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【展覧会記録】空也上人と六波羅蜜寺展
▼訪問した展覧会
▼感想
混む前に見たい!ということで、3/1に始まったばかりの上記展覧会に行ってきました。
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東京国立博物館の本館特別5室で行われており、比較的小規模な展覧会ながら、陳列された彫刻群は見ごたえ十分で感動しきりでした!
まず素晴らしかったのが、仏師の祖で、私が愛してやまない平等院鳳凰堂の阿弥陀如来様の作者でもある定朝作と伝えられる地蔵菩薩立像。
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穏やかなお顔立ちと流麗な衣文が織りなす静謐なリズムにのっけから大興奮でした。一部失われてしまっている光背も見事で、なぜこんな繊細な造形が1000年も昔に手作業で作ることができたのだろうと不思議で不思議で。仏師の卓越した技にぐっときておりました。
◆定朝とは?
仏師の祖と仰がれる平安時代の仏師。その仏像は「仏の本様」として多くの貴族や仏師たちに愛された。平等院鳳凰堂の六丈阿弥陀如来坐像は、確かな証拠の残る現存作品である。
大規模な工房を構えて制作していたことが知られており、国風文化の中で日本人らしい顔立ちやゆったりとした躯体の仏像を多数制作した。
続いて、運慶作の鎌倉時代の仏像、地蔵菩薩坐像。
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展覧会で見る仏像がいつも贅沢だなと思うのは、至近距離で360度回り込んでお姿を拝見できるところ。
このお像も、正面から見る端正なお顔立ちたるや!加えて、真横から見ても、本物と見まがうような布の表現や、リラックスしながらも凛とした居住まいを感じる背中の隆線が美しく、何とも言えない実在感を醸していました。
運慶は本当に"人"を写し取るような仏像を作る人だなあと感じ入りながら見入ってしまいました。
◆運慶とは?
鎌倉時代の仏師。東大寺南大門の金剛力士像が有名だが、それ以外にも多くの仏像を作った。円成寺大日如来像造像銘中に「大仏師康慶実弟子運慶」とあり、この時代としては大変珍しく自身の作品に名前を残している。
奈良を中心に活躍し、定朝が手本となった国風の仏像と比して、リアルで人間味あふれる仏像が特徴。
続きまして、教科書でも見たことのある平清盛坐像。
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これも本当に良かった!
平家の世を作った張本人としての自信や一筋縄ではいかななそうな性格を見事に感じさせる表情をしたお像。間近で見ると、眉毛なんかも良く見えて、生々しい人間像が浮かび上がるようでした。鎌倉殿の13人にはまっている私としては様々な想像が掻き立てられてワクワクしました。
そしてメインである空也上人像。
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このお像、思っていたより小さかった!!!
とても華奢なのに、一方で多くの民を疫病から救わんとする力強さが漲り、圧倒的な存在感がありました。
口から出ている小さな仏像は「南無阿弥陀仏」の一文字一文字を表したものですが、本当に繊細で、これを守り継いできた人々にも思いを馳せました。
名号を唱え首元で震えている喉ぼとけや、人々を救うためにくっと踏み出した足の血管まで、繊細かつ見事に作られた造形で、まるで空也上人に相対しているような、そんな気持ちになりれました。
最後にしっかり御朱印(超カッコイイ)もいただいて、大満足の展覧会でした!!
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