ワタシの片隅の水溜まり
この頃ワタシは、遠くにあるナニカを見ようとしている。
何か私を変えてくれるような未知の体感を得ようとばかりしている。
昨日は雨が降った。
だから自転車を置いて、バスで帰った。
そのおかげで今日は、いつもなら自転車でささっと行く道を歩くことにした。
一日中くもってて、なんかパッとしない。
じめじめしたのも、暗いのも、私の心にナニカが触れるような環境条件ではない。
でもなんだか今日は、色んなものがフィルムを通しているように私の目に写った。
昨日の雨で、小さな水溜まりにちょこちょこ出くわす。
いつもは、ただ踏まないように避けて通るだけ。
水溜まりに映る電線とか建物とか。
なんとなくそんなものに惹かれた。
わかりやすくテンションが上がる、
あっけらかんとした晴れの日やまぶたに染みる日差し。太陽であったまった風のにおい。
そんなんじゃなく、道路の隅のちょっとした窪みにある小さな水溜まり。
今日はそれがなんかよかった。
遠くのまだ知らない何かのよさよりも、
近くのすぐそこにあるよさ。
頭じゃなく身体で。
単純な言葉にするのが難しいけど、なんとなく心にじわぁとくるよさを。
拾っていけるワタシでありたい。
考えたこと、感じたこと。
伝えたいこと、濁したいこと。
毎日色んな体感が私の中に入ってくるのに、心と頭の容量って思っているほど多くはない。
小さな色々を私に溜めておきたいのに、ぽろぽろ端からこぼれていっちゃう。
私が拾った色々をこぼさずに溜めておきたい。
そうして色んなワタシが重なり合って、滲んでいく。
そんな場所にここがなれたらいいな。