ディスコ(四丁目のアンナ)・山本章人(ex.pegmap)-RTA対談
aireziasのYoutube企画「RTA」がサブスク等で聴けるようになりました。
多くのコラボミュージシャンを招いて行われたこの企画。
参加してくれたみなさんとの対談を敢行しました。
今回はM06「インターネット・サービス・テニス-RTA No.11」でコラボしてくれたディスコ(四丁目のアンナ)・デモ提供をしてくれた山本章人(ex.pegmap)との対談です。
-言葉が持っているニュアンスで情景だったりとか心情を描写するっていうのは非常に詩的、韻文的な作り方で、面白いなと思った。
明子:最初はわたしがディスコに声をかけてて、そしたら同じタイミングでゆうやけもゲストで呼びたい人がいるって言って、章人さんに声をかけてた。それで章人さんからOKが出て、マジ?って。
福永:場内騒然としてたイメージがあるね。
山本:そうなんすか笑
福永:ゆうやけもダメ元で声かけてみるって感じだったし。
明子:章人さんは大っぴらに表に出るよりは曲提供でっていう感じだったし、ディスコもpegmap好きだって言ってたから、じゃあディスコがその曲をアレンジして...っていう。ことの流れはそこから。
福永:RTA史上初のゲスト2人参加。構成としては章人さんが曲を作って...
山本:いやまあ違いますけどね、僕ワンフレーズしか渡してないから参加してるとは言えないですけどね。
福永:なんかLINEの感じとか見ても凄く謙虚な方だなと。めっちゃかっこいいのに、何故かめちゃめちゃ低姿勢。
山本:そうなんすかね。
福永:章人さんに元ネタを作って頂いて、ディスコが曲を膨らませて、作詞も。
ディスコ:そうですね。
明子:ディスコ全開って曲で凄い好きだなと思いました。
ディスコ:ありがとうございます。
福永:今回ミラクルが起きたなと思ったのが、元々章人さんが作ったデモがディスコっぽかったんですよ。
山本:あ、らしいですね。
福永:っていうのはディスコ的にも感じました?
ディスコ:いや、全然感じなくて...笑 ちょっとスカっぽいのかなと思って、やったことないけどやらなきゃって思って、1日スタジオに入って作った。
福永:凄く真剣に取り組んでくださったんだな。ありがとうございます。
ディスコ:いやでも楽しかったですよすごい。
福永:人の曲をアレンジしてみるってどうでした?難しかった?
ディスコ:自分だけのことじゃないから、あんまり失礼なことはできないなって思いつつ、でも言葉は自分が言ってて気持ちいいってことだけを優先して。だから失礼がないつつ、あんまり気負いすぎずっていう気持ちで出来てたから、良い塩梅だったかなと。
明子:ディスコの作詞ってすごいよね。四丁目のアンナもディスコがやってるじゃない。「自分が言ってて気持ちいい言葉」って言うのは、凄い納得した。ああ、こうやってできてるのかなるほどなって。
福永:俺今回歌ったじゃん?歌ってみると、舌の回り方が気持ちいいというか...これは是非歌ってみてほしい。
山本:へえ~~。
福永:そういう言葉の選び方があるんだなって思った。
ディスコ:うれしい。
福永:歌詞を書く時って、どうしても意味に引っ張られたりとか、ストーリーがどうなっていくかっていうのに注目しがちなんだけど、音の質感、軽やかさであったりとか、言葉が持っているニュアンスで情景だったりとか心情を描写するっていうのは非常に詩的、韻文的な作り方で、面白いなと思った。
ディスコ:なんと嬉しい、ありがとうございます。
明子:YouTubeに歌詞載ってたわ。
福永:口ずさんでみてほしい、口ずさむには少し過激な気もするけど笑 なんかインターネットはクソをくらえみたいなことをこの歌詞では言ってるけども。
ディスコ:コンピューターの言葉かっこいいなっていう先行でいって。でも意味を持たせなきゃなっていう後付けで、いつのまにか暴力的な感じになってたから、本音なんだろうなって笑
そもそも章人さんが投げてくれた最初のデモで「こんな世界とはおさらばよ」って歌ってたから、「ああ、多分この人もそうなんだろうな」って笑
福永:そこがきっかけとして与えられてっていう。
ディスコ:ですね、そこはミラクルかもしれないですね。
-この(RTAが)きっかけで、バンドやらせてもらってます。本当にディスコの才能凄いなって。
明子:今、章人さんのバンドにディスコいるよね。
ディスコ:そうです。
福永:そうなの!!?RTA繋がりってことですか?
山本:バンドやらせてもらってます。このきっかけです、本当にディスコの才能凄いなって。
福永:それは知らなかった、新しいバンドやるんですね。pegmapのその後っていうのはどんな感じだったんですか?
