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The Beatles アルバム『 Beatles for Sale 』の訳

先行シングル:I Feel Fine  



あの娘ぼくにぴったり、だろ 
あの娘サイコーにしあわせ、だろ 
あの娘そう言ったんだ。 
ぼくはあの娘と恋愛中、で、ぼくご機嫌。 

ぼくの彼女ってあの娘は今言った、だろ 
ずっとそうだってぼくに明かした、だろ 
あの娘はそう言ったんだ。 
ぼくはあの娘と恋愛中、で、ぼくご機嫌。 

彼しったらわたしに服買ってくれるのよ、ね 
彼しったらわたしにダイアモンドの指輪買ってくれるのよ、ね 
って、あの娘は言いふらすもんだから、ぼくは誇らしいね。 
あの娘そう言ったんだ。 
ぼくはあの娘と恋愛中、で、ぼくご機嫌。 

あの娘がぼくの彼女なんて、なんて誇らしいんだ。  


備考: 
この歌は、1964年10月に録音されて11月に発表されています。ところが、歌詞の内容は、同じ年、1964年1月に録音され3月に発表された「 Can't Buy Me Love 」の歌詞と繋がる様にも思われます。「 Can't Buy Me Love 」の中でダイアモンドで少女の愛を得ようとして拒否されたドンファンだけを取り出して、道化にして見せている様にも思われます。 





1. No Reply 



今さっきのことだよ、
ぼくが君んちの玄関に来た時、
「応えてくれない」ってことが起こったんだ。 
君の部屋の窓から君がそっと伺っているのを 
ぼくは見たのに、 
君の家の人たちは、それは君じゃない、って言うんだ。 

ぼくは部屋の明かりを見たんだ、
ぼくは部屋の明かりを見たんだ、 
それで、君の顔、
ぼくは見上げたんだ、わかってる、 
君が先にぼくに気付いたんだ。 

それじゃあ、電話をするつもりです、
ってぼくが言うと、家の人たちは、君は留守だって言う、
そんなのは嘘だ。 
だって、君はずっといるってぼくにはわかってる、 
君んちの玄関に入る君を 
ぼくは見たんだから。 

ぼくはもう死んでるも当然ってこと、
それで、君は他の男と手をつないで歩いてる、
ぼくの代わりにって、
そんなの、ぼくはもう死んでしまいそうだよ。 

ぼくが君ならよかった、 
だって、他の誰よりもずっと 
このぼくこそが君を愛しているって、 
ぼくはよくわかっているのだから。 

前だったら、君の嘘を
聞いてもぼくはゆるしてたよ、 
でも、君はもう 
応えてくれないんだ。  


備考: 
何の前奏もなく、またコーラスが倒置されて先に来ることもなく、突然に第一ヴァースの冒頭の行「 This happened once before, 」が歌われます。これは、恋人の家を訪ねて行って拒否され応答もして貰えないことへの驚愕、衝撃、またそれへの主人公の激情の一瞬を表現するために取られた手法だと思われます。「 once before 」は、「ほんの瞬間前」、「 just before 」の意味で使われています。 






2. I'm a Loser 



ぼくは敗者、敗者なんだ。 
見た目とは違うんだ。 

ぼくが勝った恋もある、負けた恋も、
その中で、どうしても、棒消しに出来ない恋があるんだ。
そう、あの人は、百万に一人の女性だった。 
結局は、彼女が勝つって、気が付くべきだったんだよ。 

ぼくは敗者、直ぐ側にいた人を失った。

ぼくは大笑いしてるし、道化の様にふるまってる。
でも、これは上辺の仮面、その下で、顰め面を被ってる。 
ぼくの涙は、空から降る雨、そのものなんだ。 
ぼくが泣くのは、彼女を偲んで、それとも、自分を憐れんで? 

何の報いで、こんな悲運に見舞われるのだろう? 
立ち去るのが遅過ぎたのは、よく分かってるんだ。 
「高ぶりは滅びに先立ち、誇る心は倒れに先立つ。」は本当。 
きみに注意をしておくよ、きみもそうならないようにね。 

ぼくは敗者、見た目とは違うんだ。


備考:
「 pride comes before a fall, 」は、旧約聖書『箴言』16章18から。 







3. Baby's in Black 


「ああ、ふう、どうすればいいんだ? 
あの娘は黒を纏って、だから、ぼくは留紺に染まる。 
ああ、教えてよ、ぼくはどうしたらいいんだ?」 

その女は別の男のことを考えている。故に、女は黒を纏っている。 
だが、その男が帰ってくことはない。女は、常に黒を纏うのだ。 

「ああ、ふう、どうすればいいんだ? 
あの娘は黒を纏って、だから、ぼくは留紺に染まる。 
ああ、教えてよ、ぼくはどうしたらいいんだ?」  

私はその女のことを思う。だが、女はあの男のことだけを思うのだ。 
もちろん、あの女があの男を思うなど、
無思慮と言うものだ。 

「ああ、あの娘が自分の間違いに気がつくのに、 
いったい、どれくらいかかるのだろう?」 

「ああ、ふう、どうすればいいんだ? 
あの娘は黒を纏って、だから、ぼくは留紺に染まる。 
ああ、教えてよ、ぼくはどうしたらいいんだ?」  






4. Rock and Roll Music 

チャック・ベリーの歌。



5. I'll Follow the Sun 


その日の内に、パパは、わたしがもういなくなったことに気がつく、
なんてことがあるかも、それはきっと雨の日よ。わたしは太陽に就いて行くつもり。
遠い未来には、パパは、私がもう一人前だったことに気がつく、
かも、でも、もう明日が雨になるわ、わたしは太陽に就いて行くつもりなの。 

