冬のひまわり🌻(第7話)
今日も一通り仕事を済ませて、ドリンク一杯だけ無料なのでコーラを飲んでいた福田は、バイトの子が急に休みたいとの事で、夜のフロント業務を頼まれたので、一回家に帰ろうか迷っていた。家までは自転車で20分くらいである。
「ふう〜。夜の22:00からか。どうするかな〜?」
1人呟いていたが、側からは思い悩んでいるように見えたのか、フロントから休憩にやってきた有本 泉が横から顔を覗かせた。
「福さん!何か悩み事ですか?」
いきなり泉ちゃんの顔が見えたので、びっくりして、
「え?あ、ああ。泉ちゃん!」
ドギマギしながら福田はそう答えた。
続けて、
「いやー。バイトの坂本君に夜の勤務の交代を頼まれてさ〜。夜の22:00からなんだけど、帰ろうかどうしようか迷ってて」
「ああ!シフトの交代ですか〜?22:00?それは困りますね?時間が空きすぎですもんね?」
因みに今は、午後の14:00である。
可愛い顔で真剣に考えてくれる泉ちゃんに、余計に胸キュンしながら、福田はさらに
「そうそう。困っちゃってさ〜」
と、続けたところへ裏口から入ってくる木村女史が見えて、福田は慌てて泉ちゃんに言った。
「じゃあ、汗かいたから風呂行ってこよーっと。ありがとうね。泉ちゃん」
と、泉に伝えてそそくさと風呂場へと向かった。
ドキドキする胸を落ち着かせるように、階段を駆け上がりながら福田は思った。
(いや。逃げてる訳じゃないぞ?汗でベタベタだから、風呂に向かってるだけだ!決して木村女史から逃げてる訳じゃない!)
と、自分の心に言い聞かせるように、小さな声で呟いた。
平日の風呂は午後の時間は少しお客が引くので、のんびりできる。
「はあ〜。気持ちいい。ここの温泉は本当に気持ちいい。疲れもいっぺんに吹き飛ぶね!」
と、手前味噌だけじゃない。本当にそう心の底から思っていた。
つづく。
〜〜〜〜
はい。週に一回の小説です。
もう、本編は15話くらいまで進んでいますが、このまま週一回でアップしていこうと思っています。
配信毎週木曜日を予定しております。
宜しくお願いします。
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