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ChatGPTのProプランが赤字?勝者は誰なのか?
AIメディアを運営する男性2人が"ながら聞きでも未来がわかる"をテーマに30分で生成AIのトレンドを解説するPodcast「AI未来話」。
このnoteでは番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けします。※この記事は95%がLLM「Claude」で執筆しています。
今回は「#41 ChatGPTのProプランが赤字?勝者は誰なのか?」を再構成した内容をお届けします。
OpenAIのProプラン赤字問題
予想外の利用状況と収益性の課題
OpenAIのCEOであるサム・アルトマンがChatGPT Proプランについて、予想以上の利用者数により赤字が発生していることをXで明らかにしました。
insane thing: we are currently losing money on openai pro subscriptions!
— Sam Altman (@sama) January 6, 2025
people use it much more than we expected.
月額200ドル(約3万円)という高額な価格設定にもかかわらず、収益性に課題が生じている状況です。
私たちが注目すべきなのは、サム・アルトマンが価格設定時に利益が出ると考えていた点です。
no, i personally chose the price and thought we would make some money
— Sam Altman (@sama) January 6, 2025
通常のPlusプランでは月額20ドルと42ドルの2つの価格帯でテストを実施した結果、20ドルに決定されました。
一方、Proプランではそのような市場調査を実施せずに価格が決定されたことが明らかになっています。
急増するユーザー数とメッセージ量
現在のChatGPTの週間アクティブユーザー数は3億人に達しており、1日あたり約10億のメッセージがやり取りされています。
特にアメリカでは130万人以上の開発者がOpenAIのサービスを活用している状況です。
興味深いのは、昨年10月時点では週間アクティブユーザー数が2億人だったことから、わずか数か月で1.5倍に成長していることです。
この急激な成長により、特に推論部分での計算コストが想定以上にかかっていると私たちは考えています。
o1が4~5分悩みながら推論している間も、システムはトークンを消費し続けているため、利用コストが膨大になっているのです。
営利化への動きと資金調達
OpenAIは最近、営利部門をPublic Benefit Corporation (PBC)に移行する計画を発表しました。
PBCとは公共の利益を優先し、社会貢献を目的とする企業形態です。
この移行により、非営利団体が株式を保有する形で資金調達を容易にする狙いがあります。
私たちは、この動きがProプランの赤字問題と無関係ではないと考えています。
もし十分な収益が上がっていれば、追加の資金調達は不要なはずです。
この状況は、OpenAIにとって単なる笑い話ではなく、かなり深刻な経営課題となっている可能性が高いと分析しています。
一般的に認識されている生成AI時代の勝者
NVIDIAの圧倒的な市場支配
生成AI時代の真の勝者を探ると、半導体市場で圧倒的なシェアを持つNVIDIAが浮かび上げられます。
AIモデルに使用される半導体市場において、NVIDIAは70%から95%のシェアを保持し、事実上の独占状態を築いています。
特筆すべきは、NVIDIAが学習用途と推論用途の両方に対応した製品開発を展開している点です。
最新モデルのB200は1台あたり1000万円を超える価格にもかかわらず、AWS、Google Cloud、Microsoft Azureなどの主要クラウドプロバイダーが続々と導入を決定しています。
クラウドプロバイダーの収益構造
私たちは、現在のAI市場をカジノの構造に例えて説明したいと思います。
NVIDIAはカジノの胴元(経営者)のような存在で、その下のクラウドプロバイダーは不動産所有者に相当します。
そして、OpenAIなどのAI企業はポーカーテーブルを提供する事業者のような位置づけとなります。
この構造において、最も収益を上げているのは半導体を提供するNVIDIAと、クラウドインフラを提供するAmazon、Google、Microsoftです。
たとえOpenAIが多くのユーザーを集めていても、実際の収益の大部分はこれらの基盤技術を提供する企業やツールを稼働させるサーバー運営企業に流れているのです。
市場構造の階層性
AIビジネスにおける収益構造は、明確な階層性を持っています。
上位層にはNVIDIAが位置し、その製品を大量に購入するクラウドプロバイダーが中間層を形成しています。
最下層には、これらのインフラを利用してサービスを提供するAI企業が位置しています。
私たちの分析では、この階層構造は当面変わらないと考えています。
なぜなら、基盤技術の提供者がすでに確固たる地位を築いており、新規参入のハードルが極めて高いためです。
この状況は、AI市場における収益の偏在をさらに強固なものにすると予測されます。
次のステージで考えても結局真の勝者はNVIDIAだった
生成AI時代では、GPUを提供するNVIDIAが勝者なのは言うまでもありませんが、しかしこれからは人型ロボットの時代に突入します。
AIが次のステージに進んだ際に、果たして真の勝者は誰になるのか・・・・
