ウィンナーとピーマンと希望の轍。
どの家にも朝ごはんの定番というものがあると思う。
我が家で言うとウィンナーとピーマンを炒めたものがそれだった。
その料理には名前があるなんて知らないまま、小学生の頃の私は眠気まなこでそれをつつきながら、めざましテレビから流れる「希望の轍」に耳を傾けていた。
それから四半世紀。私は彼らと再会することになる。深夜の南青山の地下のバーで。
「希望の轍」ではなく、名もなきウィンナーとピーマンに。
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その夜はというと、永田町で仕事が終わったあと半蔵門線に乗り青山一丁目のバ