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ツイッターで繋がったお仕事〜のれん完成までの道のり〜
初めてお仕事の内容を公開する記事を書きます。
ツイッターのみでの繋がりから、実際に発注に至った出来事。
そのきっかけ、そして実際にどのようなプロセスを通して仕事をしたかという事を公開します!
・発注のきっかけは?(どこで繋がったのか)
・仕事の進め方
・のれん製作で実際に落とし込んだポイント
・完成
まずは発注に至ったきっかけ
発注をくださったのはOFFRECO ヤマシタさん。
あのデザインの筋トレで有名なヤマシタさん。私も実はこの記事からフォローをしておりました。そこである日たまたま見ていたらある文字がタイムラインに。
ゆる募集で誰か店舗用にのれんデザインをやりませんか?
という内容でした。ピンときた私はすぐにリプライを送る事に。
他にも応募の方がいらっしゃるので選出までに少しお時間をください。
という流れから実際に私を選んでいただき、発注という流れになりました。
こちらに実際になぜ私を選んでいただいたか詳しく記事にされています。
デザイナーに仕事を発注して見たいなという時の選定方法として目安になる事が細かく書いてあります。実際に仕事を誰かに頼まれる方など参考になるかと思います!ぜひ読んでみてください。
実際の仕事の進め方
私は現在フランスに在住しています。なので、実際に会う事ができない。
その部分に関しては即リプライ、即返信を心がけていつも仕事に取り組んでいます。この実際の距離の不安をぬぐってもらえるようにスカイプでも打ち合わせはできますという事もお伝えしつつ、実際に仕事に進んで行きました。
お仕事の内容は築地にある老舗の中島水産が、
都内にあるマルイに出店する際の店舗に使うのれんと、その壁用に使うグラフィックのパターンを数点作ってほしいという事でした。
こちらに関して最初にヤマシタさんからお仕事の内容の簡単なカンプを頂きました。
製作するもの
・のれんに使うアイコン製作(魚・鮨・貝・干物の4つのアイテム)
・真ん中に置くロゴ(魚・鮨・貝・干の漢字を使用すること)
・壁面に使うグラフィックのパターンを3つ
(今回こちらの記事で公開するのはのれんのデザインに関してのみです。)
では、このデザインをキーワード化すると一体なんだろう?
まずどんな仕事に入るときもまずわかりやすい言葉でキーワード化します。
デザインで迷子にならないために大切な作業です。
そこで色々リサーチ
中島水産を自分で調べると創業90年以上の老舗。
そんな老舗をいかにうまくデザインに落とし込めるかを考えました。
老舗だけど新しい店舗で出店する。そこで思い浮かんだ疑問。
昔からあるものをを現代風に解釈するとは一体なんだろう。
そこから進でいきました。
昔のイラストなど文様をアイコン化する事で、現代にも今後にもフィットして行ってもらえるように。昔から現代でも愛されているものは何だろうと探して行き着いたところが「北斎」でした。今回のアイコン製作などは北斎の意匠を散りばめてあります。
キーワードが決まったところでまずはアイコン製作。
アイコン製作には長く愛されて欲しいという気持ちから黄金比を使用し綺麗に製図し直しました。大きな印刷物は実際の画面のサイズで確認するのではなく実物のサイズで確認しつつ、時には印刷しつつ粗がないか、目を皿のようにして画面を拡大しつつ確認しながら進めます。
こちらが実際使用した黄金比
自分自身でもイラストを書いて見つつ、写真から線だけを拾って抽象化しつつ、どういうアイコンにするかを決めます。
(こちらの写真が下絵に使ったもの)
そしてこちらが下絵を元に黄金比でシンボル化したものです。
用いたアイディアは北斎の「略画早指南」という本を読み、そこで大昔からでも北斎が丸や三角などの図形を用いてイラストを書いていてそこから発想を得ました。今も昔もこの図形を用いてアイコン化されたものは長く愛され続けています。脈々と続いている人の美しいという気持ちに訴えかける手法として過去から現代へというキーワードにぴったりの手法でした。
波のモチーフもアイコン化
波を拡大するとこのぬるっとした墨溜まりが散りばめてあります。
そして、これらの要素を元に、ヤマシタさんからカンプでいただいた暖簾の仕様に落とし込んで行きました。
ヤマシタさんに指示を頂いていたものは、真ん中に魚の文字、その両サイドにアイコンを配置するというものです。
色々波の配置にも悩みましたが、一番大切なのはマルイのお客様の層が年配の方が多いという事で遠くから見てもはっきり分かるようにしました。
そしてこちらが完成した暖簾をヤマシタさんに提案したものです。
実際にこちらから印刷までに、色の微調整などをしていただきました。
本物はまだ実店舗に行けてないので私も確認できてない状態なのですが、
ヤマシタさんがお写真を送ってくれました。
パッと何コーナーなのかが分かるようなデザインにできているようで一安心。
そしてこちらはヤマシタさんアートディレクションの元、製作されたポスター。
四枚並べるとロゴも際立ってとても素敵な感じです。
クレジット
AD/ID:OFFRECO ヤマシタマサトシ
P:TRAIAL 宮ノ下勝久
FS:ちろり 田島明日香
AD:アートディレクション
ID:インテリアデザイン
P:フォトグラファー
FS:フードスタイリスト
この一連の仕事が終わり私自身にも大きな新しい道が拓けたのを感じました。私は海外に住んではいるものの、こうしてインターネットの繋がりだけでも日本でお仕事を頂けるのはとてもありがたいと感じております。
今の時代だから距離をものともさせない方法がインターネットにはあるのだと私の背中をググッと押してくれた大事なお仕事になりました。
いかがでしたでしょうか?
こうして国の枠を超えてお仕事に携われていけたらいいなと思っております。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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