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いつだって想い出を作るときには
小学校のとき、はじめて買ったアルバムは、安室ちゃんの「SWEET19BLUES」だった。
19歳になったら、私もさみしさを感じながら街をさまよう夜が来るのかもしれないってふんわり思い描いていた。
いつか私も小室哲哉の描くような愛や恋を知り、いつか彼の歌を気持ち良さそうに歌う歌姫たちのように夢を見つけ、叶えるのかなって。
その後、大学生になる頃には、
夏になったら「survival dance」ではしゃいで、秋になったら「White key」探しはじめて、冬になったら「I Believe」を聴いて。
春になったら「BE TOGETHER」を口ずさんで、片思いに悩む夜は「DEPERTURES」に浸って、疲れた帰り道は「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」に耳を傾けながら車窓の景色を眺めて、前向きになりたい朝は「Don't wanna cry」を歌った。
もはやその音楽は季節や想い出や気持ちを表す言語にすらなるくらい、沁み込んでしまっているのだ。
たくさんの生きづらい人たちをたくさんの彼の音楽が救ってくれたのに、彼が生きづらいときに誰も何もできないなんて。
何もできないので、あの音楽の数々に改めて耳を傾けてみた。
やっぱりそこにはたくさんの愛や自由や強さがあって、あのとき聴いていてよかったって音楽ばかりで。
あのとき、この音楽たちと共に乗り越えた経験があるから、明日もがんばれるんだって気づいたのです。
それは紛れもない事実なのです。
明日は雪が降るんだとか。
街には「寒い夜だから」を口をつく人が増えることでしょう。
“寒い〜夜だから〜あなたを待ちわびて〜”と、リズムに乗って。