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社名を考える―Why “Ain’t Sheep”?
会社の創業や経営を経験し、それを最近お話する機会が増えてきたので、自分の中で整理するためにも不定期にポチポチ綴っていきたいと思います。
多くの方に、初めて会社名をお伝えすると「?」という顔をされます。
実は、自分でもたまに「言い難いな…」と思い、言い淀むことも。苦笑
特に領収書をもらうときは絶対に伝わらない。
今日は、そんな会社名のお話を。
※こちらは以前の会社ブログに載せていた記事の再編版です。
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突然ですが、このボードゲームをご存知ですか?
「Scrabble」という手持ちのアルファベット駒を並び替えて単語を作っていく欧米のゲームで、『並び替え』が名前の原点だったりします。
社名を並び替えると、一つの単語になるのですが、それはなんでしょう?
Ain't Sheep、なんとびっくり。並び替えると私のニックネームの「Stephanie」になるのです。
そもそも、名前付けについては当初、過去に聴講した起業家たちの講演で「企業名はなんでもよく、事業と関係ないけど可愛くていい易いものにした」と仰っていた方がいらして、私もそれに倣い、意味は考えず口が楽しい言葉を探そうと思っていました。(あまり名前決めに時間を取られたくなくて)
ただ、名前決めにおける1人目の相談相手にいくつかの候補を伝えると、「それでいいの?」と言われてしまいます。逆に、その人から提案を受けると「うーん、なんだがしっくり来ない」となりました。つまり、「これは適当にせず、時間をかけてちゃんと意味を持たせた名前を付けねば」と思い直したのです。(とても安易な理由で適当な名前を提案され、楽しければ何でもいい訳ではないと気づかされたのです)
では、どうしよう…と唸っていた矢先、母から「新しい会社では何をするの?」と聞かれ、脳直に「私がおもしろいと思うこと」と返したのです。(定款にはこんなこと書いてませんよ、もちろん)
この回答に、何より自分が一番驚きましたが(母の求めた回答になっていない)、ここが出発点となりました。
なるほど、どうやら私はおもしろいことをしたいようで、さらに欲を言えば他の人もおもしろがってくれたらいいな、と。
そこで「私が」を文字数の多いニックネームを使い、アナグラムで並び替えて遊ぶということを始めたのです。
とはいえ、これも結構時間がかかりまして。母音の多さが弊害となりました。
あれでもない、これでもないと5、6パターンを作ったところで行き詰まり、2人目の相談相手であるアメリカからの友人Makiちゃんに候補を送りつけました。
すると、「Ain't Sheepはどうだろうか?」とお返事をいただき、即採用して現在に至るわけです。(コロナ禍じゃなければ、飛んで会いに行って感謝したかったほど)
実は、名前の並び変え以外でもう一つ、好きなもので並び替えた候補もあって、そちらで持たせたかった意味が「一人ダイバーシティー」でした。私がこれまで転々とした生活を送るなかで、1つの視点に固執しないよう心がけていることもあって、多様性を表現したかったのです。「同種で群れるのではなく、他の動物とも仲良くしていきたい」ーそんな皮肉っぽさも含め、ストンと腹落ちした感覚は、今でも残っています。(Stephanie's の最後の小文字sをどうするかもちょっと考えたんですが、文法上正しくないものの、「私の」という意味も含んでいます。)
そんなわけで、母も入れると3人の方のお力を借りて「合同会社Ain't Sheep」という名前が誕生しました。 今のところ、「?」な顔をされた方に種明かしをすると、ほとんどの方に「おもしろいね」と言っていただくので、名前づけは概ね成功のようです。お仕事の方でも、「おもしろいこと」が提供できるよう、精進して参ります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。