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【大学教育における生成AI】生成AIでこっそり克服!大学生のディスカッションスキルの自主トレプロンプト
はじめに
大学生活は、単に知識を吸収する場所ではありません。むしろ、自分の考えを的確に伝え、他者の意見を理解し、建設的な対話を通じて新たな洞察を生み出す能力を磨く場所です。
その中心的な役割を果たすスキルの1つとして、ディスカッションスキルがあります。ゼミ、グループワーク、プレゼンテーションなどの場面で求められるのは、単なる発言力ではなく、論理的思考力と対話能力です。優れたディスカッション能力は、大学生活で役立つだけではなく、就職してからも極めて重要な要素となります。企業が求める人材像の筆頭に挙げられるのが、「コミュニケーション能力」となっているぐらいですから。その核心にあるのが、まさにディスカッション力となります。
しかし、多くの大学生が「自分の意見をうまく伝えられない」「議論についていけない」といった悩みを抱えています。コミュニケーションへの苦手意識は、学びの機会を狭め、自信を奪う可能性があります。
そこで、本記事では生成AIを活用したディスカッションスキル向上の具体的な方法を提案します。テクノロジーの力を借りて、自分の言葉で考えを表現し、他者と建設的な対話を行う力を磨くためのヒントをお伝えします。AIは単なる補助ツールではなく、あなたの潜在能力を引き出す強力なパートナーになり得ますよ。
ちなみに、この記事は、大学生向けとして作成していますが、実際には、ディスカッションのスキルが求められている人全般に通用する内容です。
さてさて、ここでちょっとした自作漫画です。
【漫画】反論しただけなのに嫌われるの何で?
ただ反論しただけのつもりが、なぜか悪く受け取られる…。
どうしたらいいの?
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典型的な悩みと失敗例
ディスカッションに関する悩みにはいろいろなものがあると思いますが、ここでは「自分の意見をうまく表現できない」「他人の意見に対して建設的な反論ができない」の2点をとりあげます。
自分の意見をうまく表現できない
多くの大学生が直面する最初の課題は、自分の考えを明確かつ説得力のある方法で伝えることです。典型的な失敗パターンは以下のようなものです。
曖昧な表現の使用
「なんとなく」「たぶん」といった曖昧な言葉を多用
自信のなさを露呈してしまう
論理的な構成の欠如
意見に明確な根拠がない
結論に至るまでの道筋が不明確
感情的な表現への依存
論理的な説明の代わりに感情的な主張をする
「私はそう思う」という主観的な表現に頼りすぎる
雑談のように仲の良い人同士で話をする場合はこれでもよいでしょう。でも、ディスカッションではそうはいかないし、仕事などで責任をもって話をする場合には、自分の考えを明確に述べられる力が必要です。
他人の意見に対して建設的な反論ができない
もう一つの大きな課題は、相手の意見に対して適切に、かつ建設的に反応することです。
反論を避ける傾向
対立を恐れるあまり、意見を述べることを躊躇
「空気を読む」ことを過度に意識
攻撃的な反論
相手の意見を完全に否定
感情的になり、論理的な議論から逸脱
根拠のない反論
具体的な証拠や論理的な説明なしに反対意見を述べる
相手を説得できない
反論自体は重要ではあります。しかし、反論と同時に建設的な意見を述べられなければ、ただのお荷物になってしまいかねません。相手の考えを尊重しつつ、より良い方向に話をもっていけるようにすることが大切です。
通常、こうしたディスカッションのスキルは、他者とのやりとりの中で磨かれていくものです。
でも、そのやりとりに苦手さを感じていたら、スキルを磨く前に他者とのやりとりを避けてしまいますよね。それだと一向に成長しません。
しかし、生成AIを活用すれば、相手がいなくてもディスカッションのスキルの自主トレーニングが可能となります。
以下では、その方法をお示ししていきますね!
生成AIを活用したトレーニング
生成AIのメリット
2022年にChatGPTが公開されてから、生成AIの発展がすっごいですね!
生成AIはいろんなところに活用されるようになっていて、生成AIの教育活用も重要視されています。
私は大学教員として働いていますが、学生が生成AIを上手に活用することができれば、ホントその能力を高められると思うんですよ。上述したような、ディスカッションにおける苦手さも、生成AI活用によって克服できるのではないかと思います。
そして、特に意識したいのが、生成AIを活用して学生自身が自主トレができるようになることです。誰かのサポートがあって何かができる、というのではなく、自分で繰り返し取り組んで身につけていける状況にするということです。
それができると、大学にいる間だけ学習するのではなく、家にいるときや通学中、就職後に空いている時間を利用して、自分の力を高めていくことができるわけです。
そのための方法として、ここでは、生成AIを活用したロールプレイによるトレーニングを紹介したいと思います。
ロールプレイは、いろんな研究から、知識と技術を結び付けること、自己効力感の向上、自己理解に有効とされています。その一方で、ロールプレイを嫌う人もいますけどね。
生成AIによるロールプレイは、基本的に生成AIと文章でやりとりをするという性質であることから、通常のロールプレイと異なり、相手の表情や動きを確認することはできません。しかし、以下のとおり、生成AIならではのメリットがあります。
文章で表現可能な言葉のやりとりに関して、実践力を高めることが可能
適切にフィードバックを出力させることで、的確に改善点を把握できる
どんなやりとりであっても、優しくフィードバックをもらうことが可能
自身のやりとりの傾向などを表示させることで自己理解が深まる
多様で豊富な事例に対してトレーニングできる
スマホひとつでいつでもどこでもトレーニングできる
誰にも知られることなくこっそりトレーニングできる
後述する無料の生成AIツールに、この記事で紹介するプロンプトを入力するだけで、トレーニングをいくらでも実行できるので、ディスカッションが苦手な人はやってみるといいです。
なお、以下のウェブページにおいても、大学生の苦手場面のロールプレイのプロンプトを紹介しています。
https://daigakusei-skill.com/ai-training-for-overcoming-difficulties/
本記事で紹介するプロンプトは、このページのディスカッション部分をさらに具体的な悩みに焦点化させたものとなっています。それ以外にも、以下の点の修正を加えました。
通常のディスカッションのように、複数人を登場させている
ディスカッションのテーマや、メンバーの人数、名前、性別、性格などを自分で設定できるし、特に設定しなければ生成AI側でランダムに決めてくれる
特に、建設的な反論をするために、その場面が相応しいメンバーを設定したい場合があります。後述する実践例では、「意見を変えない頑固者」がメンバーにいるようにしています。
いろいろなテーマ、メンバーで繰り返し練習すれば、ディスカッションのコツをつかめるはずです!
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