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【大学教育における生成AI】生成AIでこっそり克服!大学生のための面接シミュレータープロンプト
はじめに
大学生にとって、就職活動や大学院入試において面接は避けて通れない重要なステップです。実際、ほぼすべての大学生が卒業までに何らかの形で面接を経験することになります。しかし、面接に対する不安や緊張を感じている方も多いのではないでしょうか。例えば、「緊張してしまう…」「想定外の質問に対応できないかも…」など。
本記事では、生成AIを活用した面接シミュレーターを設定するためのプロンプトをご紹介します。
シミュレーターといっても、面接官ロボットみたいなものがいるわけではなく、あくまでテキストを使ったチャットっぽいやりとりで行うシミュレーターですけど。だからこそ、スマホでも手軽にできるものとなっています。
このシミュレーターを使った面接練習は、以下のメリットがあります。
生成AIが相手なので誰にも邪魔されず一人で何度も繰り返し練習できる
業界別・企業別にカスタマイズされた面接質問を練習できる
面接官の性格や面接スタイルをシミュレートできる
面接官の様子(例、うなずく、眉をひそめるなど)を表現できる
面接後の自己分析と改善点を即時にフィードバックできる
これらのメリットを活かすことで、実際の面接本番でも自信を持って臨むことができるでしょう。
ちなみに、この記事は、大学生向けとして作成していますが、実際には、面接試験に直面している人全般に通用する内容です。
さてさて、ここでちょっとした自作漫画です。
【漫画】面接練習するなら…
面接の対策どうしよう…。
そうだ!
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AI相手の面接練習にスーツはいらないよね…。
典型的な悩みと失敗例
面接に関する悩みにはいろいろなものがあると思いますが、ここでは「緊張してうまく話せない」「想定外の質問を受けて黙ってしまう」「研究内容を簡潔に説明できない」の3点をとりあげます。
緊張してうまく話せない
面接に臨む際は、どう説明するかをしっかり考えることと思います。しかし、いざ話をしようとすると、頭が真っ白になったりして、以下のような状態になることがありますね。
声が震える
面接の冒頭で自己紹介をする際、緊張から声が震えてしまい、言葉が聞き取れなかった。
質問に答える際、緊張で声が小さくなり、面接官に何度も聞き返される結果になった。
言葉が詰まる
自己PRをしようとしたが、緊張で言葉が出てこなくなり、沈黙が続いてしまった。
質問に対する答えを考えている間に緊張が高まり、結局何も言えずに終わってしまった。
身振り手振りが不自然
緊張から手が震え、身振り手振りが不自然になり、面接官に不安感を与えてしまった。
自分の話に集中できず、視線を合わせることもできず、相手に信頼感を与えられなかった。
多少のしどろもどろがあっても、相手に伝わればよいかもしれません。でも、極端に緊張しすぎて、伝えたいことがまったく伝わらないまま面接が終わってしまったら、それこそ「オワタ…」ですね。
想定外の質問を受けて黙ってしまう
面接で怖いのがこれではないですか? 想定外の質問…。
その場でとっさに答えないといけないのですが、まったく考えてなかったことについて回答するのは本当に難しい。例えば、以下のような点でつまずいちゃいますね。
専門外の質問
自分の専門分野とは異なる業界のトレンドについて尋ねられ、全く答えられず沈黙してしまった。
突然の技術的な質問に対して準備不足で答えられず、面接官の期待に応えられなかった。
パーソナルな質問
自己分析について深く掘り下げられた際、自分の強みや弱みを整理できておらず、言葉が出なかった。
将来のキャリアプランについて具体的に聞かれたが、自分自身でも考えていなかったため答えられなかった。
複雑な状況設定
「もしあなたがリーダーだった場合、どのようにチームをまとめますか?」という質問に対して具体的なシナリオを考えられず沈黙した。
突然のロールプレイング形式での質問に対して即座に反応できず、固まってしまった。
まぁ、面接官としては、準備してないであろう内容について質問することで、その人のコミュニケーション能力とか本質的な部分とかを見ようとしてるんですよね。
研究内容を簡潔に説明できない
自分は専門的な内容について研究するわけですが、それを発表したり、大学院入試の面接で説明する場合って、聞いてる人が近いようで近くない分野の人だったりします。したがって、相手が専門用語を知らなくても、伝わるように説明しないといけない。
でもそれって意外と難しくて、以下のような失敗をしてしまいます。
専門用語ばかり使う
自分の研究テーマについて説明する際、専門用語ばかりで一般的な理解が得られず、面接官が困惑した。
説明が長くなりすぎて要点が伝わらず、「結局何が言いたいのか?」と疑問を持たれてしまった。
要点を外す
研究の目的や意義について説明する際、詳細すぎて肝心なポイントを見失い、印象が薄くなった。
結果や考察について話す際、自分の研究との関連性を示せず、面接官から興味を持たれなかった。
時間配分を誤る
限られた時間内で話すべき内容を過剰に詳しく説明し、結局全体像を伝えきれなかった。
質問された内容とは異なる方向で長々と話し続けてしまい、本来の目的から逸れてしまった。
自分の研究なのにうまく説明できないのは、その研究を自分でわかってないからなんですよね。うまく説明できるようになることで、自分の頭のなかで研究内容がうまく整理されるようになります。
通常、面接練習などを繰り返していくことで、面接の際に上手に回答できるようになります。
でも、その面接に苦手さを感じていたら、スキルを磨く前に、そもそも面接練習を避けてしまうことがあります。それだと一向に成長しません。
しかし、生成AIを活用すれば、相手がいなくても面接の自主トレーニングが可能となります。
以下では、その方法をお示ししていきますね!
