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"出会い"とオススメ曲【椎名林檎(東京事変),星野源,FRUITS ZIPPER】
さて、脈絡もなく私の好きな歌手を紹介する。
しかし、ただ単純に好きな歌手とオススメ曲を紹介するだけだと味気ないので、私とその歌手との"出会い"をメインにして話をしていきたい。だからその後のオススメ曲紹介はあくまでオマケ程度に思っていただければ幸いである。
それと、私はあくまで1人のファンでしかないので、多少の受け取り方の違いは私が俄ファンだからだという心持ちで読み進めてほしい。もし間違いがあれば優しく指摘してほしい。この世には色々な形の出会いがあるのでぜひ、自分と好きな物・人との出会いはどうだったかなどを考えながら読んでいってほしい。
タイトルにある歌手を全て紹介するつもりでいたが、椎名林檎欄だけで書きすぎてしまった。
星野源、FRUITS ZIPPERはまた近いうちに書き上げるからそれで勘弁してほしい。
【椎名林檎(東京事変)】
「一番好きな歌手は?」と聞かれたら、中1の頃から変わらず「椎名林檎」と答えている。
私の愛用している眼鏡は東京事変のライブグッズの眼鏡に度を入れたものであるし、私が短歌を詠む時に使うペンネームの「姓は実名、名は名詞」という仕組みは完全に"椎名林檎"に影響されている(林檎さんも吉田戦車さんなどに影響を受けたらしいが)。
林檎さんは、もはや私の生きるバイブルと言っても過言ではない。
→〈出会い〉中学1年で存在を知る
中学1年当時、私は小説を読み漁っていた。
そして徐々に変な内容の小説に手を出したがるようになり、村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』や夢野久作『ドグラ・マグラ』などを読み、あたかも自分も人の心を動かすような小説が書けているかのような気分になっていた。無論自分で小説を書いてみると文章の整合性なんてまるで無かったので、つまるところイタかったのである。
そんな私には好きな歌手というのがいなく、「好きな歌手とかいるの?」と聞かれても毎回困ってモゴモゴするだけであった。そんな自分が情けなかったのだが、それ以上に好きな人をわざわざ作りにいくというのは私なりのセオリーに反していたため、特に自分から好きな歌手を決めに行こうとはしなかった。
しかしある日。
私の母はモノマネ番組がとにかく好きで、我が家では情報の持ちうる限り全てのモノマネ番組を録画しているのだが、その中の1つのコーナーで「1分モノマネ」なるものがあった。そのコーナーの内容は、読んで字の如く「1分間だけで誰かのモノマネをする」というもので、いわゆる"繋ぎ"のミニコーナーのようなものだ。私が覚えているものだとジャイアンさんやB'zの稲葉浩志さんなどの、まあちょっと言葉を選ばず言うとクオリティの落ちたモノマネが披露されていた。
そんなコーナーで、モノマネ芸人の「沙羅」さんが、全身黒タイツ姿で椎名林檎『罪と罰』のモノマネを披露していたのだ。なお当然、当時の私はそれが椎名林檎『罪と罰』であるとは知らない。若干誇張気味なモノマネではあったが、それを見た瞬間、何かグッと引き込まれるものがあったのを鮮明に覚えている。
ちなみにこの「グッと引き込まれる感覚」は、これまで私は4回しか味わったことがない。小2でお祭りにてけん玉をしているブースを見た時、小5でこれまで小説を読んだことなんてないのに本屋にある『夜は短し歩けよ乙女』の背表紙が光って見えた時、『罪と罰』のモノマネを見た時(今回)、そして中2で現代短歌に出会った時だ。いずれも、今の私に多大なる影響を与えている。
そのモノマネを見てから私はなぜかいてもたってもいられなくなり、2階へと上がって家のPCを開いた(当時はスマホなどという近未来的物品を所持していなかったからPCだけが私とネットを繋ぐ唯一の手段であった)。そして「椎名林檎 罪と罰」とyahooで調べた。その二単語がどういう意味を持つかを知らずに。するとトップページに出てきたのは、YouTubeに上がっている『罪と罰』のMV。それを迷いもなく押し、私はMVを視聴した。貪るように。
小説しか読んでこなかった田舎の中坊にとってはこの視覚的・聴覚的刺激はとても耐え難いもので、とてもとても純粋に「な、なんだこれは」と思った。けれど不味い料理を食べた時のように突っぱねるわけでもなく、不思議と私はその"世界観"に連れ込まれていく。
