直感ってやつ。続き2
私が腹を下し、高熱を出すほど悩んだ選択の答えを見つけたのは、
一学期の終業式の日に向けて、
そろそろ通知表をつける準備しなきゃなーと思っている頃だった。
私はその年のゴールデンウィークに、生まれ故郷である宮崎を訪れた。
生まれ故郷といっても、本当に出生地ってくらいなもんで、
2歳くらいにはもう関東に引っ越していたから、
宮崎での記憶らしいものはひとつもなかった。
ただ父親の転勤の都合で、6、7年宮崎に住んで居た両親から、
いつも「宮崎はよかった」と聞いていたので、
いつか行きたいと思っていた。
18で埼玉を出てそれからずっと海の近くに住んできた私は、
どこかでいつも引っ越し先をいつも探していた。
「茅ヶ崎か宮崎だなー」
と思っていたけど、ある時茅ヶ崎に行って波乗りをしたとき、
「ここじゃないわ」と思ったのを覚えている。
茅ヶ崎は、私にとっては、物も情報も多すぎた。
宮崎かなぁ〜〜と思っているとき、
ヨガの教室の仲間が「ゴールデンウィークに宮崎行くんです」と言う。
「お!じゃあ私も行こ!」と彼の宮崎行きに便乗して、
私と娘と母親の3人で宮崎に旅立った。
そして旅行前にヨガの先生が言った。
「宮崎行くなら、私の友達に会ったらいいよ。
愛ちゃんはぜったい気が合うから」とある人物を紹介された。
彼は小さなフリースクールを開いていた。
私は公立学校の雰囲気は大好きだった。
家庭環境も価値観も趣味もごちゃまぜの雰囲気が居心地良かった。
なのだけど、どこかいつもアンチな私は、
公教育の型にはめられている感を持ち始めて、
オルタナティブ教育に興味を持ち始めていた。
公立の先生は5年くらいで辞めよ、と漠然と考えていた。
そんな時の、宮崎行き。ヨガの先生の友人との出会い。
彼はフリースクールをしている。
そして、先生を探していた。
宮崎で彼が当時やっていたカフェで会って、話して、
すぐ「あ、私ここに行くわ」と思った。
でも当時は2年生のクラスの担任だったし、まだ5月だった。
「むりむりむりむりむりむりむり!!!!!!!!!」
と0.5秒で思考がやってきて、「夢物語」で終わった。
ように自分に見せかけた。
が、彼と会った次の日。まだ宮崎滞在中のお昼。
一生に旅行に来ていた母親に、
「私、宮崎来たいわ」と言った。
母親の反応は、
「・・・・・でた」。
散々、これまでの私の人生の珍道中を見て来た彼女のハートは、
かなり鍛えられており、驚いてはいたものの、
半分は呆れており、半分は「止めても無駄ね」という雰囲気だった。
んが、宮崎旅行から帰ってきた私が向き合うのは目の前の「現実」。
子供たちを残して行くの?
まだ一学期なのに?
無責任でしょう!?
あり得ないでしょう!!!!
心ではもう「行く」って決めてるのに、
現実と思考が私の気持ちを全力で止めた。
そして私も、本気で行くのをやめようと思った。
だって無謀すぎるでしょ。絶対無理だわ。って。
決めたようで、決めきれていない私の心は迷いまくった。
迷いは、どんなときもかなり頑丈な私の体にジャブを入れまくって、
私は体調不良で学校を休まなければならないくらいだった。
そして、その初夏の晴れた日の朝が来た。
信号待ちの車の中で、
「あ、私、行くね」と分かったとき、
ほんとに一人で車で笑ってしまった。
なんか、
頭の上に乗っけていたメガネを必死で探してたのに、
誰かに「頭に乗ってるよ?」って言われたみたいだった。
その日のうちだったと思う。
私は、平行を組んでいた隣のクラスのベテラン先生に、
その意思を伝えた。
不思議なもので、
ここからは、ラフティングで一気に川を下るように、
でも何も遮るものがなく、スムーズでしかない流れが、
私を宮崎まで運んでくれた。
私の退職に誰も文句を言わなかった。
先生たちみんなが「先生は他にもいるけど、自分の人生は一回よ」って。
子供たちも「えー行っちゃうのー??さみしいー!!」
と言いつつ最後は「せんせー!バイバーイ!!」。
平行の先生は「私の娘も同じタイプなのよねー。娘なら行くでしょうね」。
親も止めなかったし、応援してくれた。
娘は、「え〜〜」と言ったけど反対はしなかった。
確信が欲しくて、普段はみてもらうようなこともないのだが、
インド占星術の先生に見てもらったら、
「星が全部後押ししてくれるから、絶対大丈夫」。
スズキの黒い軽自動車に、荷物を積みまくって、
埼玉を出て東京晴海のフェリー乗り場へと出発した。
ゴールデンウィークの彼との出会いから、4ヶ月経ってなかった。
こうして私は、今宮崎に住んでいる。
そして、宮崎の今住んでいる集落に到着した日。
私は一人の男性と出会うのだけど、
その日に「この人と結婚する」と分かった。
それには、徹底的な証拠があったのだった。
ってまだ続くんかい!
だって長いと疲れちゃうもんね。
また書きまうす。
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