多職種連携で助産の支援を実現したい――助産宿(じょさんじゅく)誕生の話
ひっさびさのnote! 放ったらかしにしすぎたnote!
最後の更新が3月16日だから――もうほぼ5カ月、手つかずだった。
その間に、書きたいことが山ほど、山ほど、山ほどできてきた。
いっぱいいっぱい、忙しかった。動いた。走り回った。
おかげで、まだなーんにも実績らしい実績はないのだけれど、あれやりたい、これやりたい、ってことと、一緒にやってくれそうな仲間を見つけられた貴重な5カ月間だった。
ついに! やりたかったことに手を伸ばした
ずっと、ずっと、やりたいことがあるのに、なかなかできなくて、もどかしい時期を過ごしてきた。
親子向けの性教育講座やいのちのお話、子育て関係の映画の上映会と、あれこれやってみるのだけれど、どうもなんか違う。
いや、それなりに、やったことに対して充実感を得られる。でも、ゴールはどこなんだっけ?と何度も何度も反芻してきた。
そんな私が昨秋から約半年間、学び続けたのがいちかわTMO講座。
千葉県市川市でNPOいちかわライフネットワーククラブと市川市が共催する、まちづくりのリーダー養成講座だった。
当初は何を発表するのか、性教育なのか、子どもの人権教育なのか、皆目見当つかないところから、何度も参加者や講師、フェローとディスカッションし、ミニ発表を繰り返し、たどり着いたところが――
助産の支援をベースとした助産宿(じょさんじゅく)だった。
ついに!ついに!私がずっとやりたかったことに手が届きそうなところまでこぎつけた。
「助産の支援」3つのポイント
助産宿は、私が作った造語だ。助産の支援をベースにみんなが集う「宿(やど)」をイメージした。まだ特定の活動場所を得ていないので、主にオンラインでのお話会や出張講座を中心としたソフトサービスの提供をイメージしている。いずれ誰もが気軽に集える場を持ちたい。
じゃあ助産の支援とは何ぞや?
それは、私が3回の自宅出産で経験した、助産師さんから受けたケアやサポートから、3つの要素を抽出した考え方だ。
出産は本当にプライベートな体験。それぞれの価値観や感覚に大きく左右されるから、その女性、その家族に合った個別的な支援を。
産前の妊娠中から産後の子育てまで、ずーっと同じ人に相談できる。何度も同じ話をしなくていい。経緯や考え方を踏まえて、アドバイスを受けられる。継続的な支援。
そして、人が本来持つ生きる力、女性の産む力、赤ちゃんの生まれる力、家族の支える力を尊重し、信じて、待つケアやサポート。生理的な支援を。
この3つがそろって、女性や赤ちゃんが主役の出産を体験すること、出産時や産前産後に女性や赤ちゃんが主体者としてサポートを受けることが、今の日本ではなかなかままならない。
私はラッキーにも自宅で出産できた。でも、たとえそれが助産院や病院だったとしても、この助産=あくまで主役は女性と赤ちゃん、その家族で、主役を尊重して、お産を助ける支援を受けられることが、女性や家庭の自立を促し、主体的な行動へつなぎ、家族みんながハッピーになる!
だから、助産宿で助産の支援を実現する。それが新しい私の目標になった。
奇跡のプロ集団!
助産宿を立ち上げるにあたって、興味関心を示してもらえそうな周囲の支援者に声をかけた。中には家族の事情や活動の方向性とやりたいことのずれで抜けていかれた人もいたけど、今、運営メンバーとなっている10人は奇跡のプロ集団だと自負している。1人ずつ紹介したい。
①現在は特定の病院に勤務しない、フリーの助産師で、訪問看護やキッズパブリックでのオンライン相談、NPO国際ホリスティック看護協会の事務局を務め、心と身体と魂、まるごと「貴方はあなたのままでまんまるだよ」を伝えてくれる、ふんわり包み込むような優しさと、本当はおしゃべりなユニークさを隠し持つ、助産師の梅澤優美子さん。
②産前産後のご家庭を出張訪問型でサポートする"産後ドゥーラ"で、中国語(初級)と英語でバイリンガルの対応も可能、女性の命と健康を守る国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)スタッフも務め、グラレコやチラシ制作も得意で事務処理もガンガン進めちゃう、とかく引き出しが豊富で、多彩な有山みよこさん。
③主に多胎児過程を中心に訪問し、保育士からチャイルドマインダー、産後ドゥーラと、子どもの成長を通じたお母さん&家族の支援経験が豊富な西公子さん。(いつもみんなの活動をきめ細やかに認めて、エールを送ってくれて、本当に助かるー!)
④管理栄養士、離乳食・妊産婦食アドバイザー、ファミリーバランスサポーターの資格を持ち、悩むお母さんたちの「かかりつけ栄養士」として、オーダーメイドの料理代行「smiful」で、ライフステージに合ったメニューを提供中の西島佑佳さん。明るい笑顔とそっと寄り添う優しさに、みんなすぐ虜になっちゃう。
西公子さんと西島佑佳さんは、NPOダイバーシティ工房が運営するフリースペース、プラットで第2・第4火曜日に産前産後カフェを地域のママたちの拠り所として開催している。
双子ちゃんや三つ子ちゃんの多胎児家庭を専門に、産後ドゥーラと管理栄養士でタッグを組んで訪問サポートする新サービス『ダブルスマイル』を立ち上げて奮闘中!(一緒に訪問サポートしてくださる管理栄養士さんを募集中!!)
