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DTM制作裏話「あややこやや」

今回はボカコレ2021春に参加した「あややこやや」について書いていきたいと思います。


制作のきっかけ

曲のネタは前からずっとあって作ったり直したりして試行錯誤していた作品です。CeVIOでもボカコレに参加できると知ったのが1週間前なので新しく曲を書く時間がなく未完だったこの作品を完成させることにしました。

使用したプラグイン

ドラム=SSD5
:ピアノ=Addictive Key
シンセ=Synthemaster2

ギターとベースは自分で弾いた生音にプラグインをかけて音作りしました。こうすることで音を変えたくなった時に録り直しせずに済みます。

ボーカルはCeVIO AI 東北きりたんを使用しています。ONEだと楽曲の雰囲気が重くなりすぎる気がしたので明るい歌声のきりたんにしました。ハモリパートはEeventideのQuadravoxで簡単に作ってます。それをNecter3のAI機能で調整しています。イントロの歪んだボーカルはIzotopeの Vocal Synth 2で加工しました。壊れたラジオぽい感じが気に入っています。

最後に各トラックをNeutron3で軽く整えてバスコンプでまとめて統一感が出るようにしました。今回はリバーブをR4、ディレイをEcho Boyにしてセンドで各トラックにかけています。時間がなかったので空間系は以前に作った状態のまま使っています。

ギターについて

この曲の主役は何といってもギターなので詳しく解説していきたいと思います。使用したギターはメインのFender Made in Japan Modern Telecasterです。丁寧な作りでメッチャ弾きやすくてノイズにも強いのでかなりオススメのギターですが使ってる人が少なくて寂しいです。

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このギターの音をDAW上でHelix Nativeを使って音作りしています。今回はDeizel VH4をクランチ気味の設定にして鳴らしています。僕はハイゲインアンプのゲインを下げてクランチを作るのが好きなのでよく使う方法ですね。

スクリーンショット (10)

間奏のギターソロは最近になって追加されたOrange RockerverbをTSでブーストしたサウンドです。あのミッドの詰まったサウンドはOrangeらしくて昔から憧れてたので使えるようになって嬉しいです。

ギタープレイで気に入ってるのはイントロの入りの部分ですね。あれは完全に東京ラブストーリーのパクリです。「かんち、SEXしよ」のやつですね。あれが無いと歌とイントロの繋がりが悪くてチグハグな印象になると思います。そしてイントロのギターは救急車のサイレンをイメージして弾いてみました。これは歌詞とも絡んでくる大切なキーワードになります。

コード進行について

この曲のコード進行はかなり特殊だと思います。サビはDm→Ddimの繰り返しで進行します。最初はDm→F→Emだったんですがこれだと綺麗過ぎて重いカオスな雰囲気が出ない気がして不協和音ぽい不安定な今のコードに変更しました。この作品の肝はこの進行による緊張感だと思っています。

シンプルなAメロと緊張感のあるサビの対比で人間の感情の起伏を表現しています。

歌詞について

この物語の主人公は寂しくて自傷行為を繰り返す日々を過ごしている少女です。皆が家に帰ってしまい独りになるのが嫌で「私と遊ばないなら先生に言うぞ」て卑屈になって自分を傷つけてしまう。深く切り過ぎた所に救急車が来るっていうのが僕の中のストーリーですね。こういう人間の汚い部分を曲にするのが好きなんです。

マスタリングについて

これはいつものようにOZONE9のお世話になっています。AI機能でマスタリングした後にMatch EQでMSを調整してImagerで音を広げてTR5 Stealth Limiterで音圧を上げて完成です。リファレンス楽曲にはUnison Square Gardenの「世界はファンシー」を使用しました。

izotopeの製品は本当に便利だし最近はセールで安くなっていたりするので初心者の方にオススメです。

今回も長くなりましたが読んでいただいてありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。






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