【グアテマラ滞在記】安全度編(続)
グアテマラに来る直前、「グアテマラは安全なのか?」という記事を書いた。
その時は、あくまでも外側から見たグアテマラの安全度に関する内容でしかなかったので、今回その答えを続編として書くことにする。
個人的な感想としては、
ぶっちゃけ、日本とグアテマラの安全度は変わらない。
「そんなこと信じない!」とおもうかもしれないが、そもそも国の安全度など数値化することなんてできないし、国や都市単位で安全度を比較するのはナンセンスだとおもう。犯罪に巻き込まれるときは巻き込まれる。それは日本であっても世界中どこだってありうる。世界に100%安全な場所などありはしない。
だから、外務省のホームページに危険度レベル1と書かれていようが、グアテマラは日本と同様に安全であり危険でもある。
ただそれだけのことだ。
とはいっても、ここまで読んで「で、それで?」となるとおもうので、グアテマラに来てからの自分の経験談を書くことにする。
チキンバスに乗ってみた
グアテマラには、チキンバス(正式にはカミオネタという)と呼ばれるローカルバスがある。
地元民がチキンなどもバスに持ち込むからそのように呼ばれているようだが、実際に僕はそんな光景はまだ見たことがない。
バスの見た目は、ぶっちゃけかなりイカツイ。例えるなら、トランスフォーマーの映画に出てきそうな見た目。トランスフォーム(変身)後の人型の姿はちょっと横にデカくて、きっと声は野太いだろうと個人的に勝手におもっている。
そんなバスが黒い煙をモクモクと出しながら街中を走り回っている。(← 多分、ガソリンが良くないんだろうな…)
そんなチキンバスは、地元民の大切な”あし”だ。
物価の高いアンティグアに住めず周辺地域に住んでいる人々の多くが働くために毎日このバスを使って通っているのだ。
残念なことだが、このチキンバスの安全性(治安)を疑う人が多く、実際あまりお世辞にも良い噂を聞かない。
特に「アンティグアからグアテマラシティ(首都)に行くためにカミオネタはあまり安全じゃないからひとりで乗るのはオススメしない」という情報が僕がいるアンティグアの街にはかなり蔓延している。
僕はそれだけ聞いて鵜呑みにすることはしない。内容があまりにも抽象的過ぎるからだ。もし「危険」や「安全じゃない」と聞いただけで信じてしまった人がいるなら、今の情報社会では格好の詐欺の的だろう。くれぐれも気をつけてくれ。
どういう意味で危険なのかを知らないかぎりはその話の信憑性は皆無。
仮に危険と言われる理由が以下のようなら理解できる。
アンティグアは一大観光地だからお金を持った観光客が多いので、そこから来るバスには観光客が乗っていて犯罪のターゲットになりやすい。そして、その犯罪が観光客を意図的に狙ったもので、誘拐や殺人になるケースが多い。
ここまで具体的な理由があって危険と説明されたのなら僕だってそんな危険を冒してまでグアテマラシティ行きのチキンバスには乗らないだろう。
ただ、実際はそうではないのだ。
多くの地元民が使っていて、特別観光客だけを狙った犯罪があるわけではない。
ただ、たしかにバスに関する事件が過去に全くないわけではない。
聞いた話によると、グアテマラシティのある特定の地域を走るローカルバスは地元マフィアの縄張りなので”みかじめ料”を払うルールがあり、それを拒んだことにより報復としてバスを爆破したという事件があったらしいが、そんなのは極めてレアなケースだ。そして、それは観光客だけでなく一般市民など誰しもに当てはまる危険ということ。
そこからローカルバス=危険という漠然としたイメージができあがってしまい、一人歩きしてしまっているような気がする。
ということで、前置きが長くなったが、
自分になりにチキンバスは安全だと判断したので、先日アンティグアからグアテマラシティまでチキンバスに独りで乗ってみた。
だからといってそのルートのチキンバスが危険かどうかを明言するつもりはない。あくまでも僕が体験したことと、それに対しての僕の一意見を言うだけ。
結果からいうと、何も起こらず危険を感じることは全くなかった。
「乗車中気づかぬうちに持っていたバッグがナイフで切られ中に入っていた貴重品を取られた。」という話(これすら信憑性に欠けるが…)を事前にされたので念のためバッグは持たず、手ぶらで行くことにした。
ジーンズに付いている左右前後4つのポケットに所持品全てを詰めて。
安全性には何の関係もないが、白シャツにビーサンとサングラスという逆にヤバいやつに見られそうな格好でいった。(←これに特別な意味はない。)
行きのバスはそうでもなかったが、帰りはかなり混んでいて隣の人と体が密着するくらい近かった。
隣に座ったのは小さな子供を抱えたお父さんで、この状況でスリができるならそれは逆に凄いと思い、半ば取られてもいいやというくらいにおもって乗車していた。
これを書きながら、ふとおもった。
チキンバスにひとりで乗った。でも、だからなんだというのだろうか。
たかが一度ローカルバスに乗っただけだ。
今回はたまたまなんのトラブルにも巻き込まれなかっただけなのかもしれない。もしかしたら次に乗ったら窃盗にあうかもしれないし、あと100回乗ってもなにも起こらないかもしれない。
この一連のことで、ひとつ学んだことをシェアしよう。
「百聞は一見にしかず」は世界共通
どういうことかというと、
僕の勝手なイメージで地元の人は危険が一部であることは承知で、でも基本は安全と認知しているとおもってしまっていたが、実際はそうでもなかったようだ。
ここグアテマラ国内でも自分で実際に経験せずに周りの噂などを鵜呑みにしてしまう人がおもいのほかたくさんいるということ。
僕が現地で知り合った友達やお世話になったホストファミリーなどからは、チキンバスに独りで乗ることは勧められなかった。それは自分たちが乗らないから実態は分からないからだ。
日本は島国で安全大国だから内弁慶な国民性でなんておもうかもしれないが、それは違う。どの国や地域でもそういう人はいる。
そう、世の中は常に「百聞は一見に如かず」だ。
僕は死なない程度に「一見」の価値を感じる人生にしようとおもう。