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The Beatles EP『 Magical Mystery Tour 』歌詞の訳


1. Magical Mystery Tour  


ご乗車ください、いらっしゃいませ、
こちらが行先不明不思議旅でございます、
こちら、まっすぐお進みくださいませ! 

いらっしゃいませ、ご乗車ください、 
行先不明不思議旅はこちらでございます。 

いらっしゃいませ、
おや、これは、ご予約席の 
ご乗車ください、 
ご招待券でございますね、 
行先不明不思議旅へようこそ。 

弊社、用意万端でございます、みなさまを 
今にも行先不明不思議旅へお連れ出来ます。

お入り用のものはなんでもご用意いたします、 
ようこそ、行先不明不思議旅へ、 
ご満足頂けること請け合いです、 
ようこそ、行先不明不思議旅へ。  

弊社、みなさまに、どうかご参加頂きたいと存じております、 
行先不明不思議旅へ、どうかご参加くださいませ。 

ふしぎな周遊旅行。 

弊社、今すぐみなさまをお連れいたします、 
今すぐ行先不明不思議旅へお連れいたします。 

弊社、みなさまをお連れしたくてなりません、
どうでもお連れしたく存じます、行先不明不思議旅へお連れしたいのです。 


2. Your Mother Should Know  


さあ、子供たち、立ち上がって踊ろうか、 
あの一曲、君らの母さんが生まれる前のヒット曲に合わせてね。 
でも、母さんが生まれたのは、ずっとずっと前だから、 
きっと知ってるだろうよ、知ってるに決まってる。 

さあ、子供たち、気持ちをほぐして私に歌っておくれ、 
あの一曲、君らの母さんが生まれる前のヒット曲をね。 
でも、母さんが生まれたのは、ずっとずっと前だから、 
きっと知ってるだろうよ、知ってるに決まってる。  



3. I Am the Walrus   


この歌は、ピーテル・ブリューゲルの絵『謝肉祭と四旬節の喧嘩』を見ながら聴くと情景が分かりやすいのではと思います。 

それから、「 egg man」なのですが、この egg 古英語の「 ug 」の取り替えではないかと思います。「 surfeit 」の意味で使われているのかと。


おれは「彼」と呼ばれて、
同時に、あんたも「彼」と呼ばれて、
同時に、あんたは「おれ」と言うし、
ぐるぐる回って誰も誰もつながった。 

あいつら、走っていく、
「バン!」の音で走るブタみたい。
あいつら、飛んでいく、
なさけなくなるなあ。 

コーンフレークの箱の上に座って、
箱車が来るのを待っている。 
太鼓腹のテーシャツ、
つまらない、カーニバルのおわる火曜日、 
なあ、あんたって、いたずら小僧だったんだろう、
顔は伸びたみたいだけどね。 

おれは「大食上戸餅食らい」。
やつらは、「上戸大食餅食らい」。
おれは海象、デカイゾウ、
うぉ、うぉ、ぐぇっぷ。 

市の顔、(  )まわりさん、
すわってる、
ちっちゃな、(  )まわりさんたち、
ならんでる。 

あいつら、飛んでいく、
美空のルーシーみたい。
あいつら、走っていく、
なさけなくなるなあ、
なさけなくなるなあ、なけてくるなあ。 

黄色いカスタード性のものが、
死んだ犬の目から滴ってくる。
蟹を悼む魚屋の女将、って、ポルノ的尼僧だよ、
なあ、あんたって、いたずら「娘」だったんだろう、
ニッカーボッカーがずり落ちてるよ。 

おれは「大食上戸餅食らい」。
やつらは、「上戸大食餅食らい」。
おれは海象、デカイゾウ、
うぉ、うぉ、ぐぇっぷ。

とある英国庭園に座って、
陽が当たるのを待っている。 
陽が差して来なければ、
英国の雨に打たれて、
日に灼けるんだ。 

おれは「大食上戸餅食らい」。
やつらは、「上戸大食餅食らい」。
おれは海象、デカイゾウ、
うぉ、うぉ、ぐぇっぷ。

専門家は細密にする、
咽びながら飲む、
愛煙家でもある。 
ジョーカーが笑ってる、と思わないかい? 

