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#217 コツコツ 伝わる音(ね)

今年の年末・年始は,バタバタと忙しく過ごしていました.そんな中,神経を集中せずに片付けや箱詰めなどの作業中重宝したのが,最近購入した”骨伝導イヤホン”でした.

骨伝導

 以前からその存在は知っていましたが,お値段がお高いので,購入に二の足を踏んでいました.清水の舞台から飛び降りた気持ちで,昨年末購入して驚きました.「意外といい音」で聴くことができます.以下は私の感想です.

メリット

  • 耳をふさがないので,周りの音も同時に聞こえる.(誰かに話しかけられても返事ができます.)

  • こめかみ付近の振動を頭蓋骨で広い聴覚神経で受けるので,周りに音が漏れない.

  • 防水タイプを購入したので,雨降りでも使用可能.(雨降りに頭に水を被る場面は無さそうですが.)

デメリット

  • 眼鏡とマスクを同時にしていると,耳に「第三のアイテム」にかけるので,外そうとすると簡単には外せず,同時にマスクと眼鏡をはずさないといけないことが多い.

原理

 Wikipediaで「骨伝導」を検索してみると,

”通常、動物が音を感じる仕組みは空気を伝って鼓膜(中耳)を振動させ聴覚神経(内耳)に伝わっているが(気導音)、骨伝導とは音の振動が骨を導体として直接聴覚神経に伝わる(骨導音)ものである。この骨伝導は意図的に起こさずとも日常で常に起こっており、自分が聞く自分の声は気導音と骨導音が合わさったものである。録音した自分の声を初めて聞くと強い違和感を覚えるのは、録音機器のマイクは空気伝導によって伝わる音のみを録音するからである。”

https://ja.wikipedia.or

なるほど,だから録音された自分の声は”他人の声”に聞こえるんですね.(ということは,自分の声をいつもの声に変えるエコライザを作れば,”耳慣れた”声を聴くことができるはずです.但し,スピーカではなくイヤホンで聞かないと周りの人には違和感があるでしょうが,,,)

ベートーヴェンの”指揮棒”

 さらにWikipediaを読み進めると,

”ドイツの作曲家ベートーヴェンは20代後半に難聴を患い、ほとんど何も聞こえないほどの状態になったが、この時彼は指揮棒を歯で噛みピアノに押し付けて骨伝導で音を聞き取ることで、作曲を続けることができたと言われている”

https://ja.wikipedia.org/wiki/

(へぇー.)そうだったんだ.難聴で第9を作曲したのは聞いていたけれど,指揮棒を口で加えて骨伝導で作曲していたんですね.骨伝導と空気伝導の両方で聴衆は音色を聴くので,ベートーヴェンの頭の中では骨伝導で聴いた音がどのように聴衆に届くかを”計算”しながら作曲していたことになります.さすが,大作曲家!

新しい伝え方?

 新型コロナ感染症の影響で,「気持ちの伝え方」がそのスタイルを変えつつある気がします.画面とスピーカに加えてこれからは,触覚・嗅覚を伝えるコミュニケーションデバイスができてくると良いなぁと思う年の初めです.そのためには,皆が”骨折り損”を恐れずに,精進してコツコツと研究を進めるしかないですね. それがコツ(骨),この思い伝わるかな? ...お後がよろしいようで.