「ムー・ヤンリン」が出来るまで
製作者紹介
ろんろん(aimronorn)と申します。
普段はカジュアルプレイヤーとしてマジックを楽しみながら
カードの刺繍やデッキケース製作など思いつくものを気ままに作る主婦です
小物製作のイメージが強いのですが、デザイン系専門学校で服飾を学んだ事もあり、実は服作りの方が好きです。
横浜でも帽子、バッグ、インナーパーカー、スカートなどはお手製でした。
コスプレ衣装製作への道
服作りは好きでコスプレに興味があったものの、我が家の子供達は全く関心がなく、意欲だけを心の奥にしまっていたのですが、昨年某イベントでYouTuberである常盤ゆいさんと知り合う事ができ、もしかしたら自分が作った物を着てもらえるかもという淡い期待を抱きました。
とはいえ、常盤ゆいさんは有名YouTuberさん
一主婦が作った物など着てもらえないだろうと思いつつ、昨年ロータスの刺繍が入った着物を作った際に思い切ってDMしたら好反応Σ(・ω・ノ)ノ!
これはもしかしたらコスプレもいけるのではと。
そんなことを思いながら数か月。ある事をきっかけに急遽製作を決意!
一応ゆいさんに確認したところ快諾していただきスタート!
横浜行きは決めていたけど、さすがに間に合わないと思いながら材料集め。
ただ、田舎では思うような材料が売っていないし、あっても高いのでほとんどの材料はネット通販で買うことになります。そのため届いても思っていた色、素材感等が違う事もあり、その都度買い直しを繰り返しながら製作していきました。(材料、過程の説明はそれぞれの項目で)
思いのほか順調に材料が揃い、結果プレコン横浜に間に合いお披露目となりました。
ムー・ヤンリンを選んだ理由
ずばり作れるかもです(笑)
手芸生活40年超えとはいえコスプレは初めて。
全体(三面図)がわからない、作ることを想定されていない物を実物化するというのはとても難しく(世のコスプレーヤーさん達は本当に凄い!)自分の技量で作れる物はかなり少なく、以前からこの子なら何とかなるかなぁと思ってみてました。
そんな中ゆいさんに着てもらえるようになり、何気に似てる~と即決!
着てる雰囲気も想像しやすかった(*^-^*)
元々マジックを始めたのがちょうどM20の発売直前でかなりお世話になっていて今もアリーナのアバターはムー・ヤンリンなのでこれもご縁かも。
材料紹介
メインのワンピースには光沢があり、なるべく柔らかい雰囲気が出るようにとベロアのダークブルー(amazon)と薄手ボア生地の黄色(楽天手芸ナカムラ)を使用。ほつれにくいのも〇
当初違う生地を頼んだら全然硬さも色も違ってて買い直し(通販あるある)
黄色の方は某ひよこに使う予定だったのが意外とぴったり(通販あるある)
胴当てには綿コール天生地こげ茶(楽天手芸ナカムラ)
帯は表をワンピースと同じボア生地、裏はグログラン生地の濃いベージュ(楽天手芸ナカムラ)と中に着物の帯芯を使用
メインの生地より大変だったのが装飾用材料。
まず色を決めるのにとにかく難しく、カードの色も作者さんや角度などイラストでも多少違いもあり、かなり悩んだ末最終的に袖に付けるサテンリボン(5㎝)(amazon)をブルーティールという青緑にしたかったのでこれに合わせてふちのリボン(6㎜)(amazon)はターコイズブルーにし、頭のリボン(楽天美RYOKU)(7㎜)や衿部分の羽根(amazon)も同様の色にしました。
帯のブレードの白は持っていた物でイラストの太さを参考に金色(7㎜)、水色(7㎜)、こげ茶(7㎜)はamazonで購入。
垂れ下がった紐飾りは百円ショップの江戸打紐(白・紺)を使用。
衿や髪飾りに使った羽根はamazon購入。リボンの色とも合っていて気に入ってるが中から真っ直ぐなものを選ぶのにはちょっと苦労。
最後に買ったのが青いロープ。最初はベルトでいいかなと用意してたけどたまたま見つけた違うカードに後ろ側が少し映っていて、どうもしめ縄っぽい感じが良さそうと探し見つけたもの。(amazon)これが出来上がりにかなり影響したと思ってます。
実は一番苦労したのが髪飾りパーツ
羽根のパーツ(amazon)は早めに入手したもののメインとなる月のパーツが小さな物しかなく困っていて、ダメ元で入ったちょい広めセリアで見つけたのが「フラットワイヤー」幅3㎜で自由に曲げられるのでめちゃくちゃ便利。これ以外にベースとなるカチューシャとコームやイヤリングパーツなど。