あいつら、笑ってる、
汚い小屋のブタみたい。 
あいつら、もそもそ動いている、
なさけなくなるなあ。 

セモリナ粉をまぶされた鰯がいっぱい、
エッフェル塔に登って行く。 
よちよちのペンギンがクリシュナ讃歌を歌っている、
なあ、あんた、あれらがエドガー・アラン・ポーを
蹴っ飛ばすのを見れば良かったのにねえ。 

おれは「大食上戸餅食らい」。
やつらは、「上戸大食餅食らい」。
おれは海象、デカイゾウ、
うぉ、うぉ、ぐぇっぷ。  



4. The Fool on the Hill   


丘の上で孤立して、日に日を重ね、 
ぽかんと口を開いたあの男は、微動だにしない。 
この男と知己になろうとする者は、ひとりもいない、
大抵の人は、この男を阿呆と思ってる。 
この男は返答もしない、 
けど、この丘の上の阿呆、
太陽が沈みつつあるのを分かっている、 
この男のかしらにある二つの目は、 
世界が急激に向こうへ向きつつあるのを見ている。

頭が雲の中にあっても、洋々と、
千の声を持つあの男は、耳を全く聾するように喋り続ける。 
この男に耳を傾ける者は、ひとりもいない、 
この男の発した音だとは微塵も思わない。
この男は合図もしない、 
けど、この丘の上の阿呆、
太陽が沈みつつあるのを分かっている、 
この男のかしらにある二つの目は、 
世界が急激に向こうへ向きつつあるのを見ている。 

この男に好感を抱く者は、ひとりもいない、
大抵の人は、この男のしたいことが分かっている。 
この男は感情を見せない、 
けど、この丘の上の阿呆、
太陽が沈みつつあるのを分かっている、 
この男のかしらにある二つの目は、 
世界が急激に向こうへ向きつつあるのを見ている。 

この男は人々の声に耳を傾けない、
この男は、人々が愚かだと分かっている。 
人々はこの男を嫌う、 
けど、この丘の上の阿呆、
太陽が沈みつつあるのを分かっている、 
この男のかしらにある二つの目は、 
世界が急激に向こうへ向きつつあるのを見ている。  


「The Fool on the Hill」に直接繋がるのが「 Mother Nature's son 」だと思うので、 

Mother Nature's son  



質素な農村の人間として、ぼくは、
儲けられた、産神の息子なのだ。 
一日中座っているだけのぼく、そして、みんなに向けて歌うんだ。 
山肌を落ち流れる水筋の側に座るぼく、そして、母が現れるのを待っている。 ( 母は湧く水の姿 ) 
そして、母が飛び去る時の、音楽の様な美しい音に耳を澄ますんだ。 ( 母は渡る風の姿 ) 
母は、ぼくを見つけるよ、ぼくの住む草原の中にいるぼく、
産神の息子を見つけるんだ。 
雛菊の花群を揺さぶるぼく、そして、太陽の下、ゆっくりな歌を歌うんだ。 
ぼくは、産神の息子。 


5. Blue Jay Way     



「生息地」ロサンゼルス上空には霧が留まっていて、 
それで、ぼくのともだちたちは道を見失ってしまったに違いない、 
すぐに着くからと言っていたけれど、 
そうはならずに、自分たちの「位置」を失くしてしまった様だ。 

遅くはならないで、そんなに遅くはならないで欲しいな、 
遅くなると、ぼくは眠ってしまうかもしれない。 

おまわりさんは通りではよく出くわすから、
通りにいるおまわりさんに行き先を聞く様に、と 
ぼくはともだちたちに言っていたんだ、
その通りになる様だよ。 

床に着く時間が過ぎているのはぼくにも分かってる、 
それで、ぼくは、もう本当に眠りに入ってしまうかも、 
すぐにも、夜が白み始めそうだと言うのに、
座ったままなんだ、青鵥の路に。   




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