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日記 9/22

町中華屋の店内に赤ん坊を身体にくくって卓を拭く女性がいた 喪服姿の老夫婦が駅前でタクシーを待っていた 綺麗な格好した女性がアイコスを吸いながら街を徘徊していた 畳んだ傘を剣のように操って歩くおじいちゃんがいた 

猛暑の日々が少し和らいだ、穏やかな心地で夕焼けをみた。

帰宅してふと足元をみたら両足の靴下に芽が出そうだった。

美術館の待合室はご近所さんたちの噂話の会場になっていた。

喫茶店で店長、このお花なんですか?と訪ねるひとがいた。「お花はわかんない」と店長が答えた。鶏頭だった。

好きな映画のことを考えていた。追憶のなかに身を浸している、いまこの瞬間の感性を忘れたくなかった。

世界に触れることは自己を認識すること。彼の筆跡は意識に駆られているようにもみえた。

明日こそは、芽吹くときか。

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