空港プロジェクト セルフライナーノーツ8/11
第8回は
世界はオルゴール / kotapama空港(kotapama×AIRPORT)
です。
「もしも世界がオルゴールだったなら」と始まり、一人一人の存在をオルゴール一本一本のピンに喩えた詩「世界はオルゴール」。
相方のライナーノーツでも触れられているように「空港プロジェクト」のコンセプトにも不思議と繋がる詩です。そんなわけでどうしてもこの詩に曲をつけたいという思いに駆られました。
kotapamaさんの絵と詩には、ポップな雰囲気の中にどこか冷めた目線というか、冷静に見つめる視線があって、そこにドキッとすることがあります。
例えば、
「いつか美しい音が出る『何か』に弾かれるのを待ってる一本のピンなんだ」
のフレーズ。個人的に好きなフレーズなのですが、僕たち一人一人が、自分以外の『何か』に弾かれ左右される存在であることを教えてくれます。その『何か』とはなんなのか、深読みするといろんな答えが出そうです。
また、
「私自身はたった一音出すためだけの切っ掛け」
と冷静な視線でその存在の在り方を強調します。ちっぽけかつ、それぞれの場所で鳴らされるその一音の繋がりが音楽を形作っているという奇跡。
この詩には、モデルになった方々がいるようです。インドネシアの民族楽器アンクルンを演奏する子どもたちの音楽サークル「コンブリオ」というグループです。
このアンクルンという楽器が一人一音しか出せない特別な楽器。一人一人の出す音がやさしく響きます。
僕が勤務している特別支援学校でも、音楽の時間にこれと似た楽器を触ります。トーンチャイムという楽器で、ハンドベルがキーンと鳴るのに対してとても温かみのあるポーンという音が出ます。
https://note.mu/kotapama/n/na69e87cc7544
kotapamaさんが投稿しているnoteでアンクルンと「コンブリオ」について詳しく知ることができます。
曲作りやサウンド面では、ポップで実験性の高いものにしたいと思いました。
参考にしたのはvelvet undergroundの「Sunday Morning」。イントロのグロッケンが印象的な明るさもあるけどひねくれてる、そんな曲です。
弾き語りにギターのアルペジオを重ねた段階でほぼイメージができあがりました。
そこにchickiiがはねるドラムやベース、オルゴールを重ねていきました。オルゴールの音色はチェレスタとカリンバの共演というchickii拘りのミックスです。アウトロの口笛との掛け合いも聴きどころかな。
最後にコーラスやオルガンなどを重ねて完成しました。
-AIRPORT kei-
https://note.mu/airport_kei2016/n/nd305783ddf8d
世界はオルゴール / kotapama空港(kotapama×AIRPORT)
https://note.mu/kotapama/n/nba6c2b6407ef
kotapamaさんの絵と詩
https://note.mu/chickii/n/n797b9bfc4d8d
https://note.mu/chickii/n/n8f09108c058e
相方によるライナーノーツとプロジェクトを時系列で追った総括もご覧下さい。
次回セルフライナーノーツ9は『幸せがやってくる日』の予定ですʕʘ‿ʘʔ