戦慄かなのさんの話から考えるコミュニティ
戦慄かなのさんの話を聞く機会がありまして、これは行ってみたいと思ったのです。
[戦慄かなの wikiより]
幼少時から母よりネグレクトを受け、学内でいじめられ、中学2年時に自殺を図る[2]。JKビジネスに関与して高校時代に女子少年院へ送致され、1年8か月[3][4][5]矯正教育を受ける。退院後に薬局で事務員として働くが数か月で辞め、ライブアイドル活動を始める。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/戦慄かなの
私もね、父親はリストラされ借金も抱えていて、学費減免を受けて大学へ通ったしね。その後、親は離婚しているし、そもそも仲良く話している姿をひとつも覚えていない。だから、最高の家庭環境!とはいえないのだろうけど、不幸だったかと言われるとそうではない。
そんな私とはかけ離れているであろう、戦慄かなのさんの虐待当事者の話が単純に興味があったのです。
Q&Aも含めて約1時間の講演。特に残ったことは3つ。
①虐待されてると思っていなかった
これ、よく聞くんです。当事者はこれが虐待だと気づかない、と。
DVやハラスメント系もそう。「ここからが虐待!」というものではないからこそ、自分がそこに入ったことに気が付かない。
だから、「助けてって言ってね」というのがハードルが高い。そもそも助けてもらう存在だと思っていないから。SOS出したいときに出す場所があるのはもちろん大事なんだけど、出したくなるまで周りができることって何があるんだろうと考えてしまった。
②コミュニティの再構築って、何を目指そう?
戦慄かなのさんから「必要なのはコミュニティの再構築」っていう話があった。
何気ないことを話せる大人がいるといいらしい。
少年院でも、地域のおばちゃん(青少年指導員とか?)が来てくれるそう。すごいなと思うのは、その方たちが定期的に関わり続けていくこと。1度や2度ではなくて、継続して関わることで話せるようになる。
非行少年たちは、「大人なんて」って思っていることが多いから、1度目で会話になることはあまりないらしい。無視したり暴言吐いたりして、相手を確かめてから、やっとひと言二言会話になる、みたいな感じ。
そんなこどもたちって、実はいるだろうな。お母さんも同じく。どうせ誰も、って思ってる人いるだろうな。こういう人たちまで波が伝わるような「コミュニティの再構築」ってどんなものになっていくんだろう?
③過去と向き合うことが一番辛い
少年院って、やることがない。そんな中で過去と向き合うのは辛い。だから、それまでやってこなかった勉強や読書が娯楽になる…これまたなるほどでした。
SNSなんかも元はそうだったのかもしれない、と聞いて思った。現実を見るとつらくて言いたいことが言えなかったり、できないことがある。だから、インターネット世界で声を上げる。今はまたネットとリアルが近くなっている気もするけれどね。
過去に何があろうと、今が一番大事。もちろん、その当時に違った展開になっていたらそれはそれでいい。どんなあなたでも大丈夫、って一緒に今を共有できる人がいたらいい。
コミュニティや場づくりをしていると、身内感がでることがある。身内感って、当人たちは心地いいのかもしれないけど、それだけじゃ広まったり活動の幅が広がって行ったりはしない。
私は虐待されている方を助けたい!や、育児に困っている人を助けたい!って思いを持って場づくりをしているわけではない。
むしろ、支援はできないと思っている。
戦慄かなのさんの話を聞いて、やっぱりそのための活動はできないと思った。私がやることは、今を生きる大人仲間を増やしていくこと。それぞれがわくわくしている姿を見せていくこと。それがまわりまわって、「あんな大人にならなりたい」「ちょっと話してみようかな」なんて思ってもらえると信じてる。これが、私なりの新しいコミュニティなのかと思う。
さ。またふとやっちゃうことを、自分を幸せにすることを、していきます。
戦慄かなのさん、かわいかったー!