推しのスキャンダルが出る前に覚悟と理論武装を

今日、とあるVtuberさんと歌い手?さんが同棲しているのでは?という形で炎上したらしい。

自分も具にその流れを追ったわけでないんですが、ある程度の流れを見る限り、Vtuberさんの配信に歌い手さんからの連絡の通知が載ってしまい、同棲してるのでは?という展開になったということ。

こういう、Vtuberに彼氏(彼女)がいたことが発覚した!という流れの炎上はたびたび見かけます。
そして、大抵、炎上→ガチ恋勢やファンが辛い心情を吐露→そのツイートをファンでもなんでもない人が嘲る→ガチ恋やファンが怒る→外部の人が嘲る→…みたいな流れにいっつもなってます。

今回、私はというと、歌い手さんの方は名前はたまに聞くけどよく存じ上げない(そもそも歌い手さんなのかもよく知らない…)けれど、Vtuberさんの方はたまに配信を見に行く程度なので、全くもって他人事という感じでした。

しかし、これまでも色んな人の色んな炎上があって、その度にこの一連の流れを見てると、
自分の推しが同じような形で炎上したら自分はどうなるのか、またファンとしてどんな対応、そして、どんな思考をして自分を落ち着かせるべきなのか、ということに頭を抱え、いつもぼんやりとした答えしか出ません。

そこで、今日はここで、もし将来そうなった時のために、覚悟と慌てないための理論武装をできる限り書き留めて、未来の自分への処方箋としたいのです。


このnoteで問題というか、主題にしたいのは、

『推しが恋愛関係で炎上した時に、自分はファンとしてどうすべきか』

ということです。その中で、

①アイドルとは何か

②ファンとは何か

③アイドルとファンの関係性とは

④ファンとしてどうすべきか

などについても触れて考えていければいいなと思っています。それでは。



○推しが炎上した際のよくある流れ
まずは、推しが炎上した際に、炎上から鎮火まで、一般的にどのような流れを辿るのかを(経験則的に)書いていき、そこにある問題を最後に指摘していこうと思います。

・炎上から鎮火までのよくある流れ
まず、何らかの出来事が原因となり、推しと誰かの交際が発覚します。
すると、インフルエンサーの拡散があったり、そうでなくても、ライブでその出来事を見ていた多くのファンが共有することで、炎上した2人がトレンドにはいります。
すると、ライブで見ていなかった人が、そのトレンドを見て、事情を知り、また拡散、炎上していきます。
ある程度、拡散され、事情がはっきりしてくる(例えはっきりしてなくとも多くの場合憶測とともに)と、意見や自分の気持ちを吐露する人が大量に出てくることで、更なる情報の拡散、炎上に繋がります。
すると、それらの意見や気持ちに対して、反論や揶揄するツイートが拡散、またそれらのツイートに対し、異論反論、揶揄するツイートが出てくるという堂々巡りになり、また拡散炎上が続いていきます。
そして、早ければその日のうちに、長く続いても1週の間、炎上が続きます。これはその間に新たな情報や憶測が出てくることで意見や気持ちツイートが拡散されるからです。
また、炎上した本人が謝罪コメントや休業することで、再炎上し、また数日、鎮火に日を要する場合も多々あります。(この間にまとめサイトや掲示板などではツイッター上であるような、あーでもないこーでもないといった水掛け論が続いている場合も多々あるでしょう)
こうして、炎上から1週間ないし、2〜3週間も経てば、大体のこうした炎上は鎮火に向かう傾向にあると思われます。


・この流れにある問題点
では、この流れで私が気にしている問題点をいくつかあげていきます。

①炎上した推しがアイドルか否か
②炎上内容の拡散
③ファンの意見や気持ち、またそれらへの内外からの揶揄や反論
④新たに出てきた情報や憶測
⑤推しの謝罪や休業に関して
でしょうか。見直してもっとあるなら、逐次、追記していきます。

では、これらについて一つづつ詳しく書いていきます。

①炎上した推しがアイドルか否か
これに関してですが、まず前提として先述した炎上→鎮火までのよくある流れは、推しがアイドル、またはアイドルに近しい活動をしている場合に限られる流れです。
(後述するだろうと思いますが、最近(?)はアイドル路線じゃなくても、ファンが勝手にアイドル的な推し方、認知を持つ場合があるので、もはやという感じではあります…)
後述する予定ですが、推しがアイドルではなかった場合、後段にある揶揄する云々のところや炎上への意見がもっと簡素でシンプルな論理構造になっているので、アイドルだった場合に比べると複雑化しないので、ここまでおかしなことにはならないと思います。
(推しがアイドルである場合の、ファンがもつ心理状態や立ち位置はかなり複雑なので、そこをしっかりと解きほぐして、どうなってるのか整理し、理解したいというのがこのnoteのもう一つの主題です)
なので、これは問題点というよりも、前提としてわかっておいてほしいところ、という形でした。


②炎上内容の拡散
炎上した際に、ライブで配信を見ていたり、炎上する原因となった場面を実際に見ていた際は、そこまで危険性はありませんが、リアタイできていなかった場合、迅速に何があったかその経緯を知ろうと、タイムラインを追うことになります。その際に危険性があって、例えば、タイムラインで得られる情報は断片的なものが多く、また伝聞に基づいているために的確でなかったり、事実とは異なる改変が混じっている場合があります。
なので、この辺の情報はある程度、眉唾物かもという意識をもって見る必要があります。

