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デザイナー(職種)ではなくデザイナーレイス(人種) #02

「思考を真似るだけでは、デザイナーにはなりませんよー!」

 前回、私の基本スキルはデザイナーであるとご紹介しましたが、今回はこのデザイナーという基本スキルの強力な側面を紐解いてみます。あくまで、私の感覚ですので、すべての方に当てはまるわけではありませんが、何かの参考になれば幸いです。


・デザイナーレイスとして生きてきた30年の軌跡と根幹スキル

 デザイナーとして30数年生きてきましたが、職業という認識ではなく、考え方や他者への対応の仕方、人との付き合い方、その成果の計り方。そして何より、もっとも大事なスキル「見る」「気にする」能力を有するこの生き方が性に合っていたという認識はあります。
つまり、職業デザイナーではなく、人種がデザイン人ということです。人生の半分以上なんで、もう体の一部ですね。
 根幹スキル、これをキラースキルと命名しておきますが、これを根幹としてそのまわりに別のスキルを纏わせているイメージです。私の場合、制作スキルはグラフィックデザイン、WEBデザイン、インダストリアルデザイン、3Dデザイン、映像(モーション)デザイン、コピーライティング、ライティング、エディトリアルなどがあり、上位にアートディレクション、プランニング、プロデュースがあり、さらに経済学スキルと経営学スキル、認知心理学スキル、伴ってコンサルタント、ティーチングなどもその周辺にあります。

 これらのスキルをデザイナー的な思考でバランスさせて、さまざまな事象に対応しているわけです。目指したのはフルメディアという聞き慣れない言葉ですが、すべてのメディア、これから出てくるメディアなどに対応しきるための構築になっています。
 20代後半、どうやって生きていこうかと考えた末、自分の性格も相まって、いかに世の中のルールと関係なく経済活動を行なって自由に生きるかを考え、今もまだその中にいますが、いくつかの検証と結果などからの予測で、ある程度は構築できています。

 現在のじゃない代表の前に、社長をやっていたときもデザイナーであることは基本にあったわけで、そのバランス感覚と基本知識の組み合わせで会社運営をしていたということです。なので、デザイナーのひとつのキャリアパス、ブレイクスルーを行った経験で、弊社のデザイナーと向き合っていくことを良しとして、彼ら彼女らの先々のバリエーションをいかに増やしていけるか?そう考えられるように対話をすることが、今の私の仕事でもあります。

・私の考えるデザイナーレイス

 一般的にデザイナーと言われた場合、どんな仕事を想像しますか?
よく言われるのが以下です。

・グラフィックデザイナー
・インテリアデザイナー
・プロダクトデザイナー
・ウェブデザイナー
・ファッションデザイナー
・UX/UIデザイナー

だいたい皆さんが聞いたことのあるデザイナーですね。知り合いにもいるのではないでしょうか?

 デザイナーの仕事は非常に多岐にわたり、各分野で専門的なスキルと知識が求められます。デザインの役割は、見た目の美しさだけでなく、機能性やユーザー体験の向上にも直結しているため、現代のビジネスにおいて非常に重要です。

 しかし、私の言う「デザイナーレイス」とはちょっと違います。上記は職業でしかありません。
スキルがあれば、どれでも名乗ることができます。もちろん、そのスキルは作業をするのに必要なだけであって、私の場合はそこまで重要ではないのです。生きて生活している状況をデザイン的に考え続けるというのは、簡単ではないと思います。別の言い方をすれば「変態」ですし「変人」なのかもしれません。なので、全員に理解してもらうのは難しいですが、私を側で見ているとなんとなくわかる程度のものでもあります。

・デザイナーレイスというクリエイティブ層を日本に増やしたい

 欧米に比べて、日本はクリエイティブ層がかなり少ないのが現状です。
高度成長期から数えて、国内ビジネスはサラリーマン優位社会を形成していきましたし、学校や親なども思考はそちらへ傾き続けた結果、こりゃあかんと「ゆとり教育」なんぞの形だけの教育改革を推し進め、ご存じのとおり15年ほど棒に振りました。
他の国々が新しく発展していき、新しいビジネスを産み続けるのを横目に、同じようなことを今度は労働法を訳のわからん方向で作り上げ、派遣社員だらけにして、「属人化」から離れて「成果主義」とか測れるマネジメント層もいないのに推し進めた結果、この有様ですよ。
ここで政治の話はしたくないので省きますが、そもそも国の制度とは離れて個人で活動できるクリエイティブな思考を持った方が早いと思いませんか?

