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エピソード#72 大切なご家族と一緒に。人生最期の熱海旅行~キャンナスから繋がったご縁~

コロナ禍に入った年のエピソード。

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観光の方の旅行のサポートをさせていただきました。
一泊二日の旅行のサポートということで連絡(メール)があったのはその旅行の数日前。
私が携わっている全国訪問ボランティアナースの会キャンナス繋がりからの相談でした(キャンナスは藤沢に本部があり、各地に今は170ヵ所ほどあり、私は全国で81ヵ所のキャンナス熱海の代表をしています)。
『余命宣告された闘病中の男性が家族の記念日に熱海に旅行に行きたいと言っている。人生最期の旅行になるかもしれないから這ってでもいきたいと言っている。
ご本人は、自らの強い意志でこの旅行を突破しようとされている反面、不安が強いようです。依頼内容は、熱海旅行中、体調確認や相談、疼痛時のフォローしてほしいとのことだそうです。』。
 
★このような内容のメールを最初にいただき、「キャンナス熱海で対応可能」ということと、本業が介護タクシーのため、送迎含めて対応できることをメールで伝えました。
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私は 熱海で 夫婦で介護タクシー事業をしています。
今までも 余命宣告されて 最期の旅行で熱海や伊豆に来てくださったお客様の旅のサポートも何度か させていただきました(介護タクシーで 熱海駅↔ホテルの送迎、観光、温泉への入浴介助など)。
中には、電話では なかなかご家族がご様子を話されず、熱海駅にお迎えに行った時に ターミナル期に入られている方だろうという方もおられました。
その方については 地元の訪問看護ステーションのナースからのサマリーを当日受け取り、病状を把握することができました。旅行中に急変するかもしれないと、、とも思ってしまう位のご様子でしたが、ご家族・愛犬と行きたい観光施設や飲食店に行き、泊まりたいホテルに泊まり、リクライニング車椅子にほぼ寝たままの状態で 掛け湯ですが、温泉も楽しまれ、2泊3日の旅行を楽しまれました。旅行最終日には 無表情だった顔に笑顔も見られ、ホテルの方にお礼を言ったり、ご家族に 指示をされたりと お母様の役割を戻され、車椅子に座った時も首が後屈せずに、初日よりも少しお元気になられたような印象を受けました。
 
ご依頼内容の男性が 旅行中に どのようなサポートを望まれているか いろいろ確認することはありますが、熱海に旅行中、介護タクシーでのサポート含めて、キャンナス熱海で なにかしら できると思います。その方は熱海までは 地元の介護タクシーで 来られますか?
それとも 新幹線でしょうか?小さなお子様もいるということで、同行されるのが奥様だけだとすると、男性も車椅子で移動と想定してるので、旅行の荷物も含め、新幹線だと 移動が大変だろう、など まずは移動手段が決まっているのかは、気になります。新幹線なら多目的室を予約されるのがよいかと思います。
宿泊先にも 事前に連絡し、下見をさせていただけるかもしれません。
もう数日後のことなので、私で できることあれば、電話でのやりとりが早いかと思いますので、なにかあればお電話ください。      
                         キャンナス熱海 河瀬愛美
 
★こんな感じからやりとりが始まり、担当の訪問看護ステーションのナースやご家族とやりとりさせていただき、旅行まで数日しかない中で急ピッチで準備が始まりました。宿泊されるホテルも 打ち合わせと下見をさせていただくことができました。
 
ホテルの方々も 体調が不安定で来られるというのは承知されていましたが、不安もあったようでした。女将さんとのお話の中で 「もしかしたら体調次第で 夜に訪問するためにホテルに出入りさせていただくかもしれません。」と伝えると女将さんから「夜に来るのは大変だから、その日は空いているお部屋があるので、河瀬さんさえよければ泊まってください」と言っていただけました。
 
ご利用者様とご家族が気を遣わないよう、私が待機していることは内緒にして、もし緊急で呼ばれたら、早く駆けつけられるし、その時に不思議に思われたら「実は、待機していました」と言いましょということになりました。本当に有難かったです。
 
★そして迎えた当日、介護タクシー・伊豆おはなの車両で熱海駅⇔宿泊先ホテルまでの送迎、キャンナス熱海(有償ボランティアナース)で滞在中の体調確認・相談(オンコール体制)等で関わらせていただきました。
 