山本:pegmapのメンバー、ドラムとベースで2,3ヶ月に一回スタジオに入ってたんですけど、仕事とかもあって入れなくなって。
福永:今おいくつなんですか?
山本:僕らは全員、pegmapは37ですね。今年で38。
福永:あ、思ったより上でした!同い年ぐらいだと思って、すいません舐めた口をきいて。
山本:全然気にしてないですよ笑
福永:音楽のことしか考えてなかったから、年齢だとか属性だとかっていうのを全く知らなかったので。
山本:僕別に、年齢とか気にしない派なんで。だってディスコにもタメ口きいてよって言ってるんですけど、なかなかきいてくれない笑
ディスコ:いやそれは難しい、難しいでしょう笑
福永:ちょっと感動的だな、インターネットサービステニスが繋げた縁ってことだもんな。
山本:いつかじゃあ、ライブ一緒にやれたらね、その時にね。
ディスコ:あー、確かに、楽しそう。
福永:この曲も是非やってほしいですね。
山本:そしたら演奏はaireziasの方でお願いしますよ笑
福永:入って良いなら、入ります!笑
福永:これがアップされたのが2020年の6月1日だから、最初の緊急事態宣言が出て、最初こそみんな我慢してたけど鬱憤がSNSに溜まってる時期だった印象があって。それで「こんな世界とはおさらばよ」っていうのが世相を反映している感じがしたんですけど。
山本:ああ、そうなんですね。全然違うんですよね笑 すいません、だいぶ前に作ったネタだったんで。そんな大袈裟なことで僕は音楽作れないんで笑
福永:あるあるなんですよね、作った側は何も思ってないんだけど、その時のタイミングで周りが邪推するというか。ディスコの歌詞にもそのニュアンスが出てたんじゃないかっていうのをなんとなく邪推してたんですけど。
山本:俺もそれ感じてました。
ディスコ:いや、な、ないんですよねそれが...
山本:なかったか~笑
ディスコ:強いて言えば、その時コロナで人と接する機会が減って、Twitterばっかり見てたから脳に占める割合が増えたのかなっていうのは無理やり言えるけど。
福永:今、過去のRTAざっと眺めてたんですけど、このコラボ期間にやった中で再生数一位ですね。
ディスコ:えー、すごい嬉しい~!
山本:俺マジでね、たぶん50回ぐらい聞いてる笑 めちゃくちゃ好きなんだよね。
福永:この曲、他の曲と比べて聴いてもらうとわかりやすいと思うんですけど、aireziasらしくないんですよね。
山本:そうですね、全然毛色違いますよね。
福永:二人に引っ張られてこういう風になったというか。だから、我々としても非常に刺激的だった。普通に作ったらこうはならない。もっとしみったれた、のっそりとした楽曲になりがちなバンドなんですけど。
明子:アレンジをする時にどうしようかなと思ってて。でも、啓太郎がめちゃくちゃ活躍してて。
福永:そうそう、俺も啓太郎にギター取られちゃった笑
明子:でもあれは啓太郎しかなかったよ笑 啓太郎がボカロP(家の裏でマンボウが死んでるP)のギターをやってたりしてて、今回ギターもベースも合いそうだなって思ったからどっちも試しに録ってもらって。でも啓太郎のギターは譲れねえなって思って、ギターを弾いてもらった。今回はゆうやけにベースを弾いてもらうことにして。
福永:たしかにね、啓太郎が弾くべき曲よね。しかも、啓太郎あのギター(ギターソロ)アドリブで弾いてたからか分からないんだけど、映像と全然合ってないっていう笑 テンションでいったんだろうね、魂のギターソロって感じ。
福永:話とっちらかるけど、新しいバンドが本当に楽しみでしょうがないな。
山本:でもあれっすね。なかなか、僕が曲を作るのが遅いから。笑
ディスコ:いや、わたしもですね。
福永:バンド活動について思うのは、やっぱり無理をしない方がいいなっていう。無理してごりごりやるっていうのが20代真ん中とかだとあったりするけど、5年10年続かないですよねそのスタンスって。どっかに無理が生じてくるっていうか、本当に健全にやっていくなら覚悟を持って、周りの世界の移ろうスピードから離脱して自分たちにとって一番健康なペースでやっていくしかない。それが継続の秘訣なんじゃないかと。
山本:そうじゃないとやってらんないですよね、体力もないし笑
明子:説得力...笑
福永:pegmapをやってたのは何歳ぐらいの時なんですか?