私はイントロクイズがべらぼうに苦手で、『クイズ!ドレミファドン』という番組で家族とイントロクイズの競争をするといつも1問も勝てず辛い思いをするのだが、ある回でこの『罪と罰』が問題として出た時はMVの最初にある重低音が流れた瞬間に解答できた。そのくらい思い入れのある曲だ。
→〈好きなところ〉カリスマ性
出会い方は少々歪だが、私には椎名林檎さん以上にカリスマ性を感じた人はいない。おそらく一生憧れの存在であるだろう。しかし、具体的にどこがカリスマなのかと聞かれるとちょっと困る。なぜかというと、カリスマすぎて私には説明が難しいからだ。
メディア露出をする際は毎度毎度奇抜なファッションや演出で非常にカッコいいのである。が、カッコいいの連続の中で突然とても可愛らしい一面を覗かせたり、はたまた渓流で魚釣りをする企画にてピンヒールでやってくるお茶目(?)な一面もあったりする。一口、いや何口あろうと私だけでは言い表せない。
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私はそういった、もちろん細々とは言語化できるのだが全体としてどうだという説明をするのは難しい、けれど不思議と惹かれてたまらない、といったものにとめどなく愛を注ぎたいと何においても感じる。きっと、生まれて最初に目にするのを親だと勘違いする雛のそれと思考回路が似ているのだろう。
よってこれから『椎名林檎』という作品が生み出す作品の一部を広めていきたいのだが、カリスマ性ばっかりは私にカリスマ性が無いため説明不可能である。しかし、YouTubeにも公式映像がたくさんあるし、最近は音楽番組にも多く出演されている。その演出等を見て「カッコいいな」とか「可愛らしいな」とかをちょっとでも思ってしまったら、それはもう私の言いたい"カリスマ性"とやらが分かったといえるはずだ。
林檎さんは、世間一般の印象としては「高音で激しい曲調の人」みたいに思われているのではないかと思うが、案外そうでもない。『女の子は誰でも』『おいしい季節』『あおぞら』は良い意味で女性らしさがありとても可愛らしい曲であるし、『ありあまる富』『人生は夢だらけ』は人生の教えとして大変意味深い曲だ。林檎さん自らアルバムのことを「女の子たちの人生のサントラ」と称したように、女性向けの曲も数多くあるので特に女性には色々聴いてみてもらいたい。
ここですぐオススメ曲紹介に移っても良いのだが、私が林檎さんの曲でよくなる現象を先に紹介しておく。
"椎名林檎"というシンボルが異質なため、時折ファンである私でも受け入れるのが難しいことがある。具体的に言うと、私は最初『茜さす帰路照らされど・・』という曲がどうにも苦手で、それが流れてきたらすぐ次の曲にスキップしていた。なんとなく敬遠していたのだ。
しかし数年後、よくよくしっかり聴いてみると…あれ?すごく良い曲じゃん!!と感じ、今ではとても好きな曲の1つである。他にも『OSCA』『今夜はから騒ぎ』『真夜中は純潔』といった曲で同様のことが起きたというから驚きだ(他人事)。
これを踏まえて言えることは、林檎さんが好きな私ですら最初に受け付けなかった曲はあるのだから、一曲聴いただけで林檎さんの曲は自分には合わなかったと短絡的に判断するのではなく、とりあえずいろいろな曲を聴いてみてなんとなくで考えてみてほしい!ということである。それでも合わないというのなら一旦今回はご縁が無かったということで。
それでは紹介していこう。
→オススメ曲〈初心者向け〉
『丸の内サディスティック(㋚)』
ファンの間では丸の内サディスティック→丸サ→㋚ということで、㋚と略されている。
この曲は、カラオケのよく歌われた曲ランキングで常に上位にいることやギターの「丸サ進行」が有名であることから、椎名林檎の中では結構有名な曲であるかなと思う。ただ、この曲をこれまでなんとなく聴いてきた人にとっては目から鱗である話を今回は2つ紹介する。他にも歌詞の様々な考察があり、とても奥深い曲だ。
①「青噛んで逝って頂戴」
という歌詞がある。これは、「青(=大麻)噛んで逝って頂戴」と「青姦でイッて頂戴」という2つの意味があると言われている。どちらもアウトロー(てかアウト)な内容でかつ綺麗に意味が通ることから、これは意図的に掛けられた言葉で間違いないと私は思っている。
②この曲ができたのは16歳の頃
えっ!?
