【グアテマラ滞在記】語学習得は最高の投資
語学を勉強し習得すること、その為に投じる時間とお金は、ローリスク・ハイリターンのいわば「究極の投資」であるとおもっている。
考えてみてほしい。投資と聞いてイメージしがちなのは株式投資ではないだろうか。そんな投資でもし「ローリスク・ハイリターン」なんて謳い文句があれば、それはきっと詐欺に違いない。自分ならそう疑うし、多くもそうおもうはずだ。
でも、語学習得は違う。投資のリスクは極めてロー。
いやもしかするとノーリスクと言ってもよいかもしれない。
もしも失うものがあるとすれば、それはたぶん無駄に高いプライドといらぬ羞恥心くらいだろう。リスクを見つける方が難しい。
また、ノーリスクと呼ぶに相応しいのは、株式投資などと違って語学は勉強をすれば必ず結果がついてくるからだ。一度身に付けたら、完全に忘れる方が難しい(当然長年使わなければ衰えはするものだが)。株の値動きよりもずっと変化は少ないはずだ。
一方、リターンはといえば、もう言うまでもないが…語学!
そういうべきなのかもしれないが、僕がおもうに、最大のリターンは語学ではない。
もちろん、語学は分かりやすいリターンではあるが、それだけがリターンと言ってしまえば、「ハイリターン」とは個人的には言い難い。
僕がハイリターンと呼ぶのは、語学を学ぶプロセスや身に付けたことで得られることにあるとおもっている。
そして、そのリターンは、短期的であり、中期的にもあり、強いて言えば超長期的でもあるからだ。
短期的には、語学を学ぶプロセス。語学を学ぶ過程で様々な新しい学びがある。少なくとも個人的には、その言語が話されている国や地域の文化背景に興味を持ったし、逆に比較対象として自分の母語にも興味が出た。仮に語学が目標にしているレベルに届かなかったとしても、このリターンは少なかれあるはずだ。
中期的なリターンとしては、実際に新しい語学が喋れるようになるという明確なものだ。違う言語で喋れるようになった時の高揚感は何物にも代え難い。
長期的なリターンと呼ぶのは、新しい言語を身に付けたことで得られるさらなるリターンである。それは、ビジネスチャンスかもしれないし、その言語を話すことでできた友達かもしれないし、理想郷かもしれない。新しい言語を身に付けることでその先の人生のどこかでリターンとして返ってくる。
いや、かもしれないし、全く返ってこないかもしれない。これこそが投資であるゆえんだ。
少し語学習得のリターンを考える視点を変えてみる。
先日とある夜、はじめましてのグローバルな友人たちと共にバーで飲んでいたときの話。スイス出身でノルウェーに長らく住んでいる中年の男性と語学の話になった。5カ国以上の言語が話せるという彼からこんな話を聞いた。
4つ以上の言語を高いレベルで話せる人は、歳を重ねてからアルツハイマー病になる確率が、そうでない人と比べて格段に低くなるらしい。
ここで言いたいのは、自分の健康に対しての投資という見方。
僕は、常々、自分の健康に関しては気を配るようにしている。というのも、仮に僕が仕事に没頭して資本主義社会における成功者となったとしても、健康を犠牲にして大病を患いと寝たきりとなっては、自分が求める「幸せ」ではないだろう。なので、ジムに通ったり歩いたりして身体を鍛えるようにしている。
そして、肉体だけではなく、脳へのアプローチもしておきたいとおもっている。将来、カラダは動くのにボケてしまったら悲し過ぎる。心身の健康があって幸せなのだから。そのための語学習得は効果的な投資であり、脳の健康は価値の高いリターンといえるのではないだろうか。
こうして、語学習得を投資の対象として捉えてみたが、その背景には個人的な想いがある。
それは、個人的に「投資」というものには前々から強い関心があった。
資本投資をやってみたいができなかった。言い訳に聞こえるかもしれないが、株式投資などで大きなリスクを背負う勇気もないし、少額でちびちびと投資して儲けが出るほど甘いものではないことはなんとなく分かる。
そんな葛藤を社会人になってから抱えていたが、今こうして新しい言語を勉強するようなって、ここまで書いたような考えに改めて気づかされた。
語学習得こそ、自分にとっての最適かつ最高の投資である。