【千葉県警側編】『千葉県警動画削除事件』当時の動向記録まとめ①(1~7月)
○はじめに
お疲れ様です。あいなです。
当アカウントは、現在、千葉県警の交通安全啓発動画がとある団体の抗議を受けて削除された件について、関係している地方公共団体に情報開示請求をしています。
早いものでして、私が2022年5月に情報開示請求を行ってから、半年以上が経過しました。
各行政機関から交付していただいた公文書の写しがだいぶ溜まってきましたので、ここで個人的に、事件の総括に相当するまとめ記事をいくつか作成していきたいと思います。
今回のまとめ記事では、千葉県警側の作成した公文書の写しや警察のコメントが係れたニュース記事などを、時系列順に並べてご紹介させていただきたいと思います。
量がかなり多いため、4回ほどに分けて記事にする予定です。
※よろしければ前回の【フ議連編】まとめ記事もご参照ください。
○1月19日 起案用紙①
作成部署:松戸警察署 交通課
件名:令和3年交通安全運動に伴う交通安全啓発動画の作成について
ご当地Vtuberとコラボした動画の、一番最初の企画書のようです。
手書きの文字で『動画を作成し、交通安全を呼びかけます/動画作成については無償/松戸市ゆかりのVtuberに依頼し、駅前等で/映像を放映し、交通安全を呼びかけます』という記載があり、2枚目の添付書類には、ざっくりとした企画内容が書かれています。
千葉県警マスコットキャラも一緒に登場するとか、松戸市役所のモニター等でも動画を放送予定だったとか、完成後の内容とはかなり違っているところがあり、恐らくは『今までの企画の使いまわしやコピペ等で、とりあえずざっくりとした内容と方向だけ決めている』というイメージかと思われます。
※過去の記事もご参照ください。
○7月8日 起案用紙②
作成部署:松戸東警察署 交通課
件名:交通安全啓発動画の公開について
こちらは、実際に動画制作を企画した松戸警察署ではなく、松戸東警察署で作成された起案書になります。
動画が完成あるいは完成に近い状態になった後で、松戸警察署からの連絡を受ける形で作成された起案用紙のようです。
『松戸署がVtuberと動画を作ったので松戸東署の名前も連名で載せるらしいですが、それでいいですか?』という許可を求める起案書です。
その資料として、企画書(改)が添付されています。
この企画書(改)には、1月時に作成されたものよりも実際の状態に近い企画内容が書かれています。
企画内容の中では、市内を走るバス会社にも協力を依頼しているというところが興味深かったです。
バスと言えば削除事件後にラッピングバスを走らせるというクラウドファンディングの企画が持ち上がりましたね。
動画公開当時は、何らかの事情があって協力依頼を断念したのだと思うのですが、この時に松戸警察署からの依頼があったことで、企業側がVtuberの存在の認識をしている状態だったということで、後に繋がるものを感じました。
※過去の記事もご参照ください。
○7月9日 起案用紙③
作成部署:松戸警察署 交通課
件名:交通安全啓発動画に関する覚書調印式の実施について
覚書調印式という名の記者会見イベントについての書類になります。
添付書類の内容は、計画書や、当日のイベント会場設営の配置図や式次第などでした。
その中には覚書の案文もあります。
※過去の記事もご参照ください。
○7月19日 ニュース記事①
取材記者:チバテレ+プラス
コメント者:松戸警察署 永田陽一郎署長(当時)
コメント内容抜粋:「八街市であった小学生5人が死傷した事故のような現場は、松戸市にも何か所か危険なところは実際にある。そういうところを子どもたちに気を付けてもらいたい」
今回の動画の件について、松戸警察署の署長(当時)のコメントで確認できる限り一番古いものはこちらになるようです。
覚書調印式イベントの時に記者からの取材に答えたもののようです。
松戸警察署長が、『子どもたちに気を付けてもらいたい』と語っていることから、今回の動画について、子どもが見ることを想定していることは間違いなさそうです。
また、この時にはすでに公式Youtubeチャンネルにも掲載が決まっていることから、千葉県警の広報関係者にも動画の内容は問題無く伝達済みであるという事が分かります。
○7月20日 起案用紙④
作成部署:松戸東警察署 交通課
件名:「交通安全啓発動画への協力に関する覚書」について
締結された覚書の控えが添付されています。
内容自体は、7月9日付の起案用紙に添付されたものと同じです。
覚書の内容は見たところ著作権に関するもののようです。
『コラボはこんな感じでやります』といったような、業務提携の内容ではありませんでした。
この『覚書』…企画書の段階では何も記載されていないのですが、恐らくは動画の第三者の無断転載を防止するためのものだと思います。
この時点では『自分たちの公式チャンネルに上げた動画を、自分たちの手で削除する』事態になるなど全く想定していないのだな…ということは分かります。
また、この覚書の中に掲載期間は書かれていません。
従って、動画をいつからいつまで公開するかは契約で定められているわけではなく、警察内部の一存で決まるものであって、『期限が迫っていたのでその前に削除しました』という謎の解釈は、警察の内部で勝手に決めて構わないものであることが分かります。
○7月20日 事務連絡①
作成部署:松戸警察署 交通課庶務係
件名:VTuberが出演する交通安全啓発動画の覚書調印式の実施について
いわゆる報告書になります。
7月16日に行われた覚書調印式の写真が添付されており、ちばテレビから取材を受けた事などを記載しています。
この報告書は、交通安全運動関係を担当している千葉県警本部交通部交通総務課と、公式Youtubeチャンネルを担当している千葉県警本部総務部広報県民課の2部署宛てに送付しています。
覚書調印式には松戸警察署と松戸東警察署の署長がそれぞれ出席しており、また、Vtuberも出席して挨拶をしている(モニタ使用&録画だと思いますが)ことが分かります。
○つづく
こうして、ご当地Vtuberとコラボして作成した交通安全啓発動画は、松戸警察署内での企画書を経て、覚書の締結、公式Youtubeチャンネルでの公開となりました。
この7月20日の事務連絡の添付書類を見ても、松戸警察署のみならず、千葉県警本部やニュースを取材する記者さんなど、周囲から「動画に問題がある」という指摘は一切無く、Vtuberと警察のコラボという新しい試みを、町ぐるみで応援する気持ちにあふれていたように思えます。
【千葉県警編】まとめ②に続きます。
よろしければ、このアカウントをフォローいただき、次の記事をお待ちください。