★前日も体調安定していると連絡があり、当日熱海駅でお迎えしました。
到着直前まで、嵐のような天候で、心配でしたが、到着時は雨は弱まっていました。
新幹線は多目的室が取れたため、出発駅からベッドにしてもらい、「楽だった」と御本人様も話されていました。
 
ナースドライバーである私がお迎えに行き、車両には車椅子のまま乗車され、ホテルまでの道中、車窓から海や季節の花を見てご家族で喜ばれていました。
ホテルでは、スタッフの方のご協力もあり、海の見えるラウンジまでは歩行され、椅子に座られたあとは、奥様とファーストドリンクを楽しまれていました。
 
お部屋までは距離があるため、車椅子で移動し、お部屋ではソファに移乗し、海が望めておられました。部屋に温泉もあるため、すごく喜ばれていました。入浴の御手伝いは奥様で大丈夫とのことで、弊社のシャワーチェアはご希望があったのでお貸ししました。浴室・トイレには簡易的な動かせる手すりをホテルの方が設置してくださってました。
酸素も自宅で使用しているものと同じということで安心されてました。
念のため、血圧など測定させていただき、体調を確認し、なにか困ったことがあれば連絡ください、ホテルでゆっくり過ごされてくださいと伝え、その日は 失礼しました。
 
(一度会社に戻り、ご一家が夕食を楽しまれてる時に ホテルへ伺い、待機させていただけるお部屋に案内していただきました。素晴らしい部屋で、感謝感謝でした)。
緊張した夜でしたが 夜中の連絡はなく、ちゃんと睡眠もとり、私は早朝にホテルを出て、会社に行きました。
 
7:30頃、奥様よりメール連絡あり。「昨夜は臨時の痛み止めの薬は飲みましたが、無事に朝を迎えることができました。天気と体調によっては観光もできたらと思います」。
 
チェックアウトの時間に介護タクシー・伊豆おはなの車両で御迎え。
奥様より、ご主人様は朝食後から眠っているので、お部屋で健康チェックをお願いしますと連絡あったため、お部屋に訪問。
 
ご主人様はソファに座っておられました。前日よりもスッキリした表情をされていました。
「温泉も入り、温まった」と話されてました。夕食の際にご家族の記念日を祝うことができ、
喜ばれていました。
 
チェックアウトの際は雨風がやや強く、観光はせずに熱海駅に向い、駅ビル内で新幹線内で召し上がるランチを買われ、大きく手を振られ、笑顔で帰られました。
 
★その日の夕方、訪問診療の担当の医師から電話をいただきました。
「夕方、心配で様子を見てきました。疲労はあるようだが、元気になっているように見える。もしかしたら、このまま体調が維持できれば、次の旅行も実現できるかもしれない。その場所が熱海や伊豆だったら またぜひ、サポートお願いします」と言っていただきました。
 
★そして 訪問看護ステーションのナースからも旅行翌日に訪問に行かれ、「すごく元気でした!旅行の話をたくさんしてくださいました」とファックスをくださいました。
熱海旅行から帰り、 とても元気で穏やかなご様子だったそうですが1週間後、ご家族に看取られながら虹の橋を渡られました。
 
★私は、もし、急変したら、ということも頭の隅にずっとありながらも、「絶対大丈夫。ミラクルが起きる。最幸の日にする」という思いに溢れていました。なにかあれば、訪問診療の医師に連絡できる体制にもしていました。
 
旅行は  「よし!次も旅行するために またがんばろう」などと 生きる力に繋がります。
この旅行中、もしかしたら、体調悪化した時には 伊豆おはなの車両で東京に送迎することも可能性としてはあり、社長は緊張感を持ちながら自宅で待機。
二人とも それぞれ、睡眠はとりましたが、いろいろ考えることもあり、頭は起きてるような、、そんな感じでした。
 
★今回の旅行のサポートは、自分たちがやっていきたい方向である「伊豆をユニバーサルツーリズムの聖地に」に近づけたかと思います。
ワンストップサービス、ホテルや旅館との連携、旅行を諦めていた方のサポート、コーディネート、などなど。
こういう旅のサポートがたくさんできるようになりたいと思います。

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