また、今回の炎上の際もありましたが、掲示板やまとめサイトの書き込みをスクショして、例えば『今回の件についてはこれが1番まとめられてる』とか『今回の騒動は〇〇のこういう思惑によるもの』みたいな形で、炎上が簡潔にまとめられたものや、炎上が起こった背景にはこんなことが!知られざる事実!みたいなことが書かれてるものが拡散していました。
まとめの方はまだいいものの、後者の、知られざる背景!みたいなものに関しては、一見、論理的な真実に見えますが、あんなものはほとんどがそれっぽい憶測に憶測を塗り重ねたものなので、基本無視するのがいいでしょう。
普段、そんなものを見ても無視できるのに、推しが炎上してるような時なんかは動揺して普通にいられず、こう言う情報にも混乱しやすくなると思うので注意が必要です。

炎上した経緯を知るためには、当該配信を実際に確認するのがいいでしょうが、今回のように配信が非公開になる可能性も高いので、リアタイした人が発信する内容で、どの人も同じ内容を発信している場合は正確である可能性が、比較的高いと言えるので、一旦はその情報を信じてもいいでしょう。
ただ、あまりその情報を間に受けないことも肝要です。なんとなくの炎上の流れさえ掴めればいいはずなので、推しが立たされてる状況がどんなものか掴めれば、あとはその情報を精査しつつ、界隈がどんな反応をしているか探っていく方が生産的でしょう。

③ファンの意見や気持ち、またそれらへの内外からの揶揄や反論
リアタイしたファンや経緯を知ったファンや外部の人たち(ファンでない人たち)が各々の意見や気持ちをツイートしていきます。(ここが1番重要だと思うので少し長くなります)
問題となるのは、まず様々な意見を見ることでスキャンダルで不安定になっている精神によりダメージが入ることです。なので、そもそも炎上を知った場合はSNSから遠ざかることが重要ですが、個人的にこういうことに首を突っ込みたくなる性格なので、遠ざかることは難しそう。
と、なると、これからやっていくことは、一つ一つの意見や気持ちに自分なりのアンサーをだしながら、気持ちや意見を整理していくことでになります。(何度も述べますが、このnoteの主題は推しのスキャンダルに対して傷を少しでも軽くし、どのような意見・気持ちを見ても揺るがないような理論武装をすることです。)

では、以下、これまで見てきた中でよく見られた意見や気持ちを上げていき、それに対して、どのような考え、気持ちで対峙するのがいいのかを、現段階での自分の在り方みたいなものを述べていきます。

ⅰ.炎上した推しを全肯定する意見
推しを全肯定する意見は、同じ推しを応援するファンとしてはとても好意的なものであり、ありがたいものです。こう言う炎上騒ぎがあった場合、推しやそのファン、界隈を揶揄する人たちが内外から出てきますし、推しや界隈に対して攻撃的な雰囲気になりますから、少しでもポジティブな意見があれば、推しにとってもファンにとっても心の支えになるでしょう。
特に、良くも悪くも1番大変なのは炎上している推しなので、推しにとってもポジティブな意見は重要なわけです。(最近は炎上→即ネットのおもちゃ→何言ってもいい、みたいな図式が成り立っているように見えるくらい罵詈雑言、誹謗中傷が本当に酷い)
なので、基本的にはこの立場をとっていきたいのですが、かなりの注釈が必要になってきます。

まず、炎上した内容によります。
例えば、現在のように外出自粛が叫ばれている中で大規模な飲み会を開いたとか、特定の職業を差別するような発言をしたとか、推しに全面的に非がある炎上の場合、擁護するべきではないでしょう。
たまに、こういった場合でも擁護するファンもいますが、少なからず白い目で見られがちな、いわゆる、オタク的な推しとファンの関係であることに加えて、推しとファンの関係が成熟した関係性(盲目的でない関係性)であれば、推しの活動にも良い影響が与えられるでしょうから、辛い状況ある推しを支えたいという気持ちはわかるものの、少なくとも盲目的であることは辞めた方がいいでしょう。
(批判するかどうかは状況次第でしょうが、その際にも強い言葉を使う必要はないでしょう)

では、今回のような件、実は恋人がいて同棲もしているかもしれないという内容ですが、こういったスキャンダル(炎上)の場合、特に、推しがアイドルである場合は、別の意味で全肯定しにくい時も出てきます。

どういうことかいうと、"アイドルという職業"が色々と状況を複雑にするためです。
これに関してはアイドルとは何か、ファンとは何かという話とも関連してくるので、それらとも合わせて書いていきたいと思います。

アイドルという職業が問題となるのは、これは持論ですが、アイドルは幻想を売るのが仕事だから、という点からです。
アイドルはファンに楽しい時間、現実を忘れさせる幻想を売ること(全ての職業が何かを売っているわけではないですが、ここでは便宜上、比喩的にこの表現をしています)でその代価としてお金をもらっていると考えられます。
この幻想の一つに、『ファンとの関係性』があります。ファンからすれば、アイドルとは『自分の好きな人が自分のことを好き』を体現してくれる存在であり、現実では実現しづらいような、ある種、理想的な人間関係をファンとの間に築いてくれます。

アイドルとこのような幻想の人間関係を作り出し、ファンを楽しませることがその仕事の主な内容になってきます。いわばシミュレーションゲームのように、作り物(一部リアルが含まれる)のコミュニケーションを楽しんでいくわけです。(この関係性がいわばゲームのようなものと理解しつつも、"それを忘れたふりをして"のめり込んでいる人が多いと思っているが、果たして…)

