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行政システム、乱立に歯止め 自治体の仕様統一へ国が新法 既得権の壁、難航も

政府は約1700に上る*地方自治体の情報システムについて仕様を統一する。2025年度までの実現を義務付ける新法を定め、予算を基金で積む。「地方自治」で各自治体が独自に構築した結果、連携ができずに非効率を招いている。新型コロナウイルス禍で行政対応の問題が露呈した。とはいえ官民が築いた既得権の壁は高く、看板倒れになる懸念もある。

現状の課題と新法の内容については以下の通り。

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対象となるのは住民情報や税、社会保障、就学などの情報管理や手続きなどを担う住民サービスの根幹業務だ。住民基本台帳や選挙人名簿管理、固定資産税、国民年金など17分野のシステムを国が主導して標準化する。


*用語:地方自治体の情報システム


ひとことメモ✍️

地方行政ごとの解釈による運用がなされている結果、システム統一化が難しい例として、「二千個問題」が有名でしょうか。

「二千個問題」とは、個人情報の取扱いを定めている法令は条例含めると全国で合計しておよそ「2000個」存在しており、その結果行政のビックデータ活用や個人データの広域連携や利活用が進まないというものです。

(公的機関や自治体、民間の個人情報の定義や解釈の違いは医療や災害対策、テロ対策などへの個人データの広域連携や利活用を阻む大きな要因の一つとなっている。また、個人情報保護の定義や解釈の違いは匿名情報を加工して生成されるビッグデータ利用や、IoT政策へ大きな影響を与えるとする指摘もある。

参考:https://kotobank.jp/word/2000個問題-1748190 )

 これまで各自治体は、情報システムを地方自治体法の解釈に基づき自治体ごとにIT(情報技術)ベンダーに発注してきました。これが同じ仕様で全国の自治体が発注すれば、これまで自治体が情報システムにかける年間予算4800億円(総務省の18年調査)のうち調達費用や運用費用が大きく下がると見込まれています。長期的に見た財出を考えても、仕様の統一やクラウド化の替え時なのかな。




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