生成AIを活用したトレーニング
生成AIのメリット
2022年にChatGPTが公開されてから、生成AIの発展がすっごいですね!
生成AIはいろんなところに活用されるようになっていて、生成AIの教育活用も重要視されています。
私は大学教員として働いていますが、学生が生成AIを上手に活用することができれば、ホントその能力を高められると思うんですよ。上述したような、面接における苦手さも、生成AI活用によって克服できるのではないかと思います。
そして、特に意識したいのが、生成AIを活用して学生自身が自主トレができるようになることです。誰かのサポートがあって何かができる、というのではなく、自分で繰り返し取り組んで身につけていける状況にするということです。
それができると、大学にいる間だけ学習するのではなく、家にいるときや通学中、就職後に空いている時間を利用して、自分の力を高めていくことができるわけです。
そのための方法として、ここでは、生成AIを活用したロールプレイによるトレーニングを紹介したいと思います。
ロールプレイは、いろんな研究から、知識と技術を結び付けること、自己効力感の向上、自己理解に有効とされています。その一方で、ロールプレイを嫌う人もいますけどね。
生成AIによるロールプレイは、基本的に生成AIと文章でやりとりをするという性質であることから、通常のロールプレイと異なり、相手の表情や動きを確認することはできません。しかし、以下のとおり、生成AIならではのメリットがあります。
文章で表現可能な言葉のやりとりに関して、実践力を高めることが可能
適切にフィードバックを出力させることで、的確に改善点を把握できる
どんなやりとりであっても、優しくフィードバックをもらうことが可能
自身のやりとりの傾向などを表示させることで自己理解が深まる
多様で豊富な事例に対してトレーニングできる
スマホひとつでいつでもどこでもトレーニングできる
誰にも知られることなくこっそりトレーニングできる
後述する無料の生成AIツールに、この記事で紹介するプロンプトを入力するだけで、トレーニングをいくらでも実行できるので、面接場面が苦手な人はやってみるといいです。
当然、生成AIを相手に実施するトレーニングですので、実際の面接とは異なります。例えば、入室するところや退室するところなどは、表現できませんね。
でも、後述した内容をみていただくとわかると思うんですが、厳しい面接官を設定すると、けっこうするどい質問が飛んできたりします。複数の面接官を設定すると、厳しい面接官と優しい面接官でバランスをとらせたりもできます。
質問のなかには、容赦ない質問もあったりします。容赦ないけどごもっともなんですけどね。
生成AIで練習するだけど、相当な力がつくな、と実感しますよ。
なお、以下のウェブページにおいても、大学生の苦手場面のロールプレイのプロンプトを紹介しています。
https://daigakusei-skill.com/ai-training-for-overcoming-difficulties/
本記事で紹介するプロンプトは、このページの「面接をする」の部分をさらに具体的な悩みに焦点化させたものとなっています。それ以外にも、以下の点の修正を加えました。
実際の面接のように、複数の面接官を登場させることが可能
業種や業界、職種、面接官の人数、名前、性別、性格などを自分で設定できるし、特に設定しなければ生成AI側でランダムに決めてくれる
メンバーの発言だけでなく、表情や動作、態度を表現させている
いろいろなテーマ、メンバーで繰り返し練習すれば、面接のコツをつかめるはずです!
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