とうとう、その時が来たわ、
大好きなパパ、わたしは行かなくては。
でも、わたしは、頼みの人がいなくなるわ、
それも、いつかは、パパはわかるでしょうね。 

わたしがいなくなったこと、パパは、その日のうちにわかるでしょうね、
でも、明日は雨になるのよ、わたしは、太陽に就いて行くの。
そう、明日は雨よ、わたしはね、太陽に就いて行こうと思うのよ。
ああ、時間だわ、
行かなくては、パパ、、
でもでも、頼みの人がいなくなってしまう、
わかるわよね、ねえ、
わたしがいなくなったて、パパ、その日のうちにわかるわよね、
ああ、明日は雨だわ、だから、わたし、行くの。  



備考:
後の「 She's Leaving Home 」に繋がるように訳してみました。





6. Mr. Moonlight  

Roy Lee Johnson ロイ・リー・ジョンソンの歌。


 



7. Kansas City / Hey-Hey-Hey-Hey!   

ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーの歌をリトル・リチャードがアレンジしたもの。



8. Eight Days a Week 


きみが愛してくれなきゃ、ぼく、生きてらんない、それって、 
きみは本気にしてくれるって、ぼくは思ってるんだけど、 
ぼくが愛してないと、きみも、生きてらんないならいいけど、 
ぼくがきみにいてもらわないと駄目なのとおんなじでね。 

だきしめてよ、 
好きになってよ、 
一週間に八日働いて、何ももらえない、 
ただ、恋だけ。 

毎日恋こがれてる、きみ、あたまの中はきみだけ。 
おなじ言葉だけ、つい、口に出ちゃう、きみに恋してるって。 

一週間に八日、ぼくはきみを恋こがれてる、 
一週間に八日だけじゃあ、 
どんだけ願ってるかわかってもらえないよ。



9. Words of Love  

バディ・ホリーの歌。 



10. Honey Don't   

カール・パーキンスの歌。



11. Every Little Thing 


ぼくが彼女と並んで歩いていると、 
みんなが、良かったね、と言う。 
ほんとに、良かったとしみじみ思うんだ。 

彼女がいなくなった 
最初の日のことは忘れられない。 
そして、今、ぼくの思いは彼女を回り続けてる。 

彼女のするほんのちょっとの仕草、 
ぼくに合わせる仕草、 
彼女があたりをぼくのあつらえむきに 
してくれるのは、見ての通り。 

彼女がそばにいれば、彼女がぼくを愛してるって分かる、 
それだけだけど、それだけで、ぼくは良かった。 
彼女がぼくを愛してるって、ぼくは分かるんだから。 

確かのことが一つだけある、 
ぼくは永遠に彼女を愛するだろうってこと、 
愛は死なないって、ぼくは知ってるんだから。 




12. I Don't Want to Spoil the Party 



ぼくはパーティーで鼻白むのは嫌だから、もう帰るつもりさ、 
がっかりな場面を見るなんて真っ平なんだ、 
ぼくにとってこれでなければと言うものは何もないんだ、 
だから、退散するよ、 
ぼくが帰ってから彼女が現れたら、頼むよ、知らせてくれ。 

一杯、二杯だったかもう飲んだしね、それで十分さ、 
飲んだってちっとも楽しくない、彼女がいないとね。 
何が悪かったかぼくには見当がつかないんだ、 
かなり前から待ってるんだ、長すぎるほどだ、 
ちょっと歩いた方がいいんじゃないかな、それで、彼女を探そう。 

今晩の彼女はぼくを孤影にしたんだけれど、
ぼくは、やっぱり、彼女を愛している。 
彼女を見つけられたら、ぼくは幸慶だ。 
ぼくは、やっぱり、彼女を愛している。 


13. What You're Doing 


一度自分のしていることを考えてご覧なさい。私はね、憂鬱ですよ、それに 
何の頼りもない様に思えるわ。 
あなたにあれこれ質さなければ良かったのかしら、 
わたしにどんな思いをさせようというのかしらね、あなたは。 

あなたのお陰で母さんは走り回っているのよ、腹立たしいわ。 
あなたにもっとくわしく質しておいた方が良かったのかしら、 
わたしにどんな思いをさせたいのか、聞いておけば良かったかしらね。 

母さんはね、おうちであなたを待ってるわ、 
今頃、あなたは何をしてるのか心配しながらね。 
あなたは本当に心配してくれる人が欲しいのでしょうね、でも、
それは母さんなのよ。 

嘘を言うのはお止しなさい。泣けてしまうわ、母さんは。 
あなたにもっとくわしく質しておいた方が良かったのかしら、 
わたしにどんな思いをさせたいのか、聞いておけば良かったかしらね。 


備考: 
この歌詞は、母親が娘を嗜めている、と言う場面にでも、合うのではないかと思えます。ポール・マッカートニーは、自分の世代ではなくて、自分の親の世代に視点を置いた歌詞を書くこともありますから。それで、母親が語り手として訳してみました。 




14. Everybody's Trying to Be My Baby 
 

カール・パーキンスの歌。  








The Beatles 『 Help! 』歌詞の訳 →  

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