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Ⅷ. 関数の漸近線【基礎微積分学:大学数学】

今回の記事はかなり短め。


0. 前置き

今まで極限の話ばっかしてたのに、急に線の話ってなんなんだ、となるかもしれないが、関係しているものではあるので落ち着いて見てほしい。

そもそも「漸近ぜんきん線」とは何か、ということに関してなんだが、それは二つに分かれる漸近線の定義で話させてほしい。ということで、まず1つ目から。

1. 水平漸近線(Horizontal Asymptote)

まず水平から見てみる。定義はこちら。

関数$${f}$$が$${x\longrightarrow\infty}$$または$${x\longrightarrow-\,\infty}$$のとき$${c}$$に収束するとき、
(つまり$${\displaystyle\lim_{x\to\infty}f(x)=c}$$または$${\displaystyle\lim_{x\to-\infty}f(x)=c}$$のとき)
直線$${y=c}$$を関数$${f}$$の水平漸近線と呼ぶ。

1. 水平漸近線の定義

図で見たほうが早いので例を出してみよう。

図 1. 関数 f(x)=exp(-x)+0.7 のグラフとその水平漸近線 y=0.7

まぁ名前の通り水平方向に引いてあるグラフがだんだん(づくだな~、っていうビジュアル。
「漸」の読みは「ようやく」だが、「だんだん、しだいに」という意味。

この関数$${f(x)=e^{-x}+0.7}$$の水平漸近線は$${y=0.7}$$になる。
$${x\longrightarrow\infty}$$のとき$${f(x)\longrightarrow0.7}$$からね。

あとは、$${\displaystyle \frac{\,1\,}x}$$の$${y=0}$$や、$${\tan^{-1} x}$$の$${y=\pm\,1}$$もある。

少なくはあるが、水平漸近線$${y=c}$$をもつ関数$${f}$$の特徴としては
正負の無限近方[$${(-\,\infty,\;p)}$$か$${(q,\;\infty)}$$、$${^\exists p,\;^\exists q\in X(f)}$$]で
 - 連続($${\pm\,\infty}$$への極限が成立してるから)
 - $${> c}$$か$${< c}$$(振動しながら収束するものは扱わない。)
 - $${c}$$は値域に含まれない
(正負は収束する側による。)

2. 垂直漸近線(Vertical asymptote)

さあ、今度は水平ではなく垂直だ。定義からどうぞ。

関数$${f}$$が$${x\longrightarrow c}$$のとき$${f\longrightarrow\infty}$$または$${f\longrightarrow-\,\infty}$$のとき、
直線$${x=c}$$を関数$${f}$$の垂直漸近線と呼ぶ。

2. 垂直漸近線の定義

こちらも早速例を出して説明しよう。ちなみにグラフが二つあるが、
これらは原点の位置をズラしただけで同じ関数のグラフだ。

図 2. g(x)=tan 0.3x とその垂直漸近線の一つ x=0.5π

こちらも名前の通り垂直に伸びたグラフがづく
今見える範囲での$${g(x)=\tan0.3x}$$の垂直漸近線は$${\displaystyle x=\frac{\,\pi\,}2}$$。

実際の$${c\tan x\;\;(c\neq0)}$$の垂直漸近線は$${\displaystyle x=\frac{\,2n+1\,}{2c}\pi\;\;(n\in\mathbb{Z})}$$で、無限個ある。
実際に描いたら有限個かもしれないが、グラフを広げたらもっとある。

他の垂直漸近線としては、$${\ln x}$$や$${\displaystyle\frac{1}{\,x^2\,}}$$とかの$${x=0}$$がある。

3. 漸近線(Asymptote)

さて、この本ではこの水平漸近線垂直漸近線をもって「漸近線」というが、
実はこの二つだけではないらしい。

……が、ここでは紹介しない。扱わない関数しか出てこなさそうで。
$${\displaystyle\frac{\,\sin x\,}x}$$とかありそうじゃない? しらんけど。

次は、微分係数&導関数について見ていく。

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