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バオーの村人と山羊とシズオジの神
どーもhidekixでーす‼えー海見みみみさん企画 第一回noteショートショートフェスティバルに参加してみました
参加ついでに(◀あつかましいw)挿し絵を書いてくださるかた居ませんか?
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「パルルもオリサーもゆってたもん。
だから あたいが やったんだもん」
「おこってるわけぢゃないさ」
そう言うと クラリヌはユキィの頭を
ぽんぽんっとかるくなで
ユキィの大つぶのなみだを自分のそででぬぐった。
「だって あんよをケガしてたから・・・
ケガしたヤギはころされちゃうでしょ?
あたい そんなのヤだよう」
ユキィはクラリヌの腰にだきつき
わんわんと声を出してなきはじめた。
「だからおこってなんかないさ、でもね?
ケガをしたヤギが はたして村を出て
生きていけるとおもうかい?」
クラリヌは回りにかこまれた山々をゆびさし
さらにつづける。
「バオーの村にいるうちはヤギを
大人たちが見ていててくれるだろう?
ところがいっぽ 山に足をふみ入れてしまえば
シズオジの神のせかい。
ぼくらが かんたんには入れないことくらい
ユキィだってしってるだろう?
ケガしたままのヤギでは
3日 もたないかもしれない。
バオーの大人だって、ちゃんとてあてはするさ。
それでもダメなときに、はじめて…」
そこまでクラリヌはいうと
ユキィの眼を見つめるため 少しかがんだ。
「ユキィのやさしいきもちは宝物だよ。
大切にするといいね、これは絶対だ」
「絶対なんてバオーにはないって
クラリヌは いっつもゆってるくせに」
ユキィはぷくぅーっと、頬をふくらませた。
「そうだね、たしかにそうだ、絶対はない。
でも、それでも、
やっぱりユキィの宝物は大切なんだ、絶対(笑)」
「でもね、ユキィ
やさしさも使い方をまちがえたらいけないよ?
君はまだ7歳、これからまなぶことはおおい。
ユキィのかんがえ 宝物の使い方ひとつで
かんきょうが変わってしまうことだってあるんだ」
「カンキョーって?」
「ああ、使い方ひとつ
よろこぶ人かなしむ人がでるってことさ」
ユキィはきょとんとした。
「あたい、まちがってたの?」
「まちがいなんてないんだよ。ただね?
ケガに気がついたとき大人たちに
ひとことつたえてほしかった。
そうすれば大事になる前に
ヤギのケガを治せたかもしれない。
でも、かも、はダメだけど
まずそうだんがほしいってことさ」
「まちがってないのに、あたいおこられるのヤ」
ユキィは ますます頬をふくらませた。
「だから怒ってなんかないさ。」
クラリヌはそういうと ユキィの頭をふたたび
ぽんぽんっとなでて たちあがった
「なんにしてもヤギをそのままにしておくわけにもいかないから
あした早くにさがすとしよう」
「あたいもいく‼」
「いまのぼくとおなじ歳になったらおねがいするよ」
クラリヌは にこっとわらった
「さて、ぼくは今からあしたのじゅんびをしなきゃね
3日ほどで、帰ってこれたらいいけど」
クラリヌは大きなしんこきゅうをした
ヤギさがしの旅のじゅんびと
少人数でまほうの特性が均等になるようなメンバーも考えないとね
「だいじょうぶ?クラリヌ?」
ユキィはしんぱいそうにクラリヌを見上げ
かれの上着のすそをぎゅっとにぎった
「うん、ありがとう。ぶじにヤギといっしょにもどってこれるようにパオじぃとおいのりでもしててね」
そういうとクラリヌはユキィのせなかをおして家にかえるようにいった。