山本:20~30ぐらいだと思います、だいたい10年ぐらい。
福永:ああ~、じゃあちょうど今福永が話したのに該当する時代。...一方でああいう、きわきわで鋭いものは、めちゃめちゃかっこいいんですよね。
山本:たぶん、なんか若い時気性が荒い動物とかいるじゃないですか、猫とか犬とか。そういうものだったんだと思いますよ、そういう時期笑 そうあろうとしていたのもありますけど、バンドとか音楽とかやるんだったらぶっとんでなきゃっていう。でもね、それは無理をし続けてたわけですからね。
福永:でも、鋭さってわざとらしくなる人の方が多い中で、(pegmapは)非常に真に迫る印象があった。
山本:なんでしょうね、性格的に結構考えてはいたんで、若い頃はやっぱり、物事を。自分のなかの哲学で矛盾が生じないようにってことは考えていたんで。自分にとっての音楽と歌ってどういうもんだっていうのは結構考えて生きてたんで、昔は。そういうところから見てたんですかね、ちょっと分からないんですけど笑
福永:そこから7年経って、熟成したバージョン。
山本:熟成というか、開き直りですかね。もうできることしかできないや、みたいな。変に上を見ていないっていう。
福永:結構コロナ渦で大事なマインドなんじゃないかっていう。常識が明日常識じゃなくなる可能性があるというか。資本主義社会だと努力すれば勝てますよ、みたいな言われ方をすることが多いけど、実際これぐらいの大変動が起きると自分ひとりの力じゃ本当にどうにもならないことが日常レベルで増えてきていて、過剰な上昇志向は鼻をへし折られるような時代になる気もする。
山本:自分はそこまで世の中を見れていないから、ちょっとなんとも言えないです笑 凄い人だな笑
明子:ディスコの作るものもそうだし、pegmapもなんですけど、わたし狂気的なものがめちゃめちゃ好きで。そこがふたりに共通している部分なんだなと思った。
山本:僕もそうですね、ディスコに声をかけたのはこいつ絶対頭おかしいって思って、だからやりたいなって笑 ホテル飯島(※過去にディスコが所属していたバンド)の動画を見てやっぱり最高に狂ってやがるって思った笑
ディスコ:一緒にスタジオ入ってても、もっとおまえの狂ってる部分を出してこいよって笑 もっと狂えよって煽られるんですけど笑
山本:うん、もっとできるはずって笑
ディスコ:わたしも感覚的になっちゃうことが多くて、感覚的にとにかく気持ちいいっていうことを優先するんですけど、その中でとにかく鋭いものが好きなんです。...あ、下ネタみたいなこと言った、いや違くて。
一同:笑??!
山本:別にそんな風に聞こえてない笑
ディスコ:とにかく鋭いのがかっこいいなって思ってて、それは章人さんにも感じてて。自分だけじゃそれは出しきれないし、出す術もそこまでないけど、自分が一番好きなのはテンション?みたいもので、もう、殺しにいくみたいなのが。一撃で扉を開けてくれる感じが章人さんはするので、そこをすごいわたしは。
山本:あ、ありがとうございます、
ディスコ:いえいえ、こちらこそありがとうございます。
Q.お二人のお気に入りの機材や楽器があれば教えてください
【山本章人】
山本:自慢というわけではないんですけど、持っているアコギでずっと弾き語りで使っているのがあって。ジャパンビンテージなのかわからないけど、kasugaっていうのがあって。レコーディングとかってアコギのローが邪魔らしいじゃないですか。それが全然ないやつなんですよ、塗装が薄くて。だからレコーディング映えするアコギだねなんて言われてて、まあ俺は気にしないでライブで使ってるんですけど。これ、友達の親父が初任給で買ったギターをなぜか俺が貰ってっていう経緯があって笑
一同:えー!
山本:友達ん家に飲みにいって、まだpegmapやってる頃に友達の親父の前でワンフレーズ歌えってなって。歌ったら、いいねってなって、あげるよってその親父から貰ってずっと使ってる笑
福永:かっけえ笑
山本:でもさ、こんなん貰ったらもう買い換えられなくない?!笑
明子:確かに笑
福永:違うの使ってたら、あれ?違うじゃんって笑
山本:なりそうですやん笑 なりそうなんだけど、この間友達が俺のライブ観にきて、あれまだ使ってんだってなって。親父に言っておくわって言ってたんですけど、そしたら親父が、あんなのまだ使ってんのかあいつって言ってたらしくて笑 全然思い入れねえじゃん!ってなって笑 こっちはめっちゃ大事に使ってたのに笑 っていうギターを使ってます。
ディスコ:良い話笑
【ディスコ】
福永:じゃあ次、ディスコさん。
ディスコ:わたしは、こんな良い話のあとにそんなないんですけど、KORGのminilogueが直感的になんでも出来るので好きなんですけど。前に、永久的にいいよって友達に借してもらって「やった貰った嬉しい」ってなってたんですけどある日突然、「やっぱ使うわ」ってなってその友達に返しちゃったから、近々買おうかなって思ってる。欲しい機材です。
明子:今手元にないという話笑
福永:シンセって機能が多すぎるより、直感的に使える方が愛らしかったりするよね。
ディスコ:かも。あと見た目がかっこいいのがでかいかもしれない。
airezias × ディスコ / RTA No.11