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未来

故郷に帰って来て2週間。仕方がないのでバイトをはじめました。仕事内容は新幹線の土手の除草。
志望動機は自然相手の仕事は精神衛生に良いだろうと思った為です。ネットで応募したところ、直ぐに来てくれとの事で行ってみると面接は立ったまま行われ5分くらいで終了。
面接官はサンドイッチマンの伊達さんにそっくりだった。

溢れ出る私の才能に惚れ込んだのであろう…。即採用である。流石は私。くくく…。伊達(仮名)も見込みがある。

数日後に初出勤。これが、

どんギツ…

新幹線の土手で切った丸太を運ぶ仕事だったがチョーの付く炎天下に加え足場が川沿いでスーパー蒸し暑い☀️💦
身体中から汗が吹き出し頭がフラフラ、目がチカチカしやがる。

チキショウめ‼️
なぜ高貴な私がこんな目に…🥲

身体中から異臭を放ちながら初日が終わる。

2日目
すっかり元気を失った私だったが両親に大見得きった手前行かないわけにいかず出勤。

この日は除草作業する先輩方のサポート業務。作業している道に歩行者や自転車が現れると作業を中断させる為に「歩行者来ました‼️」と大声で注意喚起する仕事。

この仕事がやっぱり

どんギツ…🥲

基本的に立っているだけの仕事でしょ?
と思ったら鋭い。その通り。本当に立っているだけである。
これが多動な私には本当に辛い時間。なにせ新幹線が走ってる路線沿いは大体ど田舎。つまり誰も通らないのである。たまに通っても私と同じ様なバイト仲間(50代)に先を越される。悪い事に今日は仲間は何人もいる。狭い一本道で注意喚起の大声を出すのも取り合いといった風情。

声を出す対象の歩行者も自転車も来ない。

来ない…、来ない…、

やっと来た…!?
あー…、曲がって行ってしまった…。

馬鹿らしい仕事の奪い合いに疲れながらも基本的には本当に立っているだけ…。
この辛さや惨めさは絶対的に当事者にしかわからない。
適切な環境があれば無限に自身の力を発揮して世間に貢献出来るのになぁ…。と思う。

いつだか誰かに聞いた話で、

一晩中(22時〜5時)電動で動く交通整理のロボットをちゃんと動くかどうか見張っている仕事、

があったらしい。

私は聞いた時は笑っていたが今考えるとシュールで辛い仕事である。いなくてもいいが、一応いる仕事。存在自体が仕事…。得られる金はわずか。

そんな話を思い出しながら自然、私は強い無力感に襲われていた。

ただ、やはりそれは皆同じ。40代〜60代で除草のバイトに応募してここに来たのだ。事情は深かろう。私も同じである。仲間の目は一様に同じ。つまり

辛くても死ぬわけにはいかないから生きる。地味で無意味(に思える)で誰にも評価されない。決して価値を与えられない。
それでも、生きなくちゃ!
未来に希望を見出さなくちゃ!

皆んな

頑張れ!
俺、頑張れ!!

今にみてろよ、気高さを証明してやるからな!

ではまた👋

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