図書館で学ぶ Embedding、Chunking、Reranking の仕組み(自分用)

図書館で「恐竜」について調べたいとしましょう。でも、たくさんの本の中からどうやって目的の情報を見つけますか?ここで役立つのが、Embedding(エンベディング)、Chunking(チャンク化)、Reranking(リランキング)という技術です。

1. Chunking(チャンク化)— 文章を分ける

分厚い本を最初から最後まで読むのは大変ですよね。そこで、本を「第1章:恐竜の誕生」「第2章:肉食恐竜」「第3章:草食恐竜」といったように章ごとに分けます。これが Chunking です。長い文章を意味のある小さな単位(チャンク)に分割し、情報を扱いやすくします。

例: 「恐竜」に関する長い文章を、「恐竜の定義」「恐竜の種類」「恐竜の絶滅」といったトピックごとに分けるイメージです。

2. Embedding(エンベディング)— 言葉を数字にする

次に、各章の内容をコンピュータが理解できるように数字で表します。例えば、「第1章:恐竜の誕生」を「10番」、「第2章:肉食恐竜」を「25番」のように数値化します。これが Embedding です。言葉や文章を数字の列(ベクトル)に変換し、コンピュータが処理できる形にします。

似た内容の章は似た数字になります。例えば、「肉食恐竜」と「草食恐竜」はどちらも「恐竜の種類」に関する内容なので、数値も近くなります。

3. Reranking(リランキング)— 関連性の高い情報を見つける

あなたが「ティラノサウルスの特徴」について知りたいとします。まず、その質問を Embedding して数値化します。例えば、「30番」になったとしましょう。

図書館の各章も数値化されているので、「30番」に近い数字の章を探します。これにより、「ティラノサウルスの特徴」について詳しく書かれた章を見つけやすくなります。

さらに、見つかった複数の章を関連性の高い順に並べ替えます。これが Reranking です。検索結果を最適な順序に整理し、求めている情報に素早くアクセスできるようにします。

まとめ

  • Chunking: 長い文章を意味のある小さな単位に分ける。

  • Embedding: 文章の内容を数字(ベクトル)に変換し、コンピュータが理解できる形にする。

  • Reranking: 検索結果を関連性の高い順に並べ替える。

これらの技術を活用することで、膨大な情報の中から必要な情報を効率的に見つけることができます。まるで図書館で目的の本を探すように、コンピュータもあなたの質問に最適な答えを見つけてくれるのです。


さらに理解を深めるための基本的な処理

1. Tokenization(トークン化)

文章を単語や句読点といった最小単位(トークン)に分割します。例えば、「私は猫が好きです。」は「私」「は」「猫」「が」「好き」「です」「。」というトークンに分けられます。これは、コンピュータが文章を理解するための最初のステップです。

例: 音楽の楽譜を一つ一つの音符に分けるイメージです。

2. Stemming/Lemmatization(語幹抽出/見出し語化)

単語の活用形や変化形を基本の形に戻します。例えば、「走った」「走ります」「走ろう」はすべて「走る」に統一されます。これにより、同じ意味の単語を一つにまとめ、検索の精度を上げます。

例: 「食べる」「食べます」「食べよう」をすべて「食べる」に統一するイメージです。

3. 品詞タグ付け(Part-of-Speech Tagging)

各トークンに名詞、動詞、形容詞などの品詞情報を付与します。これにより、文章の構造や意味をより深く理解できます。

例: 文章中の単語に「名詞」「動詞」「形容詞」といったラベルを付けるイメージです。

4. 固有表現認識(Named Entity Recognition)

文章から人名、地名、組織名などの固有名詞を抽出します。これにより、重要な情報を特定しやすくなります。

例: 「山田太郎は東京タワーに行った」から「山田太郎(人名)」「東京タワー(地名)」を抜き出すイメージです。

5. 感情分析(Sentiment Analysis)

文章がポジティブかネガティブかを判断します。これにより、レビューやSNSの投稿などの感情的な傾向を分析できます。

例: 「この映画は最高だった!」はポジティブ、「つまらなかった…」はネガティブと判定するイメージです。


これらの基本的な処理は、Embedding、Chunking、Rerankingと組み合わせることで、より高度な情報検索や自然言語処理を実現します。

料理に例えると、これらの処理は食材の下ごしらえや調理法にあたります。それぞれの工程をしっかり行うことで、最終的に美味しい料理(質の高い検索結果や分析結果)が出来上がるのです。

他にもさまざまな技術がありますが、まずはこれらの基本を理解することで、自然言語処理や情報検索の世界をより深く知ることができるでしょう。

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