「産み方は生き方、決めるのはあなた」左古かず子さんのインタビューとスピーチより
なんて偶然だろう。でも、これは引き寄せなんだと思う。自然なお産、生理的なお産を選べる環境を守り、未来へ伝えるために、京都の助産師、左古かず子さんのTEDスピーチを紹介したい。
本人を信じて、支え、背中を押し、自立性を促す助産師のサポート
たまたま保育園で貰い手を募集していた「食べもの通信」のバックナンバー。何冊かもらってきた中に2012年4月号があった。特集の「時間栄養学」というキーワードが気になった。そちらは後日、アメブロにまとめたい。
同じ号の巻頭インタビューは、左古かず子さん。無意識で目にして手に取ったのかもしれない。インタビューでは「冷えがひどいです」「良いお産のベースは食事です」と語っている。
10年前でもうこの状況なのだから、今はどれだけ妊婦さんの身体が守られているだろう。自然にお産をしたくても、産めないほどガタガタになっているという話も聞く。
あくまで妊婦さん本人の変わる力を信じて、支え、背中を押していく左古さん。さすが1853人(食べもの通信掲載より)の赤ちゃんの分娩介助をしてきた助産師さん。本人の自律性を促すサポートが助産師の鑑だと感じる。
あるがままの自分を選ぶ――赤ちゃんとともに臨むお産
そして、このインタビューから、左古さんをネットで検索したら、TED×Kyotoのインタビュー映像につながった。たった20分だけれど、お産の動画もあり、生理的なお産に魅せられた左古さんの凝縮した言葉もあり、見ごたえ十分な、強烈なメッセージが詰まっている。
2000g未満の瀕死の状況で産婆に命を救われた左古さん。産婆から「かず子」の名をもらい、赤ちゃんの産湯やお産をたびたびのぞかせてもらい、呼吸をするように助産師さんの分娩を学んでいく。病院の出産に衝撃を受けるものの、10年勤めあげ、JICAのブラジルプロジェクトにも参加する。
それでも、何があるか、何が起こるのかわからないのがいのちの誕生。だからいのちの誕生は尊い。だから、いのちの営みを熟知した助産師に寄り添ってほしい。どんないのちも、本人の主体性と、家族や助産師のたゆまない支えによって、運命と奇跡でつながっていく。
お産は「痛い、苦しい」側面がクローズアップされて、「痛みをあえて感じなくても」と無痛分娩も増えている。でも、無痛分娩は麻酔分娩だ。麻酔のリスクはどこまで理解されているのだろう。「怖い」から入るお産は、心と体を硬くし、安産から遠のいていく。ホッとリラックスして、いかに緩めるかが安産の近道だ。それには、信頼できる助産師の伴走が欠かせない。
自分が自分であることを丸ごと受け入れてくれるお産。だからこそ、妊婦さんは左古さんにお産を任せることができる。信頼して、心身を委ねることができる。そんなお産を地域に増やしていきたい。
産む女性はもちろん、もう産み終わった女性、その女性を支える男性にも、すべての人に見て、感じて、未来にあるべきお産の環境を考えてほしい。私たちすべてのいのちは、ひとつの受精卵から出発しているのだから。
そして、私たちには「産む力生まれる力」がある。でもそれを発揮できるかどうかは、それまでの生き方もすごくすごく影響する。気づいたら、変えるとき。冷えを防ぎ、体を温め、心を温め、私たち一人ひとりがあるがままの自分を生きること。生理的なお産を支えた左古さんの言葉には、未来にも伝えていきたい智慧がたくさん詰まっている。諦めたくない。安心してお産を迎え、子育てにつなげていく、自律的で生理的なお産を選ぶ環境づくりを。
安心して産み育てやすい社会を作るため、また社会全体で子育てを支援する仕組みを作るため、サポートいただけると嬉しいです。いただいたサポートは、あいのちの活動で使わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。