このような状況で、アイドルに現実の恋人がいることが発覚するのは、この幻想の関係性をぶち壊し、現実に連れ戻す行為なわけです。
これは、アイドルというサービス業にとっては、例えるなら、商品名とは異なるサービスを提供することになりますから、ファンにとっては"幻想を見せるという信頼感関係"を裏切られたことになります。

なのでこの場合、人によっては、ファンとして推しを応援したいけど、"顧客"としてはアイドルの仕事の失敗(よく聞くセリフだと"恋人がいるのを隠せなかったという失敗")を受け入れられないという矛盾した気持ちを抱えるファンも多いと思います。
また、単に幻想の中で急にぶつけられた現実を受け入れられないショックな気持ちもあると思います。(BSS的な?)
なので、炎上した推しを見つめる時に、モヤモヤとした気持ちになるのは少なからずそういう面があるでしょう。

こうした場合、このアイドルとしての仕事の失敗は、さっき挙げた擁護すべきでない推しの行動に当てはまるのか、と聞かれると、どうなんでしょうか。
たしかに、アイドルという職業人という観点、また、顧客としてのファンの観点からすれば、いわゆるクレームとして批判する資格はあるように思えます。
しかし一方で、アイドルとファンの間に、明確な契約がないような曖昧な関係性で、ファンが何か言えるほどのものなのかという気もします。
難しい問題ですが、ここは自分の気持ち次第になるでしょう。それでも推しを応援し続けるもよし、推しに失望して推しから離れるもよし、ただこの場合、重要なのは、これまで推しに楽しませてもらったことは事実なので、そこは忘れたくないものです。

自分の判断としては、状況にもよりますが、まぁ、幻想というゲームだしなと思って、応援し続けるでしょうね。多少、モヤモヤする気持ちがあっても、先ほど見てきたような理由でのモヤモヤとわかっていれば、対処は可能ですし。
怖いのは、このモヤモヤを解消できないことで、推しに暴言をぶつけてしまうことですね。そもそも仕事の失敗とはいえ、たしかにその性質上、一回の失敗が大きく影響するものの、たった一回失敗しただけでそこまで怒るのは見方を変えれば、厄介クレーマーになってしまっているとも言えます。

(先述しましたが、推しがアイドルである場合、と場合分けした理由はこれです。推しがアイドル路線でない歌手やVtuberである場合、そもそも売っているものが幻想でない、あるいは、幻想であっても恋人がいないという幻想を売っているわけではないので、そもそも炎上にすらならないケースが多いでしょう。ただ、アイドル路線で売っていないくても、最近(?)は、勝手にアイドル化されてしまうことも多々あるので、もはや何がアイドルで何がアイドルでないのかはよくわかりません)

☆これに関して、アイドルとは何か、ファンとは何かという話を補足としてしたかったのですが、話が脱線して長くなり過ぎるので別のnoteに補論(?)として載せておきました。興味あればどうぞ…。

まぁ、色々ごちゃごちゃ言いましたが、ⅰ推しを全肯定する意見に対する自分の判断をまとめると、
○推しを全肯定するという立場に基本的には全面的に賛同
○ただ、推しに責任があるような炎上は擁護しない
○推しがアイドルで炎上がスキャンダルの場合、ファンとして、また顧客としてファンはモヤモヤしがち
○そんな場合でも、そのモヤモヤを言語化して、攻撃的にならずに、推しを応援しても、しなくてもいい。
○まずは冷静に
ということでしょうか。

よく見かける意見の二つ目として、
ⅱ.推しを揶揄するツイート
炎上があった場合、界隈の内外から推しや界隈を揶揄するツイートが散見されます。

界隈の内側からの場合、炎上に対して動揺したファンだったり炎上に対して呆れたファンからのもので、前者はまだしも後者に関しては詳しいからこそ、本質を突いた指摘、揶揄である場合が多いでしょうから、これを見るのはかなりきついものがあります。

最もよくみる指摘としては、『なぜちゃんと隠し通せなかったのか?』というもので、これは内外から出てくる指摘です。
これに関しては、確かに、アイドルという仕事をしてる以上、隠し通せなかったということは過失になり得てしまいます。
まぁ、これはお金を払ってる人からすれば当然の言い分なので、そうなのですが、やはり好きな人を悪くいう言葉は心にくるものがありますから、とにかく見ないとこが賢明です。『隠す』とか『隠し』という言葉をミュートしましょう。もはやこれしかない。
一方で、今回の件のような事故や人間誰しもやってしまいがちな不注意でそういうことが露見する場合もありますから、強い言葉でそれを非難するのはやめた方がいいでしょう。
第一、アイドルという職業上、こういうスキャンダルはアイドルにとって大打撃、あるいは致命傷になりますから、文字通り必死に隠し通す必要があることを考えると、24時間365日ずっと気を張り続けることになります。かなり心身共に負担のかかる仕事だなとつくづく感じるので、そういった事故や不注意は99%を隠し通していた中での1%であることを認識したいものです。

次にある揶揄として、いわゆる『V豚』に対する揶揄です。炎上に嘆くファンや推しを全肯定するファン、推しに意見するファンなどなど、どのファンも槍玉になり得ます。
よく揶揄されているのは、V豚の盲目的な気持ち悪さや空虚な存在であるアイドルに対して、うつつをぬかし、それしか見えなくなっている部分でしょうか。
盲目的な部分に関しては、先述したようにダメなものはダメとちゃんと切り離すべきと述べたので、その点に関しては的を射た内容ではありますが、自分にとって大切な人が大変な状況にあってそのことに慌てて茫然としている様子を見て揶揄するのもおかしなことだし、常に冷静にいろというのも変な話なんですよね…
そういう、上から目線で揶揄している人たちに、不利な立場を強いられているファンが何か言い返しても冷笑の立場を貫かれるだけでしょうから、言い返すのは徒労に終わるだけなのでしない方がいいでしょう。

