単語・文節・文が目に飛び込むと脳で一瞬にして意味が浮かび上がってきます。毎日のドリル学習をすると、文字を見て脳が処理する「テンポが短く」「ペースが速く」なり、”スラスラ”と読めるようになります。

 他人に自分の思いを伝えたいときの話す速度の目安は? 以前、これについて書かれた文章を読んだところ、「呼吸をする速度」と書かれてありました。話す人も聞く人も、呼吸をしているので、呼吸の”テンポ”と違うと、知らず知らずのうちに疲れてしまったり・不自然に感じるそうです。

 今のところ、このnote記事を更新するテンポは一日で、平日はアイデアをメモして、文章を土日にたくさん書き溜めておいています。二カ月続けても、まだまだ呼吸をするような"tempo"では書けません。修行が足りませんね。成長する余地が豊富です。 、、、、お後がよろしいようで。