冬色ガール
もう10年以上前の話だが、
スムルースが私のキラーチューンだった
時代があった。
清水の舞台から飛び降りる気持ちで買った
中古のiBookと黄色いiPodには、
スムルースの楽曲が並び、
そのメロディが、歌声が私の背中を押し、
繰り返す日々に色を与えてくれた。
そして、何より徳田さんが綴る歌詞が好きだった。
繊細に選び抜かれたであろう美しい日本語と
言葉遊びをしているような面白さとを
兼ね備えたリリックに
胸を締め付けられるような切なさを感じていた。
時の流れとともに
iBookは動かなくなり、
世の中のiPodには電話機能が付き、
いつしか私の世界は
「おかあさんといっしょ」の童謡で埋め尽くされた。
それでも、冬の始まりを肌が感じると、
「冬色ガール」の前奏が耳の奥で奏でられていた。
2024年、
スムルース初期の楽曲がサブスク解禁となった。
スムルースも活動を再開していた。
やっぱり、
好きなものは色褪せない。
今聴いても、あのメロディが、リリックが、
当時の私の思い出ごと包み込んでくれる。
いろいろあったけど、
今年も冬がやってきたよ。
https://x.com/air_pigin/status/1861201467056759217