推しという、いわば赤の他人の炎上で衝撃を受けるのは、その人が自分の精神的な支柱になっていたり、推しとファンという信頼関係を持っていた相手ですから、炎上という形で、その関係にヒビが入ったり、支柱がぐらぐらになっている以上、ダメージを受けるのは当然です。
そういう時に、SNSで憶測とか噂程度の情報が氾濫すると、今までだとそんなものを跳ね除けるくらいの信頼関係とか防御力とかがあったはずなんですが、ダメージを受けている状況では、それも叶わずそれらの情報を信じてしまい、ダメージを増幅させたり、推しに敵意すら感じてしまうこともあるでしょうから、まずは落ち着くまで情報を断つことが重要です。
揶揄してる人は、弱ってるひとに酷いことを言ってストレス発散したいだけの人ですから、誹謗中傷が言えりゃそれでいいのです。そんなバーサーカーの手によって、推しに敵意を持たされるのは少し怖い出来事ですね。
防御力が回復するまでは、一旦、色んなものを休憩して、そこから情報を摂取しましょう。冷静になってから、推しに対する自分の気持ちと正直に向き合って、推し続けるか、推しをやめるかを決めたほうがいいでしょう。


④新たに出てきた情報や憶測
炎上から日が経つにつれて、さまざまな情報、憶測が出てきます。
今回の場合は情報漏洩など色々とあったので特殊な状況ではあったものの、本人や関係者からのリークを発信する人たちなどが情報、憶測などを大拡散しますから、それに従って、また憶測も指数関数的に増えていきます。
また、それに伴い、意見や気持ち、揶揄ツイートも大拡散されていきますから、地獄みたいな状況になっていきます。

基本的にはそういった情報、憶測に関しては信頼しないことが一番ですが、かといって、推しや運営からちゃんとした声明が出るわけでもないし、また声明が出たとしても、スキャンダル関係でちゃんとした声明が出ることもないでしょうから、インフルエンサーが出した、唯一ともいえる情報源に飛びつきたくなるのもわかります。
こういった情報源に飛びついた結果、ファンはどうなるかというと、更なる情報を求めて、バーサーカーと化すわけですね。
そもそも、ファンは推しからの供給がなければ、ひとりで悶々とするしかない推しの奴隷ですから、そもそも推しの情報に飢えているわけです。
そのため、そういうリーク屋みたいな人の出す、出どころ不明のよくわからない情報を見たところで、推しからの供給を求める心は満たされませんから、よりその飢餓感を増長させてしまうばかりです。

ただ、推しがちゃんとした説明をするか否か、また、推しのその説明で自分が納得できるか否かはまた別の問題なので、こう言った場合の推しの供給によっても満足できない場合は往々にしてありますから、地獄です。
こうなると、推しを辞めるという選択肢、決断を持っておくことが重要になると思います。

こういった炎上で見たくなかった現実を見てしまったわけですから、どうせならその勢いで推しを一旦嫌いになってみることもいいかもしれません。一度、推しのこういうところは好きでこういうところは嫌いというのをメモに整理してみましょう。今まで全肯定してきた推しの嫌な一面もちゃんと受け入れることで、より推せるという場合や、嫌いな一面を知ったから推しとの距離を取るということもできます。
つまり、炎上したことで出てきた推しへの嫌悪感を使って、推しとの距離感をいまいちど、測りなおそうということです。
ちょっとした嫌悪感も許せない場合、ちょっと推しとの距離が近すぎる証拠です。推しをホーム画面やアイコンにしている場合、変えましょう。部屋にある推しグッズを減らしましょう。とにかく、推しが目に入らないようにします。そうすると、次第に推しのことを考える時間も少なくなってくるようになります。
そうならない場合は、別の推しを見つけるのではなく、推し事とは関係のないことを始めたり、熱中しましょう。例えば、この際、部屋の模様替えとか、溜め込んでた本なりゲームなり、アニメなりを見たり、外出して、公園を散歩するのもいいでしょう。
そうやって、推しを忘れてしまえるくらい距離を大きく取ったところで、推しのことを思い出さなければそれが適切な距離だし、もし思い出したなら、そこから少しずつ推しとの距離を縮めていき、嫌悪感が出ない距離まで近づきます。
こうやって推しとの距離感を改めましょう。

⑤推しの謝罪や休業に関して
このnoteを書いてるうちに、今回の事件は、Vtuberさんのクビという形で幕を閉じ、そして、中の人がすぐに転生(今回は中の人として)を行ったことやその発言からまた炎上することになりました。
今回のように、全てが悪い方は悪い方へ流れていくのは、頻繁に起こることではないと思いますが、最悪の場合はこんなことになるんだという良い反面教師というか、そういう意味では良い事例だったのだと思うことにしましょう。

一旦、普通の炎上の場合を考えていきますが、炎上が進んで、推しや公式から声明が出て、休業になることも多々あるでしょう。
先述したように、推しや公式からの説明は納得できる場合は少なく、曖昧に書いたりすることも多いので、納得できん!もっと詳しい説明を!もっと謝罪しろ!という場合もあるでしょうが、これはもう公式の供給なので、もはや致し方ない…。
これに関してはもう、公式説明ってそういうもの、と思う方がまだ精神衛生上いいと思います。会社としても全部説明するなんてそもそもできないでしょうし、隠さないといけないこともあるでしょうから、状況整理としての公式発表程度に思うのがいいでしょう。何が正しくて、推しは何を言っているのか、それを確認するために見ることにはなりそうです。

