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エピソード#3 「お家に帰りましょう」と言える介護タクシーの仕事
入院前から弊社のサービスを利用していただいているご利用者様が、余命宣告をされ、ご家族が 家で看取りたいと決断され、病院のソーシャルワーカーさんを通して弊社に退院送迎の依頼がありました。
病棟にお迎えに行き、ご本人に「お家に帰りましょう」と声をかけました。
頷いたように見えました。
家に行くまで 「今 ◯◯辺りですよ~」と ずっと働いていた場所、買い物に来ていたスーパー、よく来ていたコンビニやファミレス、自宅近くの旅館などポイントになる場所の名前を伝えると「あ~」と声を出されました。
そして 自宅に帰宅。
ストレッチャーのまま自宅には入れないので布担架で二人で抱え上げ、 ベッドへお連れしました。
言葉は発しなくても 表情が穏やかで 帰宅したのは わかっていると感じました。
その後、訪問看護のナースやケアマネージャーさん、訪問診療の医師なども訪問し、翌日に エアーマットが入り、快適な ベッド環境になった一時間後に 穏やかに 虹の橋を渡られたそうです。
退院して 約24時間、自宅で過ごされました。
一日 遅かったら病院で最期を迎えていたかもしれません。
快適なベッドになり、気持ちのいいまま 旅立たれたと思います。
「家で看取りたい」。
ご家族のこの決断は勇気がいることだと思います。
振り返ると今回はタイミングも すごく良かったと思いました。
私は 20歳でナースになり、病院勤務もそれなりに長かったので たくさんの看取りの場面に立ち会わせていただきました。
また、家で 看取りたいというご家族がいた時は病院から見送る形でした。
なので、どんな状況でも「お家に帰りましょう」と言える今の仕事が好きです。
希望を叶えるお手伝いをこれからもたくさんできたら嬉しいです。