Discovered Covered
Daniel Johnston/2004年作
“THE LATE GREAT DANIEL JOHNSTON Discovered Covered”
自分で作った音楽を最も必要としてるのは自分自身。この人の生き方を見ていると、真っ直ぐすぎて本当に人生をサウンドトラック化してる人なんだと思う。
タイトルとともに、アートワークが自分の墓前で花を持って立っているという皮肉めいた内容。2枚組で彼のベスト盤的な位置にある。おもしろいのは、1枚目はオリジナル音源が収録されているが、2枚目に他ミュージシャンによるカバーが同じ曲順で入っていることである。
オリジナル音源は、彼が10代の頃におもちゃのキーボード?や調律されてないギター、安いテープレコーダー等で宅録したであろう音源もたくさん収録されている。いわゆる聴きやすいものではない。しかし、数多くのミュージシャンに影響を与えカバーが実現したのは、楽曲の持つ魔力、吸引力が半端ではないからだと思う。宅録のローファイさの中の彼の声や演奏は笑ってしまうほど信じられない熱量を持っているし、彼が音楽を心から信じているから出せた音であるように感じる。部屋に一人の世界をいっぱいにして吐き出す感覚。宅録をやる人なら誰でも感じる感覚じゃないかと思う。
個人的に1枚目、2枚目通じて好きなトラックがDream Screame。夢へと誘う川のように流れるメロディとリズムには、もう帰ることができない焦燥感や喪失感のようなものを感じる。DEATH CAB FOR CUTIEのカバーもとても美しい音像を作り出している。
Daniel Johnston-Dream Screame
https://m.youtube.com/watch?v=cW_G78sU9uw
DEATH CAB FOR CUTIE-Dream Screame
https://m.youtube.com/watch?v=k0DTkljRRW0