#128 「先輩」と「後輩」がいない世界
そんな国があるのでしょうか?
「兄」と「弟」がいない。「姉」と「妹」がいない。
思わず、「えっ。ウソ」と言いたくなりませんか?
世界は、そんな国の方が多いんです。
「クラスメート」や「同僚」、「兄弟」、「姉妹」と呼び、年齢の差で呼び方を変える方が、多分少数派だと思います。古文で習った、中国の「伯夷・叔斉」の漢文の授業で、「伯父」と「叔父」のどちらも「おじ」でも、父母よりも年長か年少かで漢字が違うというのを習ったのが思い出されます。同じ読みで、文字まで変える文化がある私たちからすると、簡単で便利と思うとともに、(ちょっと寂しい)気がしませんか?
「後輩の〇〇です。先輩、よろしくお願いします。」と言われたら、(よしよし、一緒に頑張ろうね!)と思うのが日本的な気がするのですが、、、、。海外のほとんどの国では、こういう挨拶は通用しない、というかそんな文化がないようです。
反対に、海外では一般的でも、日本では”耳慣れない”のがメンター(mentor)があります。
【メンンタリング】 指示や命令によらず、メンター(mentor)と呼ばれる指導者が、対話による気づきと助言による被育成者たるプロテジェ(protégé)ないしメンティー(mentee)本人と、関係をむすび自発的・自律的な発達を促す方法(引用元:Wikipedia)
これって、「職場の先輩と後輩」のことだったのでは?と、「昭和生まれ」世代は思います。困った後輩がいたら、先輩が助けてあげる。後輩は、困ったら先輩を頼り、自分に後輩ができたらそれを後輩の新入社員に、今度は自分が教えるという繰り返し。「メンター制度」なんて言葉は、ここ数年よく耳にするようになってきたんですが、もしかしたら「先輩と後輩のつながり」が弱くなってきて、”横文字”で注意喚起しようとしているのかも知れません。
"OJT: On the Job Training" 職場で実践を通じて新入社員にトレーニングする方法、これも英語で言わなくても昔から”実務研修”などという名前で行われきたと思います。
「お兄ちゃん、教えて。」「フムフム、弟よ、教えてあげよう。」もし、これを”brother”という単語では、”肝心なところ”が伝えられない気がするのは、日本語の文化のせいでしょうか? きっと、礼儀を重んじるのが基本にあり、年長者の”誇り”(みえ)と”義務”(責任)を日本社会は要求し、それに答えれる人間に社会の構成員の一人一人が”目標”として頑張る文化なんでしょうね。もし国が違えば”メンター”と他の言葉で呼ぶだけで、基本は同じ人間社会だと思います。