#93 気配の気配り(2) 世界の挨拶
新型コロナの影響で遠隔授業が開始して3カ月が経ちました。教室ではなくネット越しの授業で、そこにいる”ケハイ”(気配)を感じるために、何ができるかなと今も考えながら講義をしています。
挨拶
以前のnote記事に書いたように、授業の最初と最後には、せめて全員マイクをONにして挨拶をするようにしています。終わりの挨拶は、「日替わり当番」を決めて、事前に世界の国々の挨拶を選び、掛け声をかけてもらうことにしています。
世界の言葉
今までに、いろいろな言葉が選ばれて挨拶をしてくれました。
中国、韓国、フィリピン、マレーシア、インド、ノルウェー、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル、モロッコ、ボリビアなどなどの国々の言葉に加え、アイヌ語、エスペラント語
アイヌ語とエスペラント語が選ばれるとは思いもしなかったので、驚きました。インターネットで調べると、いろいろな情報が手に入る現代のスゴサを感じました。
”再見” or ”再聞”?
ドイツ語の挨拶、電話での別れの挨拶が表現が違うとは知りませんでした。「sehen 見る」「hören 聞く」なので、電話では「Auf Wiederhören」と言うそうです。
中国語の「さようなら 再見」を電話でどういうかは知りません。ドイツ語の類似では、再聞?
英語で「See You」は聞いても「Listen You」とは聞いたことがないです。(もしかしたら、あるのかな?)
どこ?
そう言えば、「ところで、ボリビアってどこの大陸?」と最後にたずねると、「エッ?!」と驚かれてこちらも驚きました。インターネットで調べるというのは、実際にそこに苦労して行くわけではないので、何処かが印象に残らないようです。
味とニオイ?
そこでの食べ物の味、市場のニオイなどがウェブでは、まだわかりません。(いつか、感じられるかもしれませんが。)例えば、寒ーい冬の日にドーバー海峡で獲れたヒラメ一匹の唐揚げをホクホクのジャガイモとウイスキーで胃に流しこんだり、熱帯気候のシンガポールの通りを歩いていると”独特な”臭いがし始めて、近づいたら路上で果物の王様ドリアンが売られていたりとか、、、、。どれも楽しかった海外の思い出です。そういう味覚や嗅覚の”体験”は、言葉以上に脳に記憶されます。
データ ダイエット
ちなみに、教材は配信するのですが動画を配信しない理由は、高等教育機関の多くは教材のみを送受信すれば授業が成立するので、”データダイエット”に協力して、Videoをオフにしているからです。一方、画像配信が必要なのは、実技や芸術などを学ぶ大学などと、表情がないと意思疎通が難しい小中学での授業です。こちらに通信帯域を確保するための節約を”データダイエット”と呼んでいます。
気配(けはい)と気配(きくば)り、難しいですね。心配(しんぱい)と心配(こころくば)りと同じですね。