凄すぎてマセているとかのレベルではない。
他に、『ここでキスして。』は17歳、『本能』は18歳で作詞をしたという。ちなみに19歳の時にシングル『幸福論』にてデビューした。
→オススメ曲〈好きになってきた人向け〉
東京事変にも手を伸ばそう
東京事変とは、椎名林檎さんがボーカルを務める5人組バンドだ。メディアにはソロ(椎名林檎)とバンド(東京事変)それぞれ半々くらいで露出している。
一度活動休止をしていたが2020年元日に再生(=活動再開)をし、そのままその年の紅白歌合戦から(『椎名林檎』『東京事変』のいずれかとして)毎年出場したりと盛んに活動されている。
ボーカルは基本的に林檎さんなので、曲だけ聴いたらソロでの曲とあまり違いは分からない。それゆえ、「この曲はソロ」「この曲は事変」と区別する必要はあまり無い。どっちも好きになればいいだけだ。
これは余談だが、東京事変のメンバーは超豪華で、林檎さんデビュー時のプロデューサーや星野源さんのサポートギターなんかがいる。この人たちまでハマり出したらいよいよ私と肩を並べそうになるだろう。
『群青日和』(東京事変)
しっかりハマってもらいたいので、しっかり王道中の王道を選曲した。
これは先述した東京事変としてのデビュー曲で、曲調は結構ロックな感じで所謂「カッコいい林檎」の側だ。
まあ四の五の言わずにMVを観てみてほしい。それだけで良さは十分伝わるはずなので、私からの説明はかなり省かさせてもらった。
①「興味が湧いたって据え膳の完成を待って何とも思わない振りで笑う」
この曲で私が一番好きな歌詞はこれだ。傍観者のままでいいのかと暗に語りかけてきて、ドキッとする。
②笑顔がかわいい
「可愛らしい林檎」の方を紹介しよう。
MVの3:30あたりを見てほしい。…これ以上私が言う必要はないだろう。
→オススメ曲〈私が一番好きな曲〉
『緑酒』(東京事変)
2021年の紅白歌合戦で披露した曲だ。その紅白で披露された時、ステージに花吹雪が舞ったのだが、あまりにも舞いすぎたため演者らがほとんど見えなくなっていた。(笑)(笑)(笑)
①「各種生業お疲れさん」
このフレーズは歌詞の始めの方に出てくる。
これさえあれば、どんなに辛くて苦しいことがあったとしても一旦は自分の存在を肯定することができるのだ。こんな激動の日々を過ごしているだけであなたもみんなも素晴らしい、各種生業お疲れさん。
②「和」の要素をふんだんに使っている
林檎さんの曲では度々和の要素が登場するのだが、これは特に多い。MVなり歌詞なりを見れば和の要素だらけなのが分かるだろう。
③私の想像する"日本の良さ"が詰まっている
近年はグローバル化が進み、日本国も外国の様々な文化が取り入れられて今日を過ごしている。しかし私は、日本ほど独自で特殊な文化・国民性を持った国は極めて珍しいと思っており、グローバル化に意を唱えるつもりは全く無いけれどそれ以前に日本の風土を守っていくのが絶対条件ではないかと感じている。
とはいえこれは大して思想めいたことではなくて、いわゆる"日本の良さ"的なものを大切にしていきたいというだけのことである。このMVや歌詞に日本の風土の象徴である「和」や「大和魂」なるものが感じられることが嬉しいし、それを大事にしていきたいなとも思う。
冒頭にも述べた通り、今回は好きな歌手を複数紹介する予定だったが、思っていたよりも林檎さんで語りすぎてしまったため他の歌手についてはまた次の機会に紹介しようと思う。
この記事の1つ前の記事がとてもとても長いのだが、途中で書いている時にnoteのアプリがカクついてきてしまって執筆に支障をきたした。今回はそうなりたくないので、こちら側から早めに手を引かさせていただきたい所存である。記事が長すぎると読者も読むのが大変だろうと、noteのデベロッパーはそこにまで配慮してくれているようだ。