秘密の実験【 #理科室まがった #毎週ショートショートnote】
『放課後。いつもの場所で』
机の引き出しの中に身に覚えのない手紙。
整った文字は、差出人の性格を表しているかのように思えた。
ホームルームが終わり、多くの生徒が教室を去っていく。
私は頃合いを見て、鞄を手に席を立つ。
いつもの場所。
それは、第二校舎の1階。一番奥にある理科室。
実験の授業があるとき以外はほとんどの生徒が足を運ぶことはなく、薬品や備品が多くある部屋のため、普段はきっちりと施錠されている。
だからこそ、その場所は私たちだけの聖域。
途中、ふと後ろを振り返った。私以外に誰もいないことを確認する。
理科室の扉の前まで来た。扉に手をかける。
ガタッ。
扉は固く施錠されていた。
どうして?
もう一度、力を入れてみるが扉は開かない。
すると誰かの視線を横から感じた。
そこはただの壁だと思っていた場所。
理科室まがった先に、誰も知らない異空間がそこにはあった。
「待ってたよ。今日からこっちで実験しよう」
理科室まがった先で、私たちの秘密の実験が始まる。
たらはかに(田原にか)様の企画に参加させていただきました。
この文字数で表現するのは、やっぱり難しい……。でも、書いていくうちにコツがつかめればと思ってます。
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