なぜ変われないのか?
「まずい!」・・・このままでは失われた40年がやって来る?!
いや、その前に日本がやばい?!
今年は新年早々に、全国各地を飛び回っていますが、
今までに感じたことがない程の危機感を持っています。
これ程までに私たちは、変化を嫌うのか?
なぜ、新たな挑戦をしないのだろう?
そう感じることが沢山あったし、中間管理職以下の人たちは、
みんな諦め感に包まれていて、気の毒で仕方がなかったんですよね。
そして、変わらない?いや、変える気がない最たるものがメディアですね。
岸田総理の「育休中リスキリング発言」で、避難の報道を続けていますが、
あれは単に希望する人の支援策を用意しようという話をされただけで、
勉強を強制したわけでもなんでもないように受け取っています。
にもかかわらずメディアは、数日間に渡りこれを報じ、叩いている。
こんな国、世界中どこを探してもないと思いませんか?
そもそも勤勉勤労は日本の美徳だったはずです。
渋沢栄一も、資源のない日本が生き残る道は、ここしかないと言われているのに、
みんなでその足を引っ張りあって、一体何がしたいのでしょう?
・・・ということで愚痴っぽくなって申し訳ありませんが、
今回は、「変われない日本」について、
色々と私なりの考えをまとめてみたいと思います。
【変われない原因はなんだろう】
まず、変われない原因について、大きな要因を3つ考えてみました。
① 成功体験が無意識の固定概念になっていて、今のやり方が正しいと信じている
② 補助金・助成金・公的予算による「茹でガエル」で気付けない
③ 人間的成長が時代の成熟とミスマッチになっている
あくまでも私的な意見にすぎませんが、要因を3つ挙げるとすれば、
私はこの3つを挙げてみたいと思います。
まず①については、わかりやすいところですよね。
後継者不足もあるのですが、経営者の平均年齢が上がっていることは、
新たな挑戦を妨げていると感じています。
もちろん全員が全員、年齢が原因ではないのですが、一般的には、
DXの時代において、ご高齢の経営者が戦略的な対策を考えるのは、
難しいだろうなと推察できますよね。
先日は、トヨタのトップである豊田章男氏が、スパッと交代されました。
しかも、今度の社長も53歳という年齢で、本当に凄いなって感服しています。
中小企業においては70歳を過ぎても譲らない経営者が、とても多いと感じます。
体力的にも本気で仕事をしていたら厳しいだろうにと思うのですが、
いつまでも承認欲求に引きずられるのは如何なものかと思っています。
また、小手先の改善を変化へのチャレンジだと勘違いしている場合も、
散見されるように思います。
中間管理職以下の人たちは、日々QCサークルや各種改善プロジェクトなど、
仕事の質的向上や人材育成に一所懸命取り組まれています。
その努力は大切で尊いものだと思いますし、強みの源泉でもあるのですが、
今やらなければいけない変化は、ビジネスモデルのイノベーションですよね。
要するに、IT革命以降のインフラの変化に対して、ビジネスモデルそのものを
最適化する必要が生じているのだと思います。
そこが出遅れたから失われた30年となっているのであって、
これは経営者の仕事に他なりませんよね。
にもかかわらず、社員にだけ変化を迫り、改善を促すことはどうなんでしょう?
大切なことではありますが、まずは経営者自身のジョブを明確にして欲しいです。
次に②についてですが、実はコロナ禍ということもあって、
ご存知の通り、とても大きなマネーサプライが実施れてきました。
きっかけはアベノミックスだったと記憶していますが、
強制的にお金を回す仕組みの中で、それなりの利益が出ている企業が
一定数あるように認識しています。
融資のリスケ対応もありますし、公共事業もあります。
利益さえ出ていればイノベーションなんて必要ないじゃんって感じで、
グローバル市場で見れば、どんどん取り残されているにもかかわらず、
何も変わらない仕組みの中で30年遅れの企業が存続し、
世代交代が進まない原因になっているように感じています。
市場原理の中で適正な競争が行われないと、共産国のように遅れますよね。
これは厳しいことですよ。だから余程の気力と体力がない限り、
経営者を続けることは難しいはずなのになって思っています。
そして③についてですが、実は、これは変化ではなく不易かもしれません。
高度経済成長で大量生産の時代には、多様性も専門性も今ほど高くなく、
かつ大手の傘の下に入って言われた仕事をこなしておけば、
十分な利益が出る環境が整っていたように思うのです。
ある意味、根性と馬力がある経営者であれば、経営ができた時代かもしれません。
しかし今は物が溢れ、多品種少量生産や個別生産の時代です。
多様なユーザーニーズにジャストフィットさせる能力が必要とされています。
要するに、相手の立場に立って想像力を働かせ、きめ細やかなサービスを提供し、
高い技術で裏打ちされたブランド力まで求められるような時代ですよね。
これって、提供する側に本物の人間力が求められる時代だということです。
もちろん古来より素晴らしい人物は存在したわけですから、
時代を超えて本物なら適応できる要素だと思いますが、偽物には厳しい時代です。
まさに今は自分の損得や目の前の儲けよりも、何が正しく何が間違っているのか、
善悪や利他の心で判断できる人間力が問われている時代だと思うのです。
それがないから時代に適した組織構造やマネジメント環境の変革が、
一向に進まないように感じています。
環境とミスマッチしているから社員さんは苦しんでいらっしゃるんですよね。
未だに承認欲求に振り回されてマウントして来るから、
社員さんは変革したくてもできない状態になっているケースが多々あります。
経営者自身の人間的成長が伴わないと、この成熟した市場環境では、
組織的なイノベーションが実現しないのではないでしょうか。
【変革を実現するには何が必要か】
今まで見てきた要因を解決するためには、どうしたら良いのだろう?
色々と考えてはみたのですが、これといった解決策は見当たりません。
なぜなら全て経営者次第だからです。
経営者が自らを変えることに対して腹を括るか、自分が退くか、
他者を信頼して任せきるかを行えば、可能性は見えて来るように思いますが、
政治も行政もメディアも、そして経営者までもが高齢化していて、
変える気がないように感じるのですよ。
みんな悪気なく過去の成功体験を引きずり、それを元に正義感を振り翳し、
異なるものを否定して来るわけですから、
フォロワーには、本当に気の毒で残念としか言いようがないんですよね。
せめてできることは、世代交代をしたチャンスを見計らって変革を支援するとか、
聞く耳を持つ経営者の方を応援していくことくらいしか、
残念ながら、私は力不足でできません。
「その時」を待つしかないのかなぁ・・・いや、諦めずに頑張ろうと思います。