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倉品翔(GOOD BYE APRIL)-RTAリリース記念対談

aireziasのYoutube企画「RTA」がサブスク等で聴けるようになりました。
多くのコラボミュージシャンを招いて行われたこの企画。
参加してくれたみなさんとの対談を敢行しました。

今回はM10「風を手のひらに-RTA No.6」でコラボしてくれた倉品翔(GOOD BYE APRIL)との対談です。

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-もう完全に相談じゃん、人生相談みたいな。

福永:改めてRTA No.6を聴き返してみたんだけど、良い曲だなって我々ながら。曲を作ったあとはすぐに忘れてしまうタチなのもあって、忘れてたからこそ新鮮に感動しちゃった。確か、先にコード進行を作ったんだっけ?

松田:健人がコード進行を作って、らっしー(倉品)がメロを作る、歌詞は一節ごとに・・・

福永:そうだね、2行一節ごとに交互に歌詞を作っていった。

倉品:コードに乗っかるとか、あるものに乗っかっていくのが結構好きなので。

福永:そうなんだ!なんというかソングライターというか率いていくような印象が強かったけども・・・

倉品:たまにそういう曲もできるんだけど、バンドでは例えばつのけんが叩いたリズムに乗っかっていくとか、そういう風に出来上がっていった曲の方がいい曲になったり。それはそれでね、すごく好きなんですよ。

松田:この曲に限っては歌詞のテロップをつければよかったなーと歌詞を見ていて思ったね。

福永:歌詞を見ていて発見したんだけど、1節目は俺が書いていてそれから交互に交代しながら書いてて、まず俺がネガティブワードを送ってるんだよね、基本的に。

倉品:そうだね、確かに。

福永:「この世のことを愛せるのかしら」とかっていうのは、どちらかと言えばネガティブな方向で俺がふっかけているんだけどらっしーが「綺麗じゃない今日もちゃんと綺麗だったんだ」っていうのよ。ポジティブ返信してくるのよ。

倉品:(笑)本当だ。

福永:そのあともネガティブとポジティブのやりとりが続いてるんだけど、最後のところで俺が敗北してて・・・っていう。当時は気づかなかったんだけど今見て気づいた。

松田:もう完全に相談じゃん、人生相談みたいな。
(一同笑)

福永:びっくりするぐらい人間性出てるなと思って。書き出してみてびっくりしちゃった。

倉品:無意識ですね、そんなこと全然考えてなかったんだけどね。

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-今まで自分が持ってきた手綱を一つずつ放して、今はもう全放ししているような感じで。

福永:GOOD BYE APRILだと歌詞はえんちゃん(延本文音)と共作したりするじゃない?それぞれが曲ごとに歌詞を書いていたり、連名で書いていたり。人と作詞するのは個人的に初めてだったんだけど、どんな感じでやってるんだろうなって。

倉品:バンドだと基本的にはまず書きたい方が書くんですよ、とりあえず。共作になるパターンは大まかに2パターンあって、延本が書いたものを音に乗るように手直しをするパターンと、逆に僕が書いたものが先に作っている曲に対してあまりにも寄り添いすぎた歌詞になってしまいがちなのでそれを外から見てメロディと距離を取ったりというところを延本に直してもらうパターン。両方あるかな。あとは英語とかが入ってくると英語の部分を僕が書いてたりとかっていうので共作になったりもしてるかな。

福永:すごいな・・・負けました。いつも一人で書いてるけど言葉にバンドメンバーから注文がついたことってないよなぁ・・・

松田:一度もないね!みんなゴリゴリにプレイヤーだからね、それに健人の歌詞は素晴らしいと思ってるので。

倉品:そこはもう、信頼だよね。

福永:いやいや・・・でも歌詞に対する姿勢については、歌物ならではっていうのもあるのかもしれないね。GOOD BYE APRILは言葉とメロディが沿うかどうかというのですごく作り込んであるっていう印象がある。

倉品:歌っていて自分が気持ち悪いと思うのを自分が許せないというか、歌っていて気持ち良い状態にしていくという意味でお互いが納得できるところに落とし込むっていう風にバンドの曲に関してはしているって感じだね。

福永:RTA No.6は歌いにくくなかったですか?

倉品:全然。やっぱり僕はこういうのに乗っかりにいきたくてやっているし、いかに自分が乗っかれるかを楽しんでるから。

福永:なんか、一緒に何か作りたいですね。

倉品:本当に。乗っかっていくって意味で本当にそういうのは大好きなんでやりたいね。

福永:俺は好きなことをやっていて万人受けはしないだろうけど、らっしーのメロディは多くの人の心にちゃんと残るだろうなっていう。

倉品:受け入れられるものとやりたいこととのバランスは常に図っていかなければいけないことではあるだろうね。でも結局僕も近年やりたいことしかしてないんだよね。

福永:なんだかちょっと偉そうな言い方にもなってしまうかもだけど、はたから見ていてここ数年はらっしーが自由になった感じがしてる。

倉品:特に最初の頃とかは、どうしても自分の世界に閉じこもりがちというか。これはフロントマンあるあるなのかもしれないけど。閉じこもることの大事さももちろんあるんだけど、このバンドをやっていて気づいたのは猛進してしまうと自分のやれることが広がらないということに気付いて、自分が思っているよりも委ねてしまった方がいいものができるっていう。今まで自分が持ってきた手綱を一つずつ放してきたような感じで今はもう全放ししているような感じで。それでも結局自分の好きなものっていうのはどうやったって出てしまう。自分はそういうバランスなんだなと気付いて去年からは肩の力が抜けて、自由にやってる。

