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【感覚コーディネーター⑦】空間を広げる

身体感覚と空間

空間を広げる、というタイトルを見て「これは何だ?」と思われたでしょうか。どこまでも広く広がる空間をイメージされたかもしれません。

ここでいう空間とは自分が意識できる範囲の空間のことです。

身体空間にまつわる空間は、
・身体内
・身体

身体空間︓Personal Space
身体周辺空間︓Peripersonal Space、Kinesphere(キネスフィア)
身体外空間︓Extrapersonal Space
とわけられます。
※他の切り口もあります

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身体空間(Personal Space)は自分の身体、および他人に近づかれると不快に感じる空間のことです。この空間の距離感が自分よりも近い人と接すると、身体空間内に入られてしまって嫌な感じがしますね。

身体周辺空間(Peripersonal)は身体空間よりも範囲が広がって、自分の意識できる空間です。
ルドルフ・ラバン(舞踊家)が提唱した空間表現のキネスフィアという言葉の説明が感覚コーディネータ講座にはしっくりきます。
キネスフィアは、
・⾃分の意識が届く範囲
・身体周囲において運動の可能性を予示する空間
・身体図式に基づく運動空間
と言われています。

キネスフィアが広いと、
・動きがダイナミックに⾒える
・オーラが感じられる
・気配がわかる
ようになります。

身体外空間(Extrapersonal Space)は、自分の意識の範囲外です。そこで何が起こってもあまり気になりません。

感覚コーディネータ講座で扱うのは、身体空間および身体周辺空間です。

身体周辺空間を広げる

身体周辺空間を、自分が意識できる範囲と書きました。
これは言い換えると感覚できる範囲です。

実は、この身体周辺空間(Peripersonalspace、キネスフィア)は状況によって変化します。
例えば、風邪を引いているときに普段ぶつからないところに足指や頭をぶつけた経験はないでしょうか。
これは風邪によって身体周辺空間が狭くなったからと言えます。
あとは前方よりも後方の方が意識しづらいですよね。

身体周辺空間が狭いということは
・狭い箇所の感覚が鈍い。
・狭い箇所が拘縮/緊張している。
空間を広げれば、これらが改善するという発想です。

身体周辺空間の見方

感覚コーディネータ講座では、一般的な姿勢分析の他に身体周辺空間をみてクライアントの状態を判断します。
身体周辺空間は、
①前後左右上下の動きの大きさの違い
②緊張を感じるところ
③意識の届く、反応する範囲

をみます。

①の動きの大きさの違いは、動いてもらえばわかりますね。
このとき単なる可動域だけでなく、動きのダイナミックさ、窮屈さもみます。

②の緊張を感じるところは、一般的な姿勢分析でもわかるような筋肉が緊張しているところ、収縮しているところです。慣れてくると雰囲気でわかるようになります。

③の意識の届く、反応する範囲が感覚コーディネータのキモなのですが、空間が他と比べて狭くなっているところをみます。
みます、と言っても何それ?と思いますよね。
講座生も初めて披露したときは「JIN先生だからできる技でしょ」と笑っていましたが、講座が進むにつれて皆さんできるようになっています。

みて感じ取るのは最初は難しいので、まずは手のひらを近づけて感知します。
手のひらを近づけていくと、相手の皮膚に触れる前に温度、静電気、エネルギーなど人によって違いますが何かしら感知すると思います。
この反応した距離を保ちつつ相手の体の周辺をたどっていくと、スンと反応がなくなったり、逆に強く反応したりする箇所があります。
ここが緊張、拘縮していたり炎症を起こしていたり、何かしらの症状がある箇所と判断します。

身体周辺空間の広げ方

(1)セルフで空間を広げる
 ①⾃分の内側を⾒つめる
 ②皮膚を感じる
 ③空気を感じる
 ④⾃分のからだを外側から⾒つめる
 ⑤空間を広げていく・・・ 1m、2m・・・
 ⑥意識を⾃分のからだに戻してくる
 このワークをすると、終わった後に意識できる範囲が広がったり、視界が広がる感覚を得られたりすると思います。

狭いところがわかるひとは、そこを意識的に広げていきましょう。

(2)感覚させる
身体周辺空間がが狭いところ、感覚が鈍いところに刺激を与えます。
刺激とは、光、音、温度、触感、においなどです。
刺激を与えると、感覚センサーが反応し始めて、先ほど検知した差がなくなってきます。
そうすると、クライアントが感じている症状も緩和していきます。

この先は、実際のワークを解説していきます。

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