話を戻して、このレイスの方向へ行くには、
 実際のデザインスキルは必要ですが、それを昇華していくためには、通常の学習や仕事では知識も経験も足りません。どこまで貪欲に気にし続けられるか?によってしまうので、誰でも向いているわけでもないです。あらゆる角度でデザインの可能性を考え突き詰めていく作業が、どれほど困難でも時間がかかっても、追い詰められても、喧嘩をしても、必ず答えを出すために考え続ける体力そのものとでもいいましょうか。なので、職業ではなく、人間としてのタイプを求めるしかないという悩ましいことに陥ります。

 したがって、例えば書類や面接程度ではつかめないので、私にとっては面接においての志望動機や業界経験などはあまり重要ではなく、面接の中での対話、会話、思考の癖などを多岐にわたって分析することでしか見つけられませんので、ものすごく話をすると思います。面倒くさい面接官でも構いませんし、それよりその人の可能性を見つけることが何より重要。なんなら、欲しい人材だとしてもうちに入らなくてもいいとさえ思います。その目的が明確であればあるほど。

 私の目的は、そういう人々をこの世に増やすことです。しかも、デザイナーだけではなく、このデザイナーレイス的な人を増やすことで、もう少し住みやすい世界もできるだろうなと勝手に思っているだけです。

・相手がいるということは、デザインであり商売であり自分がいるということあり

 デザインというものの思考の仕方、そのイメージの広がり方、物の見方、トータルでバランスさせる力、能動的かつ友好的な発言や雰囲気、ミーティング時のクリティカルな発言や内容、物事の角度を変えて見ていく自由さ、肯定的なミーティングの仕方、とんでもない量の情報量と知識、思考を固着しない柔軟性、などなどを挙げていくと、常に「相手」がいることがわかりますね?
 お客様、クライアントも「相手」ですし、一緒に仕事をするのも「相手」、エンドユーザーも、ウェブでつながる世界も「相手」です。「相手」がいて初めて有効な仕事ですので、当たり前ですが、それに対してどこまで気にして生きていますか? 職業的には限界があります。自然に息を吸うように気にしている状態の維持ができるのが、デザイナーレイスなのです。
 なぜ気にするのか? それは、何か他に良い改善はできないかと、常に考えてしまう癖というか業というか、呪いというかw 正直、疲れてしまうかもしれないので、耐性がないとすぐに潰れてしまうので、誰にでも勧めるものでもないんですよね。

 例えば、電車の自動改札機の下には番号があるんですが、どこどこの駅の南口は何番まであったなぁとか、訪れるビルのエレベーターのメーカーが、新宿はここが多いなぁとか、ほんとにどうでもいいことをよく覚えているもので、この「見る」という感性が発達しているということにも関係しています。完全に癖というか、目の使い方が少し違うんですよね。

 長々と書いてはみましたが、要領を得ないのは百も承知で、何年かに一度こうして文章化してみるのですが、やっぱりとりとめない感じではあります。それだけとらえどころのない感覚的な要素であることは知っていますが、それでも伝えたくなるのは自分勝手なんでしょうね。

 あらゆるメディア、あらゆる職業をデザインとして捉えたいと思ったら、募集していないタイミングでもいいので、問い合わせしてもらえればいつでもお会いして話したいと考えています。多くはないんでしょうけど、いないわけでもなく。そんな妄想をする日々もまた楽しいかなと思っています。

#デザイン #マーケティング #クリエイティブ #デザイナーの思考 #デザインと生活

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