福永:表から見てても感じるし、考え方もすごくわかる。

倉品:やりたいことは結局ポップスなんだろうね。ポジティブとネガティブがあったときに最終的にポジティブにありたい、そういう考えがポップスにつながってると思う。辛いこととか悲しいことの向こう側に行くぞっていうところをずっとやりたいと思っていて、自分から出てくるものがちょっとポジティブなものになっているんだろうなっていう気がする。別に自分は陽っていうわけではないんだけどね。

福永:いわゆる陽キャラみたいな感じじゃないよね。でもなにか一周回ってる気がするよね、一度そこに触れて帰ってきたような感じ。そういう深みがあるというか。

倉品:なんか諦めてるところはあるな、悪い言葉で言えば。

福永:(笑)諦念というか。

倉品:そうそう、諦念っていう言葉は昔から自分の中にあって、なんというか細かいことは別にどうでもいいんだよね。いつ死ぬかはわからない、みたいなある種の諦めのような気持ちはずっと持ってるから、だったら好き勝手に生きようかなみたいなそういうポジティブなのかな。

Q.あなたのお気に入りの機材や楽器があれば、自慢してください。

倉品:機材にあんまり執着というか、周りの機材にこだわりを持ってる音楽人と比べるとそこまで楽器に偏愛はしてないんですけど、赤いアコギを10代の頃からずっと使っていて、GibsonのJ-45なんですけど。高校2年の時かな、父親に買ってもらったやつで。

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福永:らっしーのJ-45はねぇ・・・俺のより音がいいんだよね。悔しいんですけども、飼い主に似るのかわかんないけど。俺のはしっとりした、ボサっとしたサウンドなんだけど、らっしーの赤いJ-45はブライトでドライなんだよね。ストロークしたときに軽やかに音が発音される感じ。同じ機種なのに不思議なんですけれど。

倉品:やっぱりJ-45は持ち主によって個性が全然違うよね。

福永:個体差は結構あるし、弾き方でも鳴りが変わってくるっていう話もあるからね。

倉品:そうだね、バンドでも弾き語りでもずっと使ってきてるからっていうのもあるし、一度割ってしまったことがあったり・・・でも割れたことで逆に鳴りがちょっと良くなったりして。

福永:俺もネックを折ったことがあるんだけど、しっかりリペアしてもらうことでネックとボディのジョイントが強くなってむしろ鳴りが良くなったりしたな。

倉品:それはやっぱりあるよね。ボディを割っちゃったんだけど、鳴りが良くなってバランスが取れた音になったなって思います。add9をジャーンと鳴らした時とか、分身みたいな音は出るって感じで、逆にあんまり今は乱用したくないというか。温存するためにサブのアコギを用意したり、しっかり一生付き合っていたいアコギっていう感じですね。このバランス感で付き合えるアコギはもう無いんじゃないかなと思うので。

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倉品:RTAはすごく楽しかったし、取り組みとしてすごく面白いなとずっと思ってた。僕の前も後もいるけど、みんな濃い個性がぶつかり合って消えるんじゃなくてしっかり生かし合ってる感じが毎回すごいなって。

福永:個性的な方々の才能にリモートで触れるというか。元々は対面で合奏できなくなったから始めたんだけど、やってみてよかったなと。リモートでまとめる苦労はあったけどね。

倉品:aireziasのみんなも乗っかり上手というか。

福永:いやー、そうでもないですね。・・・なんだろうねぇ。

松田:じゃじゃ馬。

福永:そう、じゃじゃ馬。誰も乗っかろうとしてないからね。

倉品:各々が好き勝手に走って成立するっていう?

福永:好き勝手やって、成立してないっていうのが我々ですね。

倉品:(笑)でもそういうのもこの企画の醍醐味だと思う。その中で僕は自分の一番得意とするところをやっていこうと思ったね。

松田:他のゲストについてもそういうところはあるかも、みんなそれぞれの得意なところに持っていってくれる。

倉品:確かに、他の人の回を聴いてそう思えたし、本当に楽しさ全開でみんなやってるのが伝わってくるというか。

福永:そこは本当に自信があります。

倉品:まさに音を楽しむっていうそのままの感じで、すごい楽しかった。

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福永:じゃあ、ありがとうございました。

倉品:いえいえ、こちらこそ。

福永:なんか、一緒に作ってください。ぜひ。

倉品:やりましょうよ。なんかそういうの好きなんですよ、プロデュースっていうと大げさというかおこがましいんだけど・・・

福永:あぁ、プロデュースしてよ!

倉品:(笑)プロデュースっていうとなんかちょっとね。なんていうか俯瞰して一緒になにか一曲作るとかそういうのはすごく好きだし、それは自分にしかできないバランスがある気がしてるので。

福永:ちょっと今度やってみましょうよ。

倉品:うん、やりましょう!是非是非。

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airezias × 倉品翔 / RTA No.6


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