『直線で曲線を描くやつ』の式って何?
どうも、YKと言います。
突然ですが、こちらの図形を見たことはありますか?
縦横の軸に番号をつけて縦1-横1、縦2-横2、……のように線を引いてくと、
なぜか直線だけを引いたはずなのに曲線になっている、という。
そこで、ふと気になったのです。『これの方程式って何……?』って。
ちょっと気になりません? 円の一部だったらそれはそれで驚きだし。
ということで、方程式をどう組んでいけばいいか感を掴むために、
ますこれが曲線に見る仕組みから見ていきましょう。
先ほどの図を曲線のところでめちゃくちゃ拡大していくと、
このような感じになります。
よ~く見ると、直線と直線が繋がっていて、それで曲線のように見えるんだな~、ってことがわかると思います。
正n角形がnが大きくなっていくとまんまるになる、みたいな感じでね。
じゃこの傾きが変わるところって直線と直線が交わって一番前の直線が交代するところだろうし、この交わる点、交点を求めてこれをば~ってやったらいけるんじゃね? という推測をしたわけです。
さて、本格的に計算を始めていく前に、記号設定をしておきましょ。
次の3つの記号を使っていきます。こうすれば全部のケースに対応できるはず。
・$${k}$$:全体の図形の大きさ
・$${t}$$:今描く線分の始まる位置
・$${\epsilon}$$:次に描く線分との距離
ならまず、これを座標表面上に置いときます。
そうした方が位置も読みやすいし、計算もしやすい。
このように、第一象限に収まるように調整してみました。
そうすると$${t}$$で引く線分の位置を決める必要がありますが……。
大体こういうのは上から描き始めるので、$${(0,\;k-t)}$$と$${(t,\;0)}$$を繋いだ線分を$${t}$$で引く線分としましょう。
ここで、適当な正の数$${\epsilon}$$に対して$${t+\epsilon}$$で引く線分も考えます。
それとの交点を求めたいわけですね。普通なら$${\epsilon=1}$$ですが、まぁ間隔の取り方は人それぞれなのでとりあえず$${\epsilon}$$のまま残しておきます。
さて、この二つの点$${(0,\;k-t)}$$と$${(t,\;0)}$$を通る直線の式は、
いつぞやに習った直線の方程式を使って
$${\displaystyle y=\frac{\,t-k\,}t(x-t)}$$
になります。この方程式を$${y=l(x,\;t)}$$とすると、
$${y=l(x,\;t)}$$と$${y=l(x,\;t+\epsilon)}$$を連立した$${l(x,\;t)=l(x,\;t+\epsilon)}$$を解くと
あの交点の$${x}$$座標が現れるはず。
$${l(x,\;t)=l(x,\;t+\epsilon)}$$
$${\displaystyle\frac{\,t-k\,}t(x-t)=\frac{\,t+\epsilon-k\,}{t+\epsilon}(x-t-\epsilon)}$$
$${(t-k)(t+\epsilon)(x-t)=t(t+\epsilon-k)(x-t-\epsilon)}$$
$${\{(t-k)(t+\epsilon)-t(t+\epsilon-k)\}(x-t)=-\epsilon t(t+\epsilon-k)}$$
$${-\epsilon k(x-t)=-\epsilon t(t+\epsilon-k)}$$
$${\displaystyle x=t+\frac{t(t+\epsilon-k)}k}$$
そしてこれは直線$${y=l(x,\;t)}$$の上の点なので、代入したらあの点の$${y}$$座標になります。
$${\displaystyle y=\frac{\,t-k\,}t\cdot\frac{t(t+\epsilon-k)}k=\frac{(t-k)(t+\epsilon-k)}k}$$
この$${t}$$は$${(0,\;k)}$$以内ならなんでもできるので、なんとかグラフは作れそうです。
……だけど、$${\epsilon}$$が気になる。この$${\epsilon}$$は次の直線へバトントスをする間隔なので、この$${\epsilon}$$がある限り滑らかな曲線じゃなくてガタガタになっちゃうんです。
なら、もうほぼ$${0}$$みたいなもんにしちゃいましょ。そう、$${\displaystyle\lim_{\epsilon\to0}}$$です。
$${\displaystyle\;\;\;\:\lim_{\epsilon\to0}x\\=\lim_{\epsilon\to0}\left\{t+\frac{t(t+\epsilon-k)}k\right\}\\=t+\frac{t(t-k)}k=\frac{\,1\,}kt^2}$$、
$${\displaystyle\;\;\;\:\lim_{\epsilon\to0}y\\=\lim_{\epsilon\to0}\frac{(t-k)(t+\epsilon-k)}k\\=\frac{(t-k)^2}k}$$。
ということで、完成です! 割と早く終わりましたね。
こんな感じです。$${\begin{cases}\displaystyle x=\frac{\,1\,}kt^2 \\ \; \\\displaystyle y=\frac{(t-k)^2}{k} \end{cases} \;\,(0< t< k)}$$
え? 「$${t}$$があるじゃん、グラフの式ではねーだろ」だって?
大丈夫です。$${x}$$と$${y}$$が$${t}$$に関する式で表すことができたら、それはもう立派なグラフの式です。
『媒介方程式』と言ったりします。
実際に元々の図形と併せてグラフを描いてみると、こうなります。
おお、ぴったりハマってくれた。なんか嬉しいですね。
ちなみに円と重ねてみたり、サイクロイド曲線と重ねてみたりしましたが、どれも一致しませんでした。一体こいつの正体は何なんでしょう……。
こちらの記事でこいつの正体を暴いてやりました!!!!
ぜひご覧ください!
そんなところで、今回の記事は以上です!
ご覧いただきありがとうございました :D
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