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徹底的に参加者の思いを考える!

ヤンサポR3 2023年10月15日

みえアウトドア・ヤングサポーター育成事業の「サポーター企画体験プログラムトライアル研修」がありました!この研修の目的は自分たちが将来、自然体験を行う事業者としてやっていく上での実践力の向上です。

2022年に一般社団法人NELCrewを立ち上げ、日々試行錯誤の中、進めてきている私にとってこれほど、ありがたい機会はありません。
このような機会を与えてくださった三重県の農山漁村づくり課の皆様、キャンプinn海山の方々、三重大学の坂本先生に心から感謝の気持ちを伝えたいです。

では、早速、どんなことをしたのか紹介していきたいと思います!

まずはキャンプinn海山の指定管理者を務めていらっしゃる田上至さんからお話がありました。

子供のときの体験が大人になってからも影響しているという話から始まりました。実際に今回参加しているメンバーもほとんどが小さい頃にキャンプなどのアウトドアの経験のある子達ばかりでした。
私自身も両親が釣りが好きだったので、小学生の頃は毎週末のように釣りにいったり、夏休みなどには山や海に行っていた記憶があります。
色んな感覚や感情が育つ時期である子供時代に自然と触れ合うという経験はとても大切なものだと私も思っています。

その後は、田上さんがなぜキャンプ場の運営をするに至ったのかを聞かせていただきました。高校卒業後に一度は、都会へ憧れ、6年間東京にいらっしゃったそうです。その後、都会にも飽きてきた頃に生まれてきたのが、ふるさとのために役に立ちたいという思い。自分がふるさとのためにできることを考えたとき、田上さんは自然や生き物が好きだっため、それを守る活動をはじめられたそうです。

私がこれまでに出会ってきた事業者さんたちには、このように様々な思いをもっておられます。仕事を進めていくのは、決して楽しいことばかりではありません。辛い時期があったとしても乗り越えることができるかどうかは、この思いにかかっているのではないだろうかと思いました。私自身、うまくいかなくて、もう逃げ出したいと思ったことが何度もありますが、心の底にある思いにブレがなかったからこそ、走り続けられているように思います。
この思いについてはこちらの記事で詳しく語っていますので、もしよろしければ読んでいただけると嬉しいです!(https://note.com/airiku1712/n/n65c38447216f

田上さん自身も、最初から上手くいくことばかりでは当然なく、せっかく企画をしても空回りしてしまったこともあったそう。失敗したときを振り返り、その原因を考えると一方的な思いで企画を組んでしまっていたということをお話しされていました。
つまり、企画をつくっていく上では、訪れる人の立場になって色んなことを考えていかないといけないということです。

NELCrewにおいても集客に課題を感じています。私としては、この大好きな三重の豊かさな自然をもっと多くの人に知ってもらって、そこが大切な居場所になったり、自然を、この地域を守っていきたいと思ってくれる人が1人でも増えたらいいなという思いがあります。しかしながら、現在NELCrewのお客様として多い大学生の人たちのニーズとしては学びの要素を求める人ももちろんいますが、日常のリフレッシュを求めている人やアクティビティとしての楽しさを感じてもらえないと、なかなか来てくれないなというのが最近の感触です。価値提供という面での私の実力不足、メッセージの伝え方、また届けたい層に思いを届けられていないのも問題なのだとは思います。
自分のやりたいこととと求められていることとの葛藤で悩んでいた私にとって、自分の伝えたい思いをどう伝えるのかという点において、田上さんのお話はとても参考になりました。
例えば、キャンプinn海山さんでお客様側のニーズにぴったりあって人気だったのが、こどもたちのお仕事体験だそうです。
楽しいだけではなく、遊びながら逞しい子になってほしい、という親の願いにうまく響いたそう。確かに子供たちをキャンプinn海山さんに預けたら、子供たちがイキイキしただけでなく、できることが増えて、自分自身に自信をもてるようなったり、家でも自分で考えて行動してくれるようになったりすると親はとても嬉しいと思います。つまり、私たち側のメッセージや伝えたいことを、参加してくださる方が求めている表現に変えて、打ち出していったり、企画の中で行うことの意味付けをしていくことが重要なのではないかと思いました。

そして、お話を聞いた後は、次回のモニターツアーに向けて現地調査の冒険に出かけました。
田上さんがその時におっしゃっていたのが、
『子供の気持ちになって考える!』ということです。
確かに子どもたち向けの企画をするなら、子どもたちの目線で何が楽しいか、どんなところに興味をもつのか考えていく必要があります。そこで、11人の見た目は大人の子供達(大学生たち)は田上さんと一緒に銚子川の冒険へと出発しました!

はじめに、アマゴの水をひいている沢の下流部に行って、この上に滝があって、そこから水をひいていることをお聞きし、「これからその滝を見に行こう!」というところから冒険はスタートしました。

これからアマゴのいけすの水源を探しにいくよ!


ここにも田上さんのストーリーづくりの素晴らしさを感じました。
最初にこれから目指す場所にまつわる話をすることで、山を登る、滝を見に行くという行為が意味をもち、アマゴのいけすの水源を探る冒険へと変わったのです。
私も、物語の世界を生きているようなプログラムの進行をできるようになりたいと思いました。

山の中を冒険!!
水源の滝へ到着!

その他の場面でも、田上さんのお話の中では行動の意味づけをしっかりとされているのが印象的でした。生き物の救出作戦の企画では冬季に水が少なくなり、水溜まりに閉じ込められてしまった魚たちをバケツに入れて逃すことを行っているそうです。これがなぜ子供たちの心に響いているのかというと、ただ生き物を捕まえるのではなく、自分が行った行動で生き物を助けられたという思いをもてるという点に秘密があります。
「自分は生き物を助けたんだぞ!」って、誰かの役に立つ感覚を感じられるように体験が行われているのがすごいと思いました。
 
午後からは実際のツアー実施に向けて、伝えたいメッセージや、具体的に何をするのかということをチームに分かれて、ワークショップ形式で考えていきました。
銚子川の魅力の洗い出し、自分たちにできること、そしてキャンプinn海山さんを訪れる方々のニーズこれらを考えていく中で企画づくりの基礎を学ぶことができました。

特に、今後の企画にも活かしたと思った考え方があります。それは参加者の参加のしやすさを考えるという視点です。
キャンプinn海山さんではテント泊の方々は13時にチェックインを行い、そこからテント建てを行います。そんなお客様たちに対して13時半から企画をやりますよと言っても、まだ落ち着いていなくて参加できません。また、子ども連れの方々だと長時間の企画はこどもの集中力の問題などもあり、なかなか参加しずらいとのこと。時間設定が長すぎない気軽に参加できる企画がキャンプ場では求められることも普段とは違う視点で新鮮でした。キャンプinn海山を訪れる方々はキャンプ自体をメインの目的としてやってくる方々が一般的なため、体験だけで売っている事業とはまた別の視点も必要になります。

自分がここに来るとしたら何を楽しみたい?こどもたちの視点にたったら?という視点を大切に今後さらに企画を深めていきたいと思います!

さて、これから12月のツアーに向けて、どんな内容になっていくのかがとても楽しみです!
仲間と話し合いながら私たち大学生、大学院生にしかできないツアーをお届けできるように頑張ります!


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