また、公式発表で知ることとしてはもう一つ、どういう処分が下ったのかです。処分といっても罰といよりも、どういう判断になったかくらいの意味ですが、推しが休止するのか謝罪配信してから通常運転で行くのか、辞めるのか、色々です。
先述しましたが、推しとの距離感を改めるのにこの休業は使えるので、休業してくれる分にはまだいい処分だと思います。多分、2〜3ヶ月くらいですよ。
通常運転となると、気分や距離感を変えられないまま推し事がまた始まるので追いつかない人もいるでしょうから、やはり見ない選択肢を取るのがいいと思います。あえてブロックしてもいいかもですね。とにかく見ない。

さて、問題は解雇ですね。
解雇ということは、もう推しからの供給がなくなるとことですから、ファンにとっては死そのものと言えます。
解雇されても、無事転生した場合、供給の種類だったり色が変わるものの、供給自体はまだ存続するので、あまり問題はありません。
ただ、供給されるもの、の違和感が残り続ける場合は、今まで推しを見ていた見方を続けるのではなく、別の見方を取る方がいいと思います。転生の場合、推しのキャラや活動方針も変わってくるでしょうから、そこに対応する必要が出てくるので、違和感が出るのは当然ですし、それによってもう応援できなくなるのも当然でしょう。

さて、転生しなかった、あるいは転生先を見つけられなかった、あるいは、転生先に違和感があった場合です。
こうなった場合、いわば失恋と同じようなものなので、この推しへの気持ちにケリをつける他ないでしょう。もちろん、すぐにやり始める必要はないでしょうが、気持ちにケリをつけることは重要です。
だらだらと気持ちを引きずったままだと、仕事や趣味、他の推し事に影響が出ますし、なにより、推しに限らず、その燃えきらない気持ちが別の悪いもの、敵意や怨念に変わることの方が心配です。その気持ちが自分を頑張らせる気持ちへと転換できるのならまだしも、自分の中で溜まっていき、ストレスや暴力暴言へと変換されて、バーサーカーになってしまう可能性もあります。
なので、形式的にでも、その気持ちに区切りをつけて、ちゃんとその燻った気持ちを消化する、死なせてあげることが重要になってきます。葬式というと比喩っぽいですが、まさに葬式とは、故人との関係に死という事実をもって区切りをつけるための儀式です。死を受け入れるための儀式です。
重要なことは、葬式をもって推しへの気持ちの死を確認したとしても、推しから今までもらったものが消えるわけではないので、そういったものは押し入れにしまったて、数年経ったら思い出になるようにするか、ゴミ箱に入れるのもいいかもしれませんね。

さて、これは普通の炎上の場合ですね。
今回のような泥沼劇の場合、どうするのかです。

今回の炎上がこんな泥沼になったのは、情報漏洩云々の部分と解雇処分が下ったあと、すぐに転生した云々の部分かと思います。
正直、こんなことそうそうないと思うので、どうしようもないと思うのですが、もし仮にこう言ったことが再び起こった際の心構えとして残しておきます…

情報漏洩云々に関しては、社会人としても普通に生きていく上でも信頼関係を壊す行為ですから、これは擁護できないところでしょう。擁護できる場合となると相当程度そうせざるを得なかった理由がなければ駄目でしょう。今回はそれには該当しなさそうです。
推しがこういう社会的にも駄目な行為をしてしまった場合、先述したようにそれを指摘することは推しとファンとの関係の健全化のためにも必要ですし、その自浄作用がある界隈であると外部に知らせるというためにも必要ではあります。
ただ、いざそうなったときに自分が推しを指摘するツイートがどんな意味を持つのかを考えると、軽々とできることでもありません。
まぁ、指摘するのにわざわざ強い言葉や誹謗中傷に値する言葉を使うのは論外としても、例えば、1ファンに過ぎない自分が指摘しても、そもそも事務所や周りから言われてるはず、と考えるとわざわざファンがいう必要あるか?とも思います。
これは、自浄作用がある界隈としてのアピールとして指摘ツイートをする意味があると反論できそうですが、その他にも、そもそもネットに大量の指摘ツイートがある以上、そこに自分のツイートを投げ込んでもあまり意味はないし、またいたずらにそういうツイートを増やして、推しの精神を壊す加担をしたくないという点もあります。(まぁ、外部にアピールと言ってもあんまり意味ない気もします)
自分がやらなくてもみんなそういうツイートを考え無しにしてますし、推しがエゴサすりゃ、否応なしにそういう反応を目にするでしょうから、あえて自分がそこに加担する必要もないとも思えます。
炎上と誹謗中傷はもはやニコイチみたいなところありますし、誹謗中傷の先にあるのは、自殺か訴訟か泣き寝入りかです。ちなみに、泣き寝入りの後にあるのも自殺です。
こうなると、ファンとして考えたいのは、炎上→推しが自殺してしまう可能性です。