⑤感染小児病棟など病院、都内公立保育園勤務を経て、現在は地元学童保育クラブにて医療的ケア児対応のパート勤務をする大内桂子さん。小児科医真弓定夫先生から自然流育児等を学び、量子レベルで赤ちゃんとコミュニケーションを取るクォンタムバースや、足指から潜在意識を読み解くトウリーダー、耳ツボ音叉、足の圧で身体の循環を整える楽健法にクリスタルを取り入れた施術・足玉(たるたま)と、多彩な側面からのサポートが可能。
⑥産前産後セラピストの阪上裕子さんは、何種類ものハーブを布で包んだハーブボールを使った東南アジアの伝統医療の施術が得意。産前産後の日本人女性の身体に合わせてアレンジした施術やワークショップをアンカー市川で行っている。病院のお産と助産院でのお産を経験し、女性に本来備わっている健やかに産み・育て・生きる力を、植物・香り・温めの力を借りながら、引き出し導くことを大切にしている。お母さんを救うためなら、セラピストの肩書きに関係なく、何でもやりたい!と情熱的な一面も!インスタグラムのアカウントは tocohana_herbball 。
⑦理学療法士の小宮山芽生さんは、多くの高齢者と触れ合う中で、産後から始まる生活の大切さを痛感したそう。自身も産後の不調と子どもとの関係で悩んだ経験から、「1人でも多くのママが産後の生活を健やかに過ごし、10年後、20年後と続く未来を元気で過ごしてほしい」との思いで、「産後キレイママ育成塾」を主宰。私と同じ、誕生学アドバイザーの先輩。
⑧時田淳子さんは運営メンバーの中では一番ベテランのママさんながら、「若い人たちの学びたい!」と好奇心旺盛で、私たちの一言ひと言に〇を出しつつ、優しく包み込んでくださる包容力も素晴らしい。
小児看護師で日頃から子どもとママのそばで触れ合い寄り添う看護、それぞれの成長発達と育児を見守りながら対話する看護、ゆっくりと待つ喜びを心がけ、個性に共感する看護に注力。「助産宿の活動を通して、多様性を理解し、笑顔になれる地域社会をめざしたい」と。
⑨おんぶと抱っこのコンサルタント、加藤淳子さんは、講座の講師として参画予定。どんなおんぶ紐、抱っこ紐も使い方次第。商品ではなく使い方で選ぶ。それぞれの家族に合った、そんなサポートが受けられるので、私もぜひ同席できるのを楽しみにしているところ☆
⑩会の趣旨に賛同して運営メンバーとなってくださった助産師の高橋公代さん。葛飾柴又でおっぱいケアと整体施術を中心とする助産院を運営。自宅を助産院に、15年間出産に従事。現在は葛飾区の助産師3名で産後ケア「torasan」を立ち上げた。「助産宿の皆さんのチームの力も素敵で学びたい」と。今後、広域での産後ケア連携も模索できたら!
⑪私自身も保育士、誕生学アドバイザー、編集記者として、助産宿の活動を支えていければとは考えている。でも、私ができるたいそう特別なことは何もなくて、むしろ、よくこのメンバーが集まってくれたものだと、我ながら今も現実を驚きの視線で俯瞰しつつ、活動に奔走する毎日。
そう、地域のお母さんたちを救いたい、と思っている人がこんなにいる。それなら、バラバラで活動するより、つながって、多職種連携で、より大きな成果を出したい。そんな思いで集っているのが助産宿だ。
発表からあれよあれよという間に急展開
新月、大安、父の日だった2020年6月21日(日)、助産宿のスタートアップミーティングを開催し、7月11日(土)、12日(日)とオープニングイベントの『お産のお話会』をオンラインで開催。運営メンバーも含めて、延べ18人が参加してくれた。
(こちらは初日のメンバー。お産の話って、深くて広く果てしない、まるで海みたいな存在なんだよねぇ…)
7月18日(土)にTMO講座の上級編、アドバンス講座の発表会があり(当日の発表者の資料はこちら)、
運営メンバーから、お産に関するドキュメンタリー映画の上映会を企画する声が挙がり、
浦安の産後ケア施設の見学も決まり(また別途、レポ書きます!)、
口座開設の印鑑を作ったり、市議員さんと意見交換する機会をいただいたり、県の助成金の話を聞いたり、市が無料開催するよろず経営相談に行ってみたり…
あれよあれよという間に、スピーディーに決まっていく怒涛の1カ月半だった…
今は夏休みで小休止しているけど、またお盆が明けたら、パワフルなメンバーで走り出すんだろうな!
地域で助産の支援を実現するには、いろーんなハードルがある。行政や市民の共通認識、ひいては情報提供が不足しているとか、医療関係者の協力も必要だとか、お金も時間も限られている中でどう実現するだとか…
その一つひとつも、正面から向かい合いながら、時に側面や裏側から検証しながら、周囲に協力を要請しながら、私たちなりに乗り越えていけるよう、挑んでみたい。楽しんで。ワクワクして。みんなとつながって。
…ということで、助産宿の誕生をかいつまんで説明してみたはいいけれど、まだまだ何をするの? どうするの? という部分が曖昧なので、今後もこのnoteで発信していくつもり。
※8/30(日)14~16時、お産のおしゃべり会をZoomで開催予定! 妊娠中、出産がもうすぐの方はもちろん、これから妊娠したい人、あるいは、産後もう何年も経っちゃったわって方も大歓迎。ご参加をお待ちしています!
活動に興味を持った産前産後サポートのスペシャリストの参画や、「やっぱり産前産後の支援は大事だわ」と思う方々のご寄付・ご支援、地域の課題を解決する斬新なアイデアもお待ちしています!
安心して産み育てやすい社会を作るため、また社会全体で子育てを支援する仕組みを作るため、サポートいただけると嬉しいです。いただいたサポートは、あいのちの活動で使わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。