ロシアについて
①ヨーロッパなのか、アジアなのか
「チェーホフの芝居は不思議だ。日本で見ると、ヨーロッパの話だが、ヨーロッパで見ると、アジアの話だ。」
私は、チェーホフの戯曲を本で読んだに過ぎないが、アジアの話という印象はなかった。
EUの人達は、ロシアをヨーロッパ外の勢力だという言い方をする。マルクスがロシアを「あれはモンゴルだ」と言っていたという逸話も遺されている。
アジアからはヨーロッパに見えるが、ヨーロッパからはアジアに見えるという立ち位置に近い帝国を歴史で探すと、やはり東ローマ帝国ということになるだろう。東ローマ帝国はオリエントの影響を受けたローマであり、ロシアはその継承者というのが、正しい理解である。第3ローマという呼称も知られている。
第3といえば、ナチスドイツは第3帝国と称したが、現在のロシアも、第3帝国と呼ぶことができるかもしれない。プーチンはロシア連邦を、ロシア帝国、ソビエト帝国に次ぐ第3帝国と考えている節がある。
②文学
ロシアでは、文学が哲学の代替品だという説がある。
西尾幹二は「ゲーテはドイツの善良な市民向けだが、ニーチェはそうではない」と書いている。このゲーテの代わりにトルストイ、ニーチェの代わりにドストエフスキーを入れると、ロシアの話になるだろう。
もう少し詳しい話は読書垢で書く。
③音楽、舞台芸術
ロシアの音楽は民族音楽でしかないという評言を読んだことがある。ただバレエは超一流なので、バレエ音楽として評価することはできるに違いない。
③科学
メンデレーエフの周期表が、最も有名である。メンデレーエフ以外にも周期表を作成した人物はいたが、未発見の元素の予想の面を考えると、やはりこの人物の貢献度は高い。
ソ連時代の宇宙科学には米国も脅威を感じており、現在の超音速ミサイルなど軍事技術も侮ることはできない。
④革命
20世紀はロシアといえば、革命国家であったが、今世紀になってからは権威主義的な国のひとつの位置づけになってしまった。大月書店のレーニン全集も、古書でしか入手できない。過去の国のイメージが強いが、ロシアがなければ、中国やインドは資源の輸入で利益を得られなかったであろうから、中国やインドにとっては重要な国と言うことができる。
⑤ロシアは歴史に残る国なのであるが、ウクライナ戦争の影響もあり、文化まで忌避されるようになってしまった。ウクライナ戦争で中立の立場を採ると、親露と陰謀論者のレッテルが貼られる。私はTwitterでは一部の人の間で、陰謀論者ということになっている w