実はこれもNVIDIAでした。
ヒューマノイドロボット向けの革新的技術
NVIDIAは2025年前半に、ヒューマノイドロボット用の最新世代小型コンピューターJetson Thorの発売を予定しています。
このJetsonシリーズは、すでにロボット分野におけるAIハードウェアの事実上の標準となっており、多くのロボットメーカーに採用されています。
特筆すべきは、2024年1月6日に発表されたNVIDIA Cosmosです。
これはヒューマノイド用基盤AIモデル群で、物理的な世界の画像や3Dモデルの生成に特化しています。
このシステムにより、ロボットが物理世界をより深く理解し、人間のように自然に動作することが可能になります。
統合的なAIソリューションの展開
Cosmosの登場によって、NVIDIAは現在、以下の3つの要素を一気通貫で提供できる体制を整えています。
データセンターでの大規模学習
物理世界のシミュレーション
ロボット向けJetsonへのデプロイ
私たちは、この統合的なアプローチが映画「マトリックス」のように、ロボットに直接スキルをインストールできる世界を実現する可能性があると考えています。
これはNVIDIAが単なる半導体メーカーを超えて、AI時代の総合的なソリューションプロバイダーへと進化していることを示しています。
コンシューマー向け製品の展開
1月7日には、GeForce RTX 5000シリーズという新しいGPUの発売も発表されました。
これは一般消費者向けのパソコンに搭載される製品で、データセンター向けのBlackwellアーキテクチャを採用しています。
最上位モデルの価格は約40万円と高額ですが、個人でAIモデルの学習を行う開発者などをターゲットとしています。
これらの戦略的な製品展開により、NVIDIAの株価は1月6日に最高値を更新しました。
これは2023年11月7日以来の更新となり、市場がNVIDIAの次世代技術戦略を高く評価していることを示しています。
人型ロボット市場の将来性
急成長する市場規模
人型ロボット市場は、今後急速な成長が予測されています。
アメリカゴールドマンサックスの調査によると、2035年のヒューマノイドロボットの市場規模は、最も楽観的なシナリオで1540億ドル(約23兆円)に達すると予測されています。
米Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)は2035年のヒューマノイドロボットの市場規模を最も楽観的なシナリオで1540億米ドル(約23兆円)にも達すると予測。
この規模は、2021年時点の全世界のゲームコンテンツ市場(約20兆円)を上回る規模となります。
角川アスキー総合研究所(東京・文京)は2022年8月25日、国内外ゲーム業界の最新動向を分析した『ファミ通ゲーム白書2022』を発売した。21年のゲーム市場は、ワールドワイドで前年比6.1%増の21.9兆円。日本国内はほぼ横ばいだが2兆円規模を維持。そのうち1.3兆円はゲームアプリで、市場をけん引している。
中国政府は2025年に人型ロボットの量産体制を確立する計画を公表しており、私たちは今年から人型ロボット市場が本格的な成長フェーズに入ると考えています。
例えば、ソーラーパネル業界の人手不足解決を目指すRoboWorksが約15億円の資金調達に成功し、Figure社は約1000億円の資金調達を実現するなど、すでに具体的な動きが始まっています。
日本企業の競争力
人型ロボット市場において、日本企業は重要な技術領域で競争力を持っています。
例えば、ソニーのイメージセンサー技術は、ロボットの視覚システムとして高い優位性を持っています。
これはすでに産業ロボットや自動運転分野で実績があり、人型ロボットの「目」として大きな可能性を秘めています。
また、ハーモニック・ドライブ・システムズは、ロボットの動力となるアクチュエーター技術で世界的なリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。
さらに、パナソニックのバッテリー技術など、日本企業は自動車産業や家電産業で培った技術を人型ロボット分野に転用できる可能性を持っています。
市場参入の機会
私たちは、人型ロボット市場が自動車産業に似た構造を持つと分析しています。
つまり、最終製品には数多くの部品が必要で、それぞれの分野でニッチトップ企業が存在する可能性があります。
例えば、海水淡水化フィルターで東レ、日東電工、東洋紡が世界シェアの50%以上を占めているように、人型ロボット市場でも日本企業が特定の領域で高いシェアを獲得できる可能性があります。
このような状況から、AIと人型ロボットを組み合わせた領域で日本企業が成功を収めれば、経済市場に大きなインパクトを与える可能性があると私たちは考えています。
まとめ
今回のエピソードでは、OpenAIのProプランの赤字問題から始まり、最終的に人型ロボット市場の将来性まで、幅広い話題を取り上げました。
特に印象的だったのは、NVIDIAの圧倒的な市場支配力と、その次の一手としての人型ロボット市場への展開です。
私たちは、2025年がAIと人型ロボットの融合が本格化する重要な年になると考えています。
特にNVIDIAのCOSMOSとJetsonの組み合わせは、映画「マトリックス」のような世界を実現する可能性を秘めています。
また、日本企業にとっても、センサーやアクチュエーターなどの重要部品供給で大きなチャンスがあることを強調したいと思います。
このような技術の蓄積を活かし、新しい市場で競争力を発揮できる可能性は十分にあります。