製作過程
型紙作り
ワンピース
カードイラストを元に頭でなんとなく考えたものをパーツ別に型紙を作るのですが、今回は以前作ったカシュクールチュニックの型紙のアレンジで出来そうだったため上半身は後ろ中心をファスナーあきに変更して使用。
スカート部分は裾を広げ、丈を2種類違うものを用意し、サイドにスリットが入るようにし、2枚重ねることに。
問題は袖。チュニックの型紙には袖もあったので、肩山部分はそのままにし、袖口がフレアーになるようにアレンジ。
上部分の装飾は型紙に書いて三重になるように作りました。
長さや位置のバランスを見るためにリボン用の袖のひらひらの型紙も作成
胴当て
胴当てはワンピースの仮布が出来上がってから、トルソーに仮ワンピースを着せ、その上からシーチングを当てての立体裁断方式。
後ろがわからなかったので着やすいようにマジックテープで留める帯のような形に。
帯
帯も胴当て同様シーチングでバランスを見ながら幅と長さを決めました。
※胴当てと帯は出来上がった仮布を紙に写して使います。
シーチングで仮製作
出来上がった型紙を使ってシーチングで裁断→縫製
スカート丈や袖のパーツのバランスを見たり、胴当てや帯の型紙を作成。
かなり思った感じに出来たので、これで本製作へ。
本製作
ワンピース
最初に着手したのが袖の装飾のふちのサテンリボン
45Mもあったら大丈夫だろうと思ったら足りず長いの2本断念…
ひたすらアイロン接着テープで留めた後、ひたすら上からミシンがけ
袖部分を作ってから身頃→スカート付け→袖付けでワンピは完成
胴当ては裁断したコール天生地の一方にマジックテープの接着になるトイクロス生地を縫い付けてから二枚をを中表に返し口を残して縫い、表に返した後アイロンがけし、ブレードをイラストの色順に外側から縫いつける。
背中になる部分に
帯も胴当て同様薄手ボアにトイクロス生地を縫い付けてから帯芯とグログラン生地を中表に返し口を残して縫い、返した後に端ミシンをかける。イラストを見ながら各色のブレードを縫い付ける。
衿の羽根部分は収納や持ち運び時に折れないように取り外せるようにしました。マジックテープの結束ベルト1.5㎝幅(amazon)の片方に羽根を根元が見えないように重ね縫い、ワンピースの襟元にもテープを縫い付けました。
髪飾り
フラットワイヤーで月(のようなもの)を作り、なんとなくイラスト風に。
頭の上の方でコームとカチューシャを合体させて固定できるようにカニカンとアジャスターも付けました。
正直アクセサリー類は再現が難しいため集めた材料での最大限の努力の結果
雰囲気は出せたかなと思ってます。が、課題は多々。
いざプレイヤーズコンベンション横浜へ
3月4日(土曜)無事パシフィコ横浜へ
思った以上にぴったりでめちゃくちゃ素敵で超感動(*^^)v
4日5日の両日ずーっとステージイベントで着てくれました。
たくさんの方達に囲まれて写真を撮ってたりと嬉しかったです。
思った以上にステージ映えしていたのでこれくらい派手で良かったかなと。
こんな素人の作品をこんな大きな舞台で着てくれて本当にありがとうm(_ _)m
ドラフトやEDHをしたりと忙しかったのであまり見れなくてごめんなさい。
ちょうど出来上がったすぐ後がゆいさんの誕生日だったのでプレゼントに♡
感想と反省
平面の物を立体化するのは好きだけど、衣装となると細かい部分で色々とわからない部分が多く難しく学びもたくさんありました。
とにかくなるべく多くの資料を集めることが大切で、材料揃えた後に出てきたイラストから買い直すこともしばしば。
学生時代にショーの服を作った経験が役立つ部分もあり、自分が着るのではないので、サイズや着やすさや持ち運びやすさも考慮しました。
ただカード通りの色や素材感の材料をネットの画面で選ぶのは厳しく、出来るなら日暮里の問屋街に行きたかった…
もちろんそんなに材料代をかけることもできないため、まだまだ工夫も技術もアイデアも必要。コスプレ政策の経験者さんに相談もしてみたいです。
機会をいただければまた作りたいと思っているので、今回の経験を活かしてより良い物を作りたいです。
拙い長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。