推しに限らず、よく知っている人が死ぬこと、特に自殺することはとんでもないダメージを引き起こしますから、これは絶対に避けたい。
となると、このような炎上の際は特に、誹謗中傷にならないツイートでも、それに並ぶような強さをもった言葉の暴力として推しを襲いかねませんから、そう考えると指摘一つするのも繊細になるべきです。
そもそも、ファンと同様かそれ以上に推しは混乱しているでしょうから、そんな状態の人に何言っても冷静にその指摘を反芻することは困難ですし、ファンの言葉とは言え、炎上の当事者として顛末を知ってる推しが、ネットで拾える程度の、しかも憶測を大量に含んだ情報程度で指摘されても反発する気持ちを持つだけでしょうから、謝罪配信なり動画なりが出たタイミングや休止を発表したタイミングなど、推しもファンも冷静になれているタイミングで指摘するのが一番効果的ですし、精神的にも大きなダメージはないでしょう。(ただここでの指摘も、その言葉づかいが柔らかいものでも、数が大量にあれば推しを苦しめかねないので、慎重ではあるべきです)
これは、推しを殺さないためであり、また、推しを殺した殺人者の一部に自分がならないための方策です。

また今回、当該Vtuberさんに対して、幼稚とか社会性がないとか、他にも目を疑うような暴力的なツイートを見かけましたが、事情を詳しく知らず、その人とちゃんと喋ったことがないのにも関わらず、よくそんな人の内面をわかりきったような言葉が吐けるなと思います。
こういった言葉や、推しに対して失望した、とか、こんな奴をまだ追ってるファンに吐き気がするとか、ファンだった人が並べる言葉もありましたが、それも控えた方がいいでしょう。どうせするなら、本人が見れないように本人をブロックしたのちにするべきです。本人が最低な人間だった、だから、何言ってもいい、傷つけてもいい!と思うのはバーサーカーになっている証拠です。あくまでも、加害者にならないように。

今回、解雇後、すぐに転生をすることになりましたが、そんな当人に対して、なんて恥知らずなんだ!という趣旨のツイートもありました。
これに関しては確かにそういう面はあると思いますが、一方で、向こうも生活がかかってるでしょうし、仮にもファンという大きな数字を持っている人である以上、話題になっている今、転生しない手はないでしょう。かなり合理的な判断と言えますし、生きていくためには当然の判断とも言えます。
それをよく思わない人は多いでしょうし、自分の推しがその選択をした場合、まだ自分が推し続けているなら、嬉しい反面、毛嫌いする気持ちもあるでしょうから、推しが思っていた人とは変わってしまった以上、こちらも付き合い方を変える他ありません。
自分がもう推し続けられないのなら、それは、その合理性への理解よりもその判断をしてしまった推しへのイメージの悪さが勝ってしまった結果でしょうから、まだ推しが好きという気持ちと突き放したい気持ちが混在している状態です。
これを解消するためには、時間をおくことが1番簡単な方法でしょうし、先述した葬式を開くのもそうですし、荒療治として、変わってしまった(ように見えるだけなんですけど)推しをあえて見にいくことで、嫌いのパラメータを振り切らしにいくという方法もあるかと思います。それでまた好きになったら、それはそれでいいんじゃないですかね…
転生した当人にまだファンとして応援してるファンのことを養分と揶揄する人もいましたが、そもそもファンなんて全員養分なんですから、ナンセンスですね。ファンだって推しは究極的には養分でしかないですから。


○まとめ
このnote、かなりゆっくり書いていたのでここまで書き終わるのに、まさか解雇になるとは思ってもおらず、休止でことが終わるかなと思っていました。
以前にも、あるVtuberさんが詳細はわからないものの、ルール違反をした由で、解雇になったことがあり、自分としては、今回の件で2回目の解雇騒動です。
幸いというか、どちらもめちゃめちゃよく見ていた推し、というわけではなく、ちゃんと推してた人たちに比べれば、ダメージも大したものではないのですが、それでもこのダメージ量なので、ファンの人たちの心中は察するに余りあります。
ただ、その一方で、その気持ちの大きさゆえに、バーサーカーとなって、暴言をぶつけるしかなくなったような人もよく見かけたし、他にも揶揄する人、大喜利する人、まとめを見て憶測を述べる人などなど…地獄のような場所になっていました。
明日は我が身ではありませんが、いつ自分の推しが同じような炎上の当事者になり、いつ界隈がバーサーカーだらけの地獄に化すとも知れません。またその際に、自分がバーサーカーにならない可能性もないとは誰も言い切れないでしょう。
そんな時に、こういった虎の巻みたいなものがあれば、なんとか乗り切れるかも、少なくとも、誰かを傷つけずに冷静になれるかも、と思い、このnoteを書いてきました。

最後にまとめておくと、推しが炎上した場合、
○冷静になる
○まずはSNSを断つことがなによりも賢明である
○SNS上の煽りや揶揄、ファンの気持ちや意見、大喜利ツイートには反応しない
○推しと別れるという選択肢を持つ
○推しとの付き合い方を見直す
○炎上の先にある推しや自分の死を意識する
○殺人者の1人にならない意識をもつ
○推しとファンは曖昧で複雑な一方的な関係である
というところでしょうか。

書き忘れたところやここは書き直した方がいいかも、というところはまた随時追記していくことになると思います。また補論の方にも色々書いているので、そこも併せて考えるとわかりやすいかもしれません。

