満月を眺めるのが好きだ

今夜は満月だ.正確には10/14の6時頃に満ちるらしいから日付を超えたくらい.台風一過の雲ひとつない青空だったから,今夜は月が綺麗に見えるかと踏んでいたが,いつの間にか雲が覆われていた.こうしているうちに晴れるといいな.

満月が好きだ.学生のときは学校が終わって遅くに帰ってくるときは星や月を眺めながら帰ってくることが多かった.宇宙は果てしなく広大だ.そんな空間においては自分の悩みなんて一瞬の気の迷いに過ぎない.それに,なんとなく満月をみると不思議とテンションが上がってくる.大潮を引き起こすくらいの引力なのだから影響があっても不思議じゃないかもしれない.

テンションが上がるせいか,満月のときは改めて今後の生き方を考える.今後の生き方なんて仰々しい言い方をするけれども,そんなことをよく考えてしまう魔力が月にはあると思う.果てにはなんのために自分は生きているのかと哲学的な問いにまで発展してしまう.そんな時は大抵はこう生きなきゃなんて正解はないんだから,今生きたいように,実現したい未来に向けて頑張ってみるしかないだろうって自分に言い聞かせている.

思えば今までの生き方は周りの正しさみたいなものに押し潰されてしまって,自分の心を置いていく感覚がすることに最近気付いた.生まれ育った町を歩いているときに,ふいと感じる懐かしい香りに胸が苦しくなる.そっか,気付いていなかったけれど,あのときはあんなにも息苦しい想いで毎日を過ごしていたのか.あのときに戻りたいような気持ちと,もう二度とごめんだという気持ちが同時に渦巻く感覚がする. 

どうやら自分は(ひょっとしたら他の人よりも少し大げさに?)周りの目を気にしてしまうタイプで,自分の言動に対して誰かがどう思うのか考えては怖くなって,自分を殺していたような気がする.嫌われるのが人一倍怖くて,逸脱することに怯えていて,でも心のどこかで他の人とは違う”何か”でありたいと願っているような人間だ.

やりたいことはなんでも手を出してきたつもりだったけれど,思えば,こうなりたいという憧れを抱きながら,自分には向いていないと思って諦めていたことが多かった.なりたいことなら諦めない性格だと思っていた自分だけど,結構周りの人に言われた悪意のない些細な言葉に一丁前に傷ついて,その傷を憧れを抱いた自分ごとなかったことにしてきたんだと思う.

今一度このタイミングで,自分が憧れる人にとことん自分を近づけてみようと思う.仮にうまくいかなかったとしても,やっていく過程で何かしらわかるかもしれないし,憧れるからには自分の中にテンションが上がるトリガーがあるわけだから,そこに挑戦している最中にランナーズハイになってくれる可能性だってあるだろう.

憧れる人のスタイルを真似ることは一体化(ミメーシス)する行為だ.その中にある精神性や情動がそのうち自分の中に流れ込んでくるだろう.なんて思っていたら,過去に自分でnoteに書いていた→「自分のオリジナリティを見つけるにはどうすればいいか」

少年時代は運動が向いてないと思っていた自分も,気がつけば1年以上もジム通いを続けていて,今も苦なく持続しているのだから人間って不思議だ.きっと今までも本当はできることを「できない」ってやる前から諦めてしまっていたのだろう.社会だとか世間体だとかで一般的にはこうするべきみたいな模範解答があるような気がしてみても,生きる意味を考えてみれば答えが出ないのだから自由だ.憧れに近づいていく高揚感でテンションを高めながら走っていくほうがきっと楽しい.そんな気持ちでもう一度走り出してみようと思う満月の夜だった.

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Tomoki
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