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「 返してくれるなら 愛してみせるのに 」


推しと同期に会いに行く旅に出ていた。
正しくは、渋谷でマカロニえんぴつの展示会に行って推しの家に泊まる予定で、その時に推しの友人でありわたしと相互フォローの女の子がなぜか会いたがってるから会うことになり、そしたらマカえんのチケットを取り損ね、なんやかんやあってついでに同期とも会うことになった。
ただ人に会うためだけの東京ツアーが決まった。


推しと会う前に、女の子と先に合流した。
その女の子はとってもいい子で、なぜかわたしのことをよく知っていた。推しがよく話しているらしい。同じくわたしもその女の子のことを推しから聞いていた。初めて会うのにお互いのことをたくさん知っていて、変な感じだったけど、仲良くなった。会う前に推しと仲が良いその女の子に嫉妬していたことが恥ずかしかった。
推しへの誕プレがこれでいいか不安で先に見せたら「のんのさんからもらうものならなんでも喜びますよ!」と言ってくれた。そういう感じで話されてる??
そのあと推しと合流したけど、何故か推しはその女の子も荷物を持っていたのにわたしのリュックを持ってくれた。
その女の子曰く、推しと一緒に行く予定だったフェスは他の人の誘いを断った上での了承だったらしいし、「久しぶりにこんなに気が合う人と話した」とわたしのことを言っていたらしい。
そんなこと言われたら好かれてるのかと勘違いしてしまう。
女の子が撮ってくれた推しとわたしのツーショットはお気に入りだし、推しに撮られたわたしはとっても楽しそうでかわいかった。
最後に初対面だったわたしに対して「自分を大事にしてください」と言って抱きしめてくれた。二個下と思えないしっかり具合。また会いたいし会おうと思った。

女の子と別れたあと、わたしはまた推しの家に行った。推しがパーマをかけたと言っていた。正直かける前の方が好きだと思った、同期と一緒になるからかけてほしくなかった。
推しの家の雰囲気が好きだった。自分を大事にできていないわたしたちは、またどうにもならないふたりになってしまった。家にいる時だけ恋人ごっこができた。でも今回わたしが可愛くなかったのは自分で髪を乾かしてしまったこと。「自分で乾かしたの!」って褒められたけど。
推しの家にあるシャンプーの匂いが好きだった。「値段が高いから」という理由だけで選ばれたそいつはもちろんいいやつなので髪質が良くなるのは当たり前なのだが、同じのに変えようかなと言うといつも変えなよ、買え買えと言ってくる。嫌がって欲しいのに。
推しの家に行くまでに、お客さんがマジもんのヤクザだった話をされた。「人より先に死にたい」とか言うくせにヤクザに海に沈められることにはビビっててなんだかおかしかった。いつもいるらしい猫を探したけどいなかった。

次の日は、泊まったその足で同期と会った。
同期の新しい生活のための買い物をして、お互いが好きなアニメのコラボカフェに行った。このアニメは推しは観てなくて、一緒に住んでた時から一緒に観てた同期と来れたことはうれしかった。以前より優しい気がしてちょっとさみしかった。
推しと出会ってからの同期は、推しの話はしてないけどなんとなく優しい気がする。新しい場所で新しい生活が始まり、寂しいのはあるんだろうけど、それにしても優しい。
電話もよくかかってくるようになった。でもわたしが待ってるのは違う人なんだよ。ひとりよりましなのでありがたく出るんだけども。
わたしはいつもタイミングが悪い。ちょっと遅いよ。

推しはよく愛のレンタルを鼻歌で歌っていた。
結局愛の貸し借りをしているんだと思う。本当にそうだとしたら、LINEも全然無視なので愛の延滞料が溜まりまくってるが。
会えば求めてくるし、嬉しいことはたくさんあるけど、最後の最後は絶対に止めない。「(同期)によろしくね?」なんて言うなよ、行くなって止めてよ、もっと大袈裟に欲しがって欲しいのに、だからわたしはいつまでも同期から離れられない。
推しに「君は幸せにはなれないよ」と言われて、本当にそうだと思ってしまうし、それはきみもなんじゃないの。

最終的に笑えない君も僕も踊ればいい
ずっと僕ら踊ればいい

愛のレンタル / マカロニえんぴつ

↑あえてのこっちをのせる、すきなので 

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