NZ留学体験記-vol07

【NZ高校留学記】「日記を書いておきなさい」

日記書いて

「日々の生活を日記に書き残しておきなさい。」

それが、僕がニュージーランドへ高校留学へ発つ直前、母親がくれた(覚えている限り)唯一のアドバイスです。

小さい頃から単身赴任状態にあった父の分まで子育てに関してはほぼすべてを担っていた母親からは昔から「ああしなさい、こうしなさい」というような何かしらを強制されたことはほとんどありませんでした。
その代わり、常に僕にとって最善の選択肢を提示してくれて、最後の決断はいつも本人に任せてくれていました。

「日記」………?

正直、困りました。
そして、当時の僕にはバカみたいな返しをすることしかできませんでした。

「え、日記って何を書いたらいいの?」

何かしらの感情を含んだ返しにも聞こえるかもしれませんが、おそらく文字通りの意味以外には何もなかったんです。
というのも、”日記”というものの存在が当時の僕にとってはあまりにも遠いものだったからだとおもっています。
もちろん日記が「日々のことを書き記すもの」というものであることは知ってはいましたが、留学前の唯一のアドバイスがこれだったことに拍子抜けしながらその意図を理解できずにいたのかと今はおもいます。

母は、とにかく頭の空っぽだった僕でも理解出来るようにと、おそらくその場で色々と説明してくれたはずです。
でも、僕が自分なりに理解したことは、「(なぜかはよく分からないが、)日記を書いておけば、将来きっと役に立つ。」というシンプルなものでした。

とにかく書く。

ニュージーランドで留学生活をはじめた僕は早速その助言を実行に移しました。← この辺はやけに聞き分けがいいですよね(笑)

日記初日

これが記念すべき、僕が人生で書いた最初の日記の内容です。

みなさんは、これを読んでどう思いますか? - 率直なご意見、聞かせてください。

前提はさておき、とりあえず書き出したのです。

でも、助言を受けたときも、書き始めたときも、書き出してからも結局、「日々の生活を書くってどういうこと?」という疑問はなかなか消えませんでした。

”日記を書く”ということは、文章を書くため自分がその日したことを振り返って行動一つ一つについて考え、理由付けをしたり、起こった出来事について自分の考えを持ったりすることですよね。
そんな当たり前のことが当時の僕には到底理解ができなかったんです。
留学する前の僕は、自分の言動など気にしたことがなくすべてをことに対して直感的に生きていたんだとおもいます。
考えることは無意識的にやっていたかもしれませんが、書くとなると無意識ではできないわけです。”考えられること”と”書けること”には想像以上に大きなスキルの差があります。

あまり深くは考えないようにして、考えるよりも手を動かすようにしました。

それからほぼ毎日書き続けました。

それが留学を始めて半年ほど経った頃にある変化がありました。

日記変化

この時を境に、毎日書くのではなく書きたい時に日記を書くようになりました。ただ毎日の出来事を時系列的に書くのではなく、出来事に対して考察し持論を書けるようになりました。

日記を書き始めた頃と比べて、生活の中で起こることに対して自分の考えをしっかり持てるようになったきたのだとおもいます。

”ダルいから”と書いてしまっているあたり、まだまだ語彙力と表現力が乏しさが出てしまってはいますが、思考という部分では着実な変化があったようにおもいます。

おそらくこの頃だとおもいます。
留学前に母親がアドバイスを通して僕に本当に伝えたかったことを少しだけ理解したのは。

ちなみに

それから日本語の日記を書くことは大学に入ってからも続けました。

大学になると、更新頻度はだいぶ減りましたが、一度書き出すと必ず長文になり、それはもはや“日記”ではなくなっていたのかもしれません。


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