長文駄文につき失礼いたしました。

おわり。


追記①
『当該Vtuberさんを推してたファンが転生した中の人も推してるのはやばい』という旨のツイートを見かけたので、それについて。
ここで使われている、やばいの意味が色々あると思うので、場合分けが必要と思いますが、まずは中の人は、行いや言動がおかしい人なのだからそんな人を推してるのはおかしい、という意味の場合を考えます。
この場合、まず大きなお世話と言えます。そもそも自分の生活を切り売りするような配信者が、変でおかしくない人であるはずがないので好きな配信者がいる時点で同じ穴の狢です。
また、実際、世の中を見てみると、真面目で何の変哲もない人よりも言動が変でおかしな人の方が魅力的で人気を獲得してることが多いと思います。波乱を呼ばない凪みたいな人も確かに人気は出るでしょうが、大きくリアクションをとり、波乱を呼ぶような、問題点を持っている人の方が注目もされやすい傾向にあると思います。
今回の場合は情報漏洩等あって、社会的に許容される行いでなく、半ば犯罪者のような人間を推すのはおかしい奴だ!という反論もあると思いますが、まぁ確かにそういう意味では、どこかずれてる部分も持ち合わせてはいるのでしょうが、残虐な行いをした悪役にさえファンがあることを考えると、大した問題ではないかなと思います。
次に、そのVtuberが好きだったくせにその人が辞めた途端、中の人を推し始めるのはおかしい!という意味の場合を考えます。
これは意味合いとしては、Vtuberというキャラが好きだったんじゃないのか!中の人とVtuberは別物だろ!という意味合いも含まれているように感じます。
実際、Vtuberと中の人に関しては、このnoteでも、Vtuberのキャラと中の人は違ったキャラ設定になっているはずだ、と述べてきましたが、一方で、Vtuberと中の人は切っても切れない関係でもあります。
昔、とある人気4人組Vtuberがいましたが、種々の都合で中の人が総入れ替えになったことがありました。この際に、仮にVtuberと中の人が完全に別物であれば、中の人が入れ替わったとしても人気は続いたと思いますが、そうはならず、それ以前はYouTubeで見ない日はないようなグループでしたが、これ以降、話題にすら上がらなくなっていきました。
また、黎明期を支えたVtuberの中の人が複数人になった際も大きく炎上しました。
これは、Vtuberと中の人が切り離せない関係であることを示している一例です。中の人が変われば、同じ外見でも全くの別人になるわけです。これは、アニメキャラクターの声優さんが変わってもそのキャラクターのキャラ性が担保されることとは真逆の現象です。
(ちなみに、このような中の人に依存しないVtuber、いわゆるアニメキャラのような存在をCtuberと呼んだりもします。今も生きてる概念なのかはわかりませんが、かなりわかりやすい概念です)
今回のVtuberさんも、実際、こういうキャラ設定というものはあったでしょうし、中の人もその設定に従って、自分なりの配信スタイルを構築していったと思われます。しかし、一方で配信全てに台本があったとかそういうわけではないでしょう。それなら、配信慣れしている人をわざわざ雇う必要もないでしょうし。
中の人の、Vtuberとしての活動が長くなればなるほど、Vtuberは基本的なキャラ設定等は残しつつも、中の人のキャラに染まっていきます。
ゆえに、Vtuber特有の、初配信時と今の違い、という動画やそれを見返す配信が話題になっているのもそのせいですし、語尾や一人称からキャラ性が抜けていくのもそのことが要因でしょう。
Vtuberとは、基本的なキャラ設定の中で自由に中の人がキャラを構築していくものなのだと思います。

そう考えると、当該Vtuberに限らず、Vtuberと中の人というのは、その二つは完全には一致しないものの、こっちからVtuberのキャラでこっちからは中の人のキャラと分別できるようなものでもないと言えます。
むしろ、その両輪で進めていくのがVtuberの醍醐味ですから、Vtuberと中の人が完全に同一、あるいは、切り分けられると考えるのは、少しずれている気がします。
(ただ、当該Vtuberさんがいた事務所はVtuberモデルを用いたアニメも作成しており、そういう意味では、VtuberとCtuberが混ざった存在であったとも言えそうです)
つまり、そのVtuberのファンは、そのVtuberを見て、知るのと同時に、中の人をも見て、知ることになるわけですから、そのVtuberがいなくなった時に中の人を推し始めるのは、ある意味、自然の流れのように思います。
ただ、先述した通り、その二つが完全に一致するわけではありませんから、違和感が拭い切れない場合も多々あるでしょう。

それと、こういう現象ってそもそもよくあることだと思っていて、例えば、アニメをみて、あ、この声優さんの声いいなって思ったら、その声優さんの出演作を他にも色々と見ていくことがあると思います。その中で、声優さん自体に関心が出てきて、声優さんのSNSや声優さんとして出ているラジオなどをチェックするようにもなることは、特段、おかしなことではなくなってきていると思います。
これと、推しVtuberが辞めてしまったからその中の人を推す、というのは構造としては同じ話のように思えます。ただVtuberの方は、まだ歴史が浅すぎるだけで、Vtuberがキャリアアップのために転生を繰り返すことが当たり前になっていけば、こういうのも声優さんの話と同じ感覚になっていく気もします。

私としてはこのツイートの指摘は、それほど"やばい"ものではなく、むしろそうなるのも自然なことかなと思います。Vtuberを見て、その全てがキャラ設定で台本が全部ある、というのは無理があるように思いますし、大体、毎日配信やるのに毎日分の台本用意させるのは財政的にもだいぶ狂った計画です(加えて、10時間とかそこまで行かなくても長時間配信することがよくある人たちが毎日、全部の台本を覚えてるとは到底思えません。)
多少、こういう流れで、みたいなものはあってもおかしくありませんが、そこをどう埋めていくかは、中の人の力量次第ですから、Vtuberというキャラを通して中の人の配信を見ているのが、Vtuberというものなのだと思っています。
また長くなりましたが、一旦追記①はこれでおわります。


追記②
とある切り抜き動画でこういうことがありました。

あるVtuberさんが筋肉痛である旨をツイートしたところ、それを引用する形で、彼氏と云々という揶揄コメントをした人がいたらしく、それに対して、めちゃめちゃ怒って、同居人である友人を配信内で紹介した、という内容です。

Vtuberさんは、あらゆるものを恋愛に結びつける恋愛脳的な部分や、同居されてる友人のことを結果的に馬鹿にしているような内容に対して怒っていたのですが、めちゃめちゃ真っ当な怒りですよね。
しかも友人の方を配信に出すという方法でファンに、ある意味、証明させられた(どっちかといえば、今後何か言われるの面倒だから今ここで宣言しとく感の方が強そう)わけで、ある意味、全然このVtuberさんを信用してないとも言えそうです。

さて、ここで問題にしたいのは『ファンのアイドルに対する恋人いじり』と『アイドルの恋人の不存在証明について』です。

まずは前者から。
今回Vtuberさんが怒った件もそうですが、ことの発端は、当該ツイートをしたファン(?)です。
この人がファンかどうかについては議論してもしかたないのでそこは割愛しますが、一方で、こういった風に、ファンとして応援してるアイドルに恋人がいてほしくないと思ってるのに、恋人と〇〇したんだろ、とか、恋人がいないなんて寂しいなぁみたいないじりを自分からしちゃうファンってたまに見かけますよね。

これは結局、『アイドルの恋人の不存在証明』にも関わってくることですが、こういったファンがしてることって、付き合ってるカップルが互いに相手に抱く不信感と同じようなことですよね。

アイドルがファンに対して見せる幻想は、『自分の好きな人が自分を好き』という擬似的な恋人関係をつくる場合が多く、もっといえば、処女性とか純潔さに惹かれる場合も多くあるでしょう。
そういった中で、アイドルはファンに恋人がいることを隠し、またファンも隠すことを求めます。またアイドルに恋人がいることは暗黙の了解として忘れられているわけです。
しかし、ファンからすれば、この暗黙の了解が壊され、恋人がいることが隠せなくなってしまうことは幻想が破壊されることに繋がりますから、アイドルとファンのこの関係性というのはとても不安定で、常に壊れる可能性を孕んでいるわけです。
となると、この不安定さに対して、いつ壊れてもいいように、先んじて、ファンはアイドルに対して、どうせ恋人がいるんでしょ?とか恋人いじりをして、恋人の不存在証明をさせている、のでは?と思うのです。

こういった質問をされたアイドルとしては、『恋人なんていないよお〜』とか『君たちが恋人になって〜』などといった答えになることは決まってますから、こういった茶番劇をある種の確認行為として行っているように見えるのです。

こういったことは、ファンにとっては大切な問題だとは思いますが、一方で、アイドルからすれば『恋人の不存在証明』を延々に、また定期的に繰り返し続けねばならないという宿命や重荷にもなりえると思うのです。

今回のVtuberさんのように、友人が配信に出てきて証明をする(させられる)ような場合、確かに友人が出てくるわけですから、ファンへの恋人不存在証明としては確かなものになりえますが、一般的に、特定のものがないことを証明するのは悪魔の証明といわれ、困難の極み、ひいては不可能な証明です。

こういった悪魔の証明の証明責任を持ち(待たされ)、かつ、証明責任を定期的に果たしたとしても、常に信頼してるファンから疑われ続けるというのは、かなり疲弊することですし、なにより気を使い続けるというのも精神的にも体力的にも厳しいものだと推測できます。
まぁ、そんなに苛烈な追及が常にあるわけではないでしょうが、それにしてもキツそうです。

アイドルには悪魔の証明を課す一方で、ファンにはそういった決まりがありませんから、ここでもまた非対称的な関係があるわけですね。この非対称性はまぁ当然と言えば当然なわけですが、この非対称性をファンがちゃんと理解してないと、今回の件のように、不存在証明を無意識に強制させることになりますから、少しでもアイドルに負担与えたくないなら、こういった発言を直接アイドルするのは止めた方がいいだろうと思うのです。

まとめとして、ファンって付き合いたてのカップルみたいに、相手に対して不信感があって、それをどうにかしたいがために好意の確認行為として恋人いじりをするのではないか、ということと、それに関連して、アイドルは常にまた継続的に恋人の不存在証明を求められ続ける、ということを述べてきました。

今回の件に関して言えば、筋肉痛が〜という旨のツイートをみて、恋人と云々と言うのは、あまりにもコミュニケーションエラー的な認知の歪みですし、過剰な確認行為とも言えます。
こういった類の不安は、現実に付き合ってる人同士ならまだしも、生身でなく、また付き合ってすらいないアイドルとファンの間では、解消するのは困難というか不可能です。
そのファン側にしかない不安感をアイドルを問い詰めて解消しようとするのはわがままでしかないように思いますし、またアイドルに委ねても解消なんてされません。されたとしても一時的なものに過ぎないのです。
その不安感は、自分の中で解消されるしかないですから、それこそ、アイドルと自分(ファン)の関係を見つめ直して、なぜ不安感があるのか、なぜそれをアイドルに問いただしてしまうのか、とか、不安感の根本、自分の中にあるなにかを見つめ合って、探してみるしかないように思えます。


他人のファン道に口出しはしたくないのですが、あまりにも過剰な処女信仰をアイドルなり女性に持つのは、生きづらさの原因にもなりかねませんし、アイドルに対して負担を与える原因にもなりかねませんから、軌道修正されることを